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心叫歌

奇跡の出会い。そして必然の別れ

作者: 雨世ノ水

「僕たちは、ここで過ごした日々を決して忘れません。辛かったことも、嬉しかったことも。今となってはそのすべてが宝物です。

 新たなる未知の世界で、自分自身と心良き仲間のさらなる飛躍を願い、ここでこの場を降りさせていただきます」

 卒業式は厳粛な空気の中で淡々と進んでいく。


 実感を得られない、時間。

 もしかしたら、この時が過ぎ去って行くのを自覚したくないのかもしれない。


 だけどこの意味はとっても大きくて、重い。


 僕たちの「これまで」と「これから」を

 明確に、はっきりと分けてしまう。



 今までにやり残したこと。言い残したこと。

 数えてみればキリがないほどたくさんある。



 だけど、


 それでも、


 僕たちは前に進まなくちゃいけない。



 ここでできた?


 いや違う


「ここでしかできなかった」たくさんの出会い。


 楽しさを、悲しさを、共に分かちあった友との最高の思い出。



 これからもお世話になる「友達」


 ここで分かれ、別々の道を歩いていく「友達」



 みんながみんな

 自分の夢へ一歩を踏み出して行く

 喜ばしき、一歩


 だから......寂しくても。

 悲しみの涙なんかいらない

 


 もう二度と、訪れないであろう体育館。


 目元を光らせる者。

 最後まで厳格な表情を崩さなかった者。


 それぞれがそれぞれの面持ちで式場ここつ。




 みんなと過ごす最後のひと時


 今までのこと、これからのことを語り合う


 そして......


 ついに訪れた、別れのとき



 今までにない、最高の笑顔を。

 たとえその頬に雫が落ちても。



 これ以上にないくらい手を振り、叫ぶ




 忘れない。ぜったいに忘れない!

 いいことも、悪いことだって。

 今までにここで得た、全部のことを!



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― 新着の感想 ―
[一言] ご卒業おめでとうございます! 瑞々しく、ストレートに描かれていてよかったと思います。
2013/03/17 17:17 退会済み
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