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仕事と日常
私は、五年前からある下請けの工場でパートとして働いていた
。
パートと言っても、朝の九時から夕方五時まで。
五年も働いていれば周りとも程よい関係を築いて、仕事も慣れて頼りにされていた。
もともと、責任感も強いし、負けず嫌いな性格だったから人よりも頑張っていた。
二年前からパートなのに事実上、責任者のような仕事を任されていた。
一日の生産数の管理や報告、全体の流れや人それぞれの勤務時間の管理等など。
生産数が上がらないと思ったら、誰よりも早く出勤して、最後に帰っていた。
やりがいもあったし、パートや社員の人達に必要とされていることが嬉しくも思った。
仕事内容も大変だったが楽しかった。
仕事が終わって子供を迎えに行って、夫が帰ってきて、お風呂にご飯、いろいろな話をしたりして皆で寝る。
子供や夫の笑顔見れば一日の仕事の疲れも和らぐくらいに思えていた。
こうなる前は当たり前だと思っていた日常が今にして思えば一番幸せだった。
あの頃に戻りたい。