借金取り
結論から言わせてもらうと俺もニアもあっさりとAランクを獲得していた。
いやね?
グリズリーファンゴぐらいなら多少は苦戦するかな?
なんて思いもしたよ?
でも全員グリズリーファンゴよりも弱いんだもん…
ニアは賢者の加護と知識であっさり勝つし俺は全部パンチ1発だもん…
手加減が難しいなんてものじゃないよ?
何人か骨、折ったし…
ただ折った奴は全員にんまりとしただらしない笑顔を向けていた。
まぁ例外無く蹴り飛ばして気絶させて終わらせたんだけどね。
そんなこんなでギルマスにAランクを貰いSランクの冒険者が帰ってきたら昇格試験を行うらしい。
大変なこった。
次は宿だな。
聖都 【ラミア】は宿が多いと聞いたが相場も宿の質も分からない。
まぁ金はあるからいいんだけどね?
そんな事を考えながら街を歩いていると1つの酒場が目に入った。
2つのビールジョッキを打ち付けてINと大きな文字で書いてある酒場だった。
(RPGならコレが宿のハズ!!)
と思いながら店の扉を開けると大柄な男達が女性店員に詰め寄っていた。
「オイゴラ!!
納品期日は昨日までだろうが!!
金貨60枚揃えて出します?
10枚しか出てねぇんだよ!!
どうしやがる!!?ええ!!?」
どうやら男達は前世で言う借金取りのようだ。
つーか金貨60枚ってデカイ借金したな〜
と考えているとニアが袖をクイクイと引っ張り助けてあげてという目をしてくる。
(しょうがないな……)
普段甘える事以外では全くおねだりや文句、ワガママを言わないニアがこんなにも懇願した表情を見せるのは初めてだった。
覚悟を決めて女性店員に詰め寄っていた男の肩をチョイチョイと叩くとめんどくさそうに視線を向けてくる。
「なんだよお嬢ちゃん……
オッちゃん達はお仕事で忙しいんだ少しだけアッチに行っててもらえるかな?」
どうやら無理矢理では無く金融機関の回収組と言った所か…
てかやっぱり女顔かよ……
「オジさん、金貨を60枚あればおねぇさんを離してくれるの?」
「ん?
あぁ、そうだよ。
借りたものはちゃんと返さないとね」
わーい常識のある借金取りだ!!
言葉で終わるなら終わらせたいな……
「じゃあさオジさん!!
おねぇさんの借りた物って僕でも返せるかな?
肩代わりとして」
僕と言った事に驚いたオッサンだったがまぁそういう人間もいるだろうといった顔で気にしなかった様だ。
「お嬢ちゃんに返せる様な物じゃないんだよ?
てゆーかか肩代わりなんて良く知ってたねそんな言葉。
でも……………お嬢ちゃんの体だったら貴族に人気が出るだろうね」
うっわ最っ低。
まぁ常識人だね。
だったら金さえ渡せば問題ないはず。
「おねぇさん!!
今、いくらある?」
急に話をふられ慌てた店員だが落ち着きを取り戻し口を開く。
「き、金貨18枚……」
絶望的じゃねぇか!!
仕方ないと左側の袋をあさり金貨を32枚取り出して店員さんに渡すと驚いた表情を見せるが店員よりもオッサン共が1番驚いていた。
「ありがとうございます!!!!」
おねぇさんに渡した金貨と元からあった金貨を合わせて60枚の金貨を作りオッサン共に渡すとあっさりと帰っていった。
帰り際に「なんか金が必要なら頼りな!!まぁ返してくれるならだけどな!!!」と大きな声で笑いながら店を去っていった。
それを見ていたニアが人にはいろんなのがいるんだね的な顔をしていたが、アレはかなり珍しい分類だろうと答えると興味が無くなったようにふーんとしか言わなかった。
オッサン共が店を出ると店員が何度も頭を下げてお礼を言っていた。




