プロローグ
処女作になります!
拙い文書ではありますが、生暖かい目で読んでくれるとありがたいです。
誤字、脱字、間違った言い回しなどの指摘もお待ちしております。
「いや、まさかお前があの白雪さんと付き合うなんてなぁ・・・」
とある日の放課後、昇降口でだらだらと俺と話しているこいつは、俺の幼稚園時代からの幼馴染でもあり、同じ高校二年生のクラスメイトでもある中川圭だ。
「ほんと、まだ俺も信じられねーよ」
先週からずっとこのセリフいってるきがする、と心の中で考えている俺の名前は巻島隆太だ。そして俺には先週、白雪響という彼女ができた。
その白雪響は一言で表すと超人である。成績優秀、運動神経抜群の文武両道に始まり、容姿は極めて優れていて超絶美少女であり、まだ二年生でありながら生徒会長を務めていたりする。さらに父親は東京証券の一部に上場しているような大きな会社の社長であるのでお嬢様でもあり、母親は有名なファッションデザイナーなので服のセンスもいい。
そんな彼女と付き合うことになった俺は見た目はどんなに高く見ても中の上くらい、成績、運動神経はともに凡人の域を出ない。なので周りに白雪さんと付き合うと知られた時は、ものすごい勢いで根掘り葉掘り聞いてきて大変だった。
「ほんとに、なんでなんだろうなぁー」
そんな話をしながら靴を履き替え昇降口を出る。
この高校は私立の高校ということもあり、生徒がとても多い。その割には部活動があまり盛んではないので、昇降口から正門までの道は混み合っている。
だが、その最も人が集まる正門の人混みにポッカリと人がいない空間ができている。いや、正しく言えばある一人の生徒の周りにその空間ができている。なぜ、そんな空間ができているのかというと、その空間の中心に白雪響がいるからだろう。
なぜ、彼女の周りに人が集まらないかというと、才能を持ちすぎる彼女にみんな尻込みしてしまっているからであろう。超人でしかも美少女というハイスペック性能に緊張しない人などいるわけがない。
だが、入学当初は彼女の美貌に惹かれた勇気ある(無謀な)男たちがよく彼女に話しかけにいったものである。だが白雪さんはそれをガン無視。男たちはみんな心に深い傷を負った。
さらに追い討ちをかけたのが、彼女が同じ中学校から来た幼馴染(男)としか学校で会話しなかったからだろう。
その時は白雪さんが、その男と付き合っている云々の噂で持ちきりだった。
だが、その噂の幼馴染の方が彼女を作ったのでその噂は嘘だと判明。希望を得た男たちが再度、猛アタック。俺もその中の1人だった。
しかし、みんな二度目のアタックではガン無視はされないが、素っ気ない態度を取られている。
しかし、なぜ俺が白雪さんと付き合うことになったかというと…
「おい、リュータ!なにぼーっとしてんだよ、もう正門だぞ」
…と、そんな回想をしているうちに正門についていたらしい。
「お前はどーせ、白雪さんと帰るんだろ!はっ、マジでやってらんないぜ、世の中どーなってんだよ!」
ここまで言われるとなかなかイラッとくるが白雪さんが待っている手前、そんなことに構っている時間はない。大人しくそのまま圭と別れる。
そしてそのまま、人混みの中にできた空間へ向かう。
そこにはやはり、白雪響の姿があった。
白く、絹のような綺麗な髪を腰のあたりまで伸ばし、顔は恐ろしいほど整っている。スタイルもでるところはしっかりとでていて、しまるところはキュッとしまっている。手足は抱きしめると折れてしまう、という言葉がとても似合うような細さだ。だがそれで不健康そうだと思えないのが不思議だ。そしてその守ってあげたいような姿からは想像もできないほどの凜とした雰囲気はいつ見ても慣れるものではない。
「ごめん、待った?」
背筋を伸ばし、なるべく爽やかな笑顔をしながら俺は彼女に話しかける。残念な話、付き合って一週間くらいたつが、まだ白雪さんと話すのは緊張する。
「いや(チラッ)、まったく(チラッ)、待って(チラッ)、ない(チラッ)、です(チラッ)」
うっわ、なにこの生物ちょーかわいい!
顔を赤く染めてチラッと俺の方を見てくるが恥ずかしいのかすぐに視線を外すが、またチラッと俺の方を見てくる。
やばい、可愛すぎて白雪さんを凝視してしまった。そんなことをしていると周りからの視線が痛…くない。
いつもは俺が彼女と居ると降りかかってくる殺意のこもった視線を感じられない。
そう思い周りを見てみるとみんな目を点にして口をあんぐりと開けている。
まあ、それも仕方ないか、いつもの彼女とは様子が全く違うのだから。みんなはいつもは凜とした姿勢で、授業の時には真面目に正確に、人と話す時には素っ気ない対応をする姿しか見てい。俺でもやっと最近彼女のギャップに慣れたのだから、なれていない人から見れば白昼夢でも見ている気分だろう。
「じゃあ、帰ろっか」
「は、はい!」
そういって俺たちは未だに動けていない生徒たちの間をぬいながら帰路へとつく。
いやぁ、ほんとにどうしてこうなったのだろうか。