エピローグ
エピローグ
西暦2010年世界各地で同時多発的に起きた失踪事件…それが全ての事の発端だった。
わずか1年の内に世界各地で約20万人以上の10代の子供達が失踪した。後に『ロストチルドレン』呼ばれるこの事件は、当時は然程重要視されていなかった。それは個々の事案としての見方が強く、集団失踪という捉え方はされていなかったからである。そもそもこの世界において子供の失踪というのは然程珍しい話ではない。治安が比較的保たれた日本ですら年間10万人以上の行方不明者が出ており、その4分の1は10代の若者たちである。これは悲しい話だが、人は特別身近な存在でない限り、他人の生き死や行方などどうでもいいのだ。この事件が然程重要視されなかったのも当然といえば当然であろう。しかし、事件はここで終わりではなかったのである。『ロストチルドレン』から10年後、行方不明となっていた子供達が次々と発見されたのだ。そして、彼らは口々にこう言った。「異世界から帰ってきた」と…
失踪した彼らに待っていたのは過酷な異世界での生存競争だった。その過酷な生存競争を生き抜き、彼らは元のいた世界へと帰ってきた。当然世界はパニックに陥った。当たり前だ、失踪しもう死んだとさえ思われていた子供達が年をとる事なく急に現れ魔法などの超常現象を自在に操れるのだ。各国政府は緊急会議を開き調査を開始、その結果現状では彼らを力で抑えつけるのは不可能だと判断した。各国政府は国連にて彼らを保護(隔離と監視及び研究)するための国際機関の発足を採択した。通称PWS(International organizations to Protect the Wonderland Survivors)と呼ばれる機関である。そして、彼らの失った10年分の教育を補填をするために共産圏・中東及びアフリカ圏・ユーロ圏・米国及び東アジアオセアニア圏の4つに学園が設けられた。これは異世界から帰ってきた生還者たち戦いの叙情詩である。
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