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ダメ魔術師の優しい魔法  作者: 辻流太
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ゲームセンター

 アンジュの着替えを考えて数枚の服を購入すると結構な金額になってしまった……

「オニイチャンありがと」

 嬉しそうにお礼を言われると、お金なんてどうでもよくなってしまう。

 アンジュは上の服と下のスカートが繋がっているドッキングワンピースの上からフード付きのニットコートを着ており、金色の髪と赤い瞳を隠すようにフードを深々と被っている。

「さて、どこ行くか」

 葉月はなるべくお金のかからない所を考えていると

「ねぇねぇ、オニイチャン」

 アンジュが葉月の服の袖を引っ張ってくる。

「ん?」

「あそこなに?」

 アンジュが指さす先にはクレーンゲームが並んでいた。

「あ~、ゲーセンな」

「ゲーセン?」

「う~ん、遊ぶところだな」

「あそべるの!」

「……」

 キラキラと輝くアンジュの瞳と自分の懐具合のどちらを取るべきか葉月は悩む。

「いかないの?」

 アンジュが悲しそうに顔を伏せた。

「よっし、行くか」

 葉月はアンジュの笑顔を取ることにした。

「うん!」




 アンジュはシューティングゲームやモグラ叩き、格ゲーなどいくつかのゲームを楽しんだ。

「あのゲームはナニ?」

 アンジュが指をさした先には床を踏むタイプの音ゲーがあった。

「やってみるか?」

「うん」

 ゲームを始めたアンジュは一曲目は小さく動き確実にパネルを踏んでいく。

 二曲目には慣れて余裕が出てきたのか飛んだり跳ねたりとどんどん動きが大きくなっていた。

 音感がすごいのか、身体能力が高いのか、両方だろうな。

 二曲の終盤になると周りにギャラリーができていた。

小さい子が最高難易度をパーフェクトでクリアしそうなんだから、それは足を止める人は多いだろう。

「ふ~、たのしかった。えっ!」

 振り返ったアンジュは急いで葉月の方に走って来て、ギューっと抱きついてきた。その手が震えている。やっぱり人間が怖いのだろう。

「もう、出るか?」

「……うん」

 小さな返事が返ってきた。葉月はアンジュを抱えゲームセンターを出た。

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