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よくある異世界物語  作者: うろつて
26/32

26.ジェロニモ登場

俺は殺されるな、、、、


シンはそう思い今までの人生を走馬灯のように振り返る。


クソみたいなスラム。そのスラムを出て、同郷の仲間とギルドを設立した事。仲間と笑い楽しく生きてきた事。


好き勝手に生きてきた、人の命も何度も奪ってきた。

ま、後悔はない。。


「あんたを襲う事に決めたのはリーダーである俺の独断だ。るのは俺だけにしてくれ」


シンの目から怯えは消え、まっすぐとアルスの目を見つめていた。


「、、、、死ぬなんて楽な終わらせ方させねーよ」


アルスは暫く考えた後に言葉を発した


人を殺す、という事に戸惑った訳ではない。

転生してからそう何日も経っている訳ではないが、アルスは転生前と今の自分とでは性格が変わってきていると感じていた、、性格というか精神構造メンタルというか人格というか、、なんと言えば良いか分からないがとにかく違う。


ひょっとしたら転生前にもこんな一面があり抑制されていて、それが転生によって表に出てきたのかも知れない。


真相は分からない、、が、今の自分に有る残虐な部分も中々気に入っている。。


殺してしまうのは簡単だ。

が、一応この国は法治国家と迄は行かないまでも様々なルールが設定されている、、らしい。


「知識の泉」の力でなんと無くルールがある事は把握できた、、が、どうにも「知識の泉」にはムラがある様に感じる。

戦闘においては知りたいと思う前に、頭に情報が溢れ「創造主」と連動して何でも行える。


しかし、世界情勢やその他ちょっとした事については、なんとなくでしか頭に入ってこない。。


まあそれでも不便しないからいーや。

と、アルスは考えるのを辞めシンを見る。


よく見ると精悍な顔立ち、少し長めの髪をオールバックに纏めて中々良い男風である。歳は30手前くらいだろうか。


「、、、、どーすりゃ良いんだい?」


アルスが何も言わずにシンを眺めていたので、シンはアルスに問いかける。

死を覚悟したシンの頭の中は極めて冷静で「あんまりふざけた事ぬかすようなら、殺されても良いから襲いかかって一泡吹かせてやる」と考えていた。


「ま、今は何もしなくていーや」


「、、、、、、は?」


「そのうちなんか頼むかもだから聞いてくれ、な」


「なんだよそりゃ、、、、」


シンはアルスの提案を聞き呆れかえり


「死ぬ覚悟した俺が馬鹿みてーじゃねーか」


と言う、と


「うん馬鹿だな」


と、言ってアルスは笑った。するとシンも笑い出し


「わーかったよ。俺らの負けだ。あんたの好きにしてくれや」


この人にゃイラつくだけ損だ。けどま、何か心地が良いし付いてってみるか。

シンは何か吹っ切れたようにアルスに従う事に決めたのであった。


「お〜い!暇なんだけどな〜」


アルスとシンが笑っているのを見て険悪な雰囲気では無くなったな、と判断したリナがアルスに声をかけると


「飲み直すかな。。来い、とりあえず一緒に飲むぞ」


アルスはシンに声をかけリナの元へと歩いて行った。


「あ、おい!此奴らは、、、どーにもなんねーのか?」


シンは凍り漬けになった1人に目をやりながらアルスに尋ねる。


一瞬にして凍り漬けにされた仲間達、、、

きっともう生命は無いだろう。

悪いのは自分達なのだし、その事でアルスを怨む気は無いが、、

「この人ならどうにかできるんじゃないか」そんな期待を込めてアルスに問わずにはいられなかったのだ。


「それな、、、、」


アルスは短く呟き表情を曇らせた。


もちろん生命云々はまったく問題ないのだが、、

パステノスの町でゴードンの4弟子を凍り漬けにした時の事を考えていたのだ。


あの時4人は凍り漬けが解除されると共に戦闘体勢に入っていた。。

と、いう事は今アスペルデウス一同の凍り漬けを解除すると18人が一斉にまた逃げ惑う事になる。


まあ、シンは此奴らのリーダーなんだし、、解除した後はシンに任せちゃえば良いかな、、


「いや、悪いのは俺たちだ。あんたを怨んだりゃしねーから安心してくれや」


「??」


アルスが、状況が一番混乱せずに凍り漬けを解除する方法を思案していると何やらシンが言い出した。

何言ってんのこいつ?と不思議な顔をしているアルスを見る事もなくシンは言葉を続ける。


「此奴らは、、まあ、ガキん頃から連んでた連中でな、、、、墓作る。とは言わねーけどな、、埋葬くらいはしてやりてーんだ」


「あー、、いや、、、そこまで思い詰められると伝え難いんだけどさ、、別に全員死んでないぞ?」


シンはアスペルデウス全員皆殺しにされたと思っていたのか、、アルスはシンの心情を理解し、シンに声を掛けた。


「はぁー?だってアンタすげぇ暗い顔したじゃねーかよ!!」


「いや、、まぁごめん。色々と色々なんだ」


シンは安心するより何より、先程までの深妙な自分が恥ずかしくなり声を荒げた。

それに対してアルスは半笑いで説明になってない説明をするだけである。


「おーい。まだこないのかなー?退屈だよー」


リナはリナでちょっと拗ねた顔になりながらアルスに声を掛けてくる。


「とにかく死んでないから安心しろ。リナが拗ねてるから一緒に飲みながら話すから早くこい」


と、アルスはシンに言うと小走りでリナの元へ行き「ごめんごめん」と謝り、リナの機嫌をとるように飲み始めている。


シンは暫く呆気にとられていたが、、「よし、、よくわかんねーや」と、アルスの言葉、現在の状況、色々な事を把握するのを諦め楽しそうに飲んでるアルスとリナの元へと歩き、ようやく3人がテーブルに着いた。



ピピィ〜!!!!


突如笛が鳴り響き50名程の軍隊がやってきた。


「ここは戦闘禁止区域では無い!、、、が、戦闘禁止区域に隣接している為通報が入った。この度の戦闘は憲兵隊の預かりとする!!」


憲兵隊の隊長ジェロニモが口上を述べる


が、ジェロニモは内心ビクビクである。

いくらアスペルデウスが悪名高くも憲兵隊が本気を出せば制圧出来ない程では無いだろう。

が、いざ現地に着いてみたらアスペルデウスのアジトは跡形もなくなり、ギルド員はリーダーのシンを除き全員が凍り漬けにされている。

が、まあ仕事だし立場もあるしビビってばかりはいられない


「戦闘禁止区域では無いので罰則は無い!が、任意ではあるができれば事情を説明して貰いたい。双方代表者1名ずつこられたし!」


ジェロニモが一生懸命仕事をしている間、戦闘の当事者であるアルスとシンは慌てるでもなく、飲み食いを続けている。


「美味いなコレ。アンタが作ったのか?」


「えへへ〜、それはアルス君が作ってくれたんだよ」


「マジか⁉︎」


などと呑気なやり取りを続けいるし、アルスはアルスでシンとリナが打ち解けている様子を嬉しそうに眺めている、、、


「あー、、わかったよ。俺が行けばいーんだろ!ったく」


ジェロニモは大きい声で独り言を叫んでいるだけのような寂しさに包まれる。

部下に凍り漬けの人間の回収を命じ、自身はアルス、レナ、シンの元へと歩き出した。

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