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葬儀後の会食では兄が挨拶をした。
「本日はお忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございました。 故人も安心して眠ってくれたかと思います。 それでは、まずは献杯させていただきます。献杯。」
挨拶が終わり他愛のない話を進める一同。
祖父の思い出話など出てくるわけがなかった。
会食が終わり、帰り際2.3度あったことのある親戚たちから
「いろいろ大変だったねぇ」とか
「介護おつかれさま」だとか
「この先困ったことがあったらいつでも連絡してね」とか
上辺だけの言葉をかけられ、
今日を終えた。
「つかれた。」
窓も開けず8畳半の自室に置かれたベットの上に転がった。
蒸された部屋で頬に滴が流れた。