表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/8

番外その7 スーパー魔法少女エンジェルホイップR

 私は今年の四月から私立音羽学園高等部に通っている、普通の女子高校生。

 ――のはずだったんだけど。

 ジャドゥっていう悪い奴が入学初日に突然現れて、体育館でしていた私達の入学式をメチャクチャにしようとしてきた。

 先生達は私達生徒を庇ってケガしてしまうし、逃げ出そうにも不思議な力で体育館から外には出れないしで、もう大変。

 そんなピンチな時に、ジャドゥを追ってきたリスみたいなハムスターみたいな妖精――シューベー。

 シューベーから魔法少女に変身する力を与えられて、私はスーパー魔法少女エンジェルホイップに変身。それでなんとかジャドゥを倒すことが出来た。

 けれどシューベーによると、私が倒したのはジャドゥの一部だけで、本体は今もこの世界をメチャクチャにしようと企んでいるらしい。

 ジャドゥだけじゃなくってアトスって言う悪の組織まで現れて……。

 お友達で委員長のまなちゃんこと――雪城真実ゆきしろまなみちゃんも魔法少女の仲間に加わって、私――美墨千雪みすみちゆきは魔法少女をやってます。

 

  *  *  *  *  *


 スーパー魔法少女エンジェルホイップ

 スイーツ5品目『荒させない! 園芸部の花壇を守れ』


  *  *  *  *  *


 いつものお昼休み。私はいつも通り友達で席を囲んでお弁当を食べながら雑談していた。

 最初は、通学路で会った猫が可愛かったとか他愛もない話で始まって、今はジンクスの話で盛り上がっていた。

「ねぇ、知ってる? この学園に代々伝わるジンクスで、中庭にある園芸部の花壇の前で告白したら、上手くいくって話」

 ゆみちゃんが、そんなことを私とまなちゃんに聞いてきた。

「なんでもないようなうちの学校にも、代々伝わるそんな話があったんだ」

「そういえばゆみって、この頃は恋のジンクスとか熱心に調べているよね。それってもしかして、好きな人がいたりして?」

 まなちゃんの目聡い指摘に、ゆみは顔を真っ赤に同様する。実に分かりやすい、これは絶対にウソをついているな。

「お主、そんなに顔を真っ赤にして否定するとは……さては本当に気になる人物はいるな。大人しく神妙にお縄について、私達にさっさと吐けーい」

「そんなごもったいな!」

 私は悪ノリしてゆみに事の真相を問い詰める。

「うえーん。助けてよ。まなちゃん」

 ゆみはまなちゃんに助け舟を求めるけど、生憎なことに……。

「ゴメンネゆみ。私だって女の子、その手のコイバナには興味シンシンなの」

 まなちゃんも私の味方でした。

「酷い! 私に味方は誰も居ないのね」

「さあ、今度こそ諦めて私達に真実を答えてちょうだい」

 私とまなちゃんの包囲網に、ゆみはとうとう観念して下を向いて大きく溜息をついた。肺から息を出し切ったゆみが次に顔を上げると、その顔は少し真剣味の入った色をしていた。

 ゆみは前置きにシーっと口に人差し指を当てて内緒だからとジェスチャーし、声のトーンとボリュームかなり下げて話し始めた。

「いいよ、もう話してあげる。けど、これから喋る事は絶対に秘密だからね。それに一度しか言わないから、聞こえなかったとかもう一度なんて無しね」

 私とまなちゃんは無言で頷いて、ゆみの話を絶対に聞き逃さまいと神経を集中させて耳をゆみの顔に寄せた。

「実はね、私がね、気になっている人はね、それはね、あのね……」

 好きな人を他人に話すのが恥ずかしいのか、ゆみは一言一言をやたらめったら多く区切って何拍も間を開けてゆっくり話を進める。

 急かして早く教えて欲しい気分になるけど、ここは我慢。

 友達で親しい間柄だから多少オープンになってくれているものの、ゆみの本来の内向的な性格を鑑みるにそんなことしたら、もう教えてくれないかもしれない可能性が高い。もし、喋ってくれるようなチャンスが巡ってきても大分先の事にされてしまうかもしれない。

「だからね、私が気になっている人はね、それは……」

 堪えて堪えてやっとゆみが気になっているその人の名前を聞けそうだったその時。

『大変だよ二人とも、この学校に邪悪が現れるのを察知した。早く魔法少女に変身して出動だ』

「「きゃあっ!?」」

 内緒話をしている最中に、突然割って入ってきた第三者の声に私とまなちゃんが驚いて立ち上がり、頭を寄せ合うようにしていた私達三人は盛大に頭をぶつけあった。

「いったー。一体どうしたの? 二人とも突ぜ」

 頭をぶつけた所を抑えて疼くまっていると、ゆみの声が不自然にピタリと止まった。気になって顔を上げると、ゆみは時間の流れを止められたかのように微動だにない。

 周りもやけに静かだと思って辺りを確認すると、ゆみだけじゃなく教室全体も同様に時間が止められたかのようになっていた。

 こんな中、動いているのは私とまなちゃんとそれから……。

「シューベー。いったいこれはなんなの?」

 私達の弁当が置いたままになっている机の上に、それまでは確かに居なかったはずのシューベーがちょこんと座っていた。

「ちょっとしたご都合結界をね、それよりも僕からの話は後。中庭へ早くいそいで! そこからジャドゥの気配がするよ」

「なんですって!?」

 私とまなちゃんは顔を見合わせ、魔法少女に変身して中庭へ急いだ。


「くくく、不思議なものだな。この『ハナ』と呼ばれる草を痛めつけるだけで、簡単に人の心に悲しみが生まれるとはな」

 中庭に向かうと、髪も肌も真っ赤色をした変な男の人が花壇を踏み荒らそうとしている姿が目に映った。

「止めなさい、そこは園芸部の人たちが大切に育てた花壇よ。あんたみたいな変質者が気安く荒していい場所じゃない!」

「ん? お前は誰だ!」

「私は、愛と正義のウルトラ魔法少女エンジェルジェリー」

「同じく、スーパー魔法少女エンジェルホイップよ。憶えときなさい!」

「そうか、お前が報告にあった魔法少女達だな? 俺様はジャドゥ四天王の一人、ドグサーレ様だ!」

「ジャドゥ四天王ですって!?」

 どうしよう。いままでそんなの聞いたことなかったけど四天王だなんて、いかにも強そうじゃない。

「そうだ、俺様を含む四天王全員は、ジャドゥ様直々に認められた力を持つ者ぞろい。言っておくが俺様は強いぞ?」

「ふん、そんなのハッタリよ。どうせ、いつもの敵さんみたく私達にボロ負けするんで、しょっ!!」

 無挙動でまなちゃんがドグサーレへと一気に突撃。一瞬で背後に回り込むなり、手にしていたステッキを相手の脳天へと振りかぶった。

「そんな攻撃などトロいわっ!」

「きゃっ」

 ところがまなちゃんの攻撃は、ドグサーレに完璧に見切られていて、相手はステッキを振り下ろされるよりも早く反撃を繰り出してまなちゃんを吹き飛ばした。

「大丈夫? まなちゃん」

「ええ、なんとか無事よ。不意に仕掛けて先制したつもりなのに、やっぱり敵は一筋縄ではいかないみたいね」

 確かにまなちゃんが先制攻撃を仕掛けていたはずなのに、あのドグサーレは攻撃を受けるどころか攻撃して、しかもまなちゃんが当てるよりも先に攻撃を当ててきた。

「さっきのやり取りをして分かった、お前たちは俺様が相手をするまでもない。後を任せたぞ、カベドーン。ここら一帯をメチャクチャにしてしまえ」

「あ、逃げるな卑怯者……っう!」

「まなちゃんちゃん」

 ドグサーレが私達に背中を向けてこの場から去ろうとする。それをまなちゃんが追おうとしたのだけど、受けたダメージで思うように動けず膝を折ってしまった。

 倒れそうなまなちゃんに慌てて駆け寄る。

「私の事はいいから早く!」

「でもっ!」

 ドグサーレを追いかけたい、けどまなちゃんを放って置けないでジレンマしていると、突然目の前の花壇の一角が大きくうねって私達の行く手を阻んだ。

 そしてその花壇が、大きく盛り上がりって巨大な人型の上半身を形成した。

『カベドーン!』

 花壇だったものが大きく咆哮する。ああっ、花壇が!

「花壇にカベドーンが憑りついた姿だね。ああなったら、もう倒す他に無いよ」

 私達の背後、安全な場所から私達を応援していたシューベーが、状況を分析する。

「そんな!? 他に何か方法はないの?」

「躊躇わないでっ、カベドーンが襲って来るよ!」

 シューベーの声が耳に届き、前へと向き直ると、カベドーンが私に標準を合わせて向かおうとしていた時だった。

「でも、あの花壇は……」

 敵として立ちはだかっているけど、アレは園芸部と恋する乙女にとって大切な花壇だ。それを傷つけるわけにはいかない。

 それになにより、そうなったらあの花壇を荒そうとしていたドグサーレの思う壺になってしまう。

 結局、反撃するか避けるべきか逡巡した末に、カベドーンの巨大な拳が迫ってきて、私はギリギながらもその攻撃を避けた。

「なんで攻撃しないのさ、アレを倒さないと、中庭だけじゃない、この学校全体をメチャクチャにされてしまうんだよ」

 後ろからシューベーに叱られた。

「分かってる、分かってるんだけど」

 休み中、好きな人の話で照れていたゆみの顔がどうしてもチラついて躊躇してしまう。

 このままじゃ、どのみち倒せても悲しむ人が大勢出てきちゃう。そうおもうとどうしても手を出せない。

「ホイップ、上から来るよ!」

 また攻撃の手が出せないでグズグズしている内に、シューベーの大きな声が耳に入ってきた。

 私の立っている地面には大きな影が出来る。

 急いで頭上を見上げると、そこにはカベドーンの土くれの巨体が私を押し潰そうとのしかかろうとする姿が。

 もう避けられそうにもないと思った私は、ダメージを受ける覚悟を決めて身構える。


「さーて、今からこの学校の花壇を荒らして生徒たちの心を荒ませてや……あれ? 俺、もしかしなくても場違い?」


 私とシューベーとジェリーが声がした方へと顔を向ける。あと少しで私を押し潰そうとしていたカベドーンまで、攻撃の手を止めて謎の人物が現れたその方向をじっと見ている。

 あの真っ黒なまるでゴキブリみたいな姿には見覚えが、あれは確かこの所よく聞き覚えのある声、あいつはそう……。

「そこの声、あなたはこの所よく遭遇するアトスのあの戦闘員さんね!」

 あの人は以前に私を庇ってくれたあのアトスの戦闘員さんだ。悪の組織に加担はしているけど、そこまで絶対的に悪い人ではないと思う。

 私を見て気付いた戦闘員さんは大きな口を開けて驚く。

「あーっ! そういうお前は自称正義のスーパー魔ほ――」

「ホイップ、ジェリー。あいつからも邪悪な気配がするよ。倒さなきゃ」

「スセシウム光線」「アトミックメガフレア」

「「そしてトドメの『原子力ビーム』」」

「俺の扱いが今回酷くないかぁぁぁーー!!」

 花壇を相手に攻撃するのを躊躇していた私達は、その攻撃の対象が移ることになんら抵抗は無かった。

 なによりも、幾ら私を庇ってくれた恩人でも、あんな恥ずかしい名前をフルネームで呼ばれるのはとてもじゃないけど耐えられない。

 第三勢力の戦闘員さんを黒焦げにして一安心。だけどそれで目の前の問題が解決したわけではない。

「あの戦闘員さんを倒したとしてもまだ、あの花壇に憑依したカベドーンを……そんな、嘘でしょ!?」

 カベドーンのいた方向へと向き直ると、カベドーンが戦闘員さんに放った攻撃の余波で一緒に焦げていた。

「わー、わー、消火消火!」

 慌てて魔法で水を呼び出して燃える花壇を消火する。

 しかし、それでせっかく花壇が燃えて力尽きようとしていたカベドーンが息を吹き返してしまう。

『ドンドンドーン!』

 息を吹き返したカベドーンは、早速私達へ攻撃を開始。地面から蔓や棘の付いた根を生やして動きを奪おうとしてくる。

「ちょっと何するのよホイップ! あのまま放って燃えるのを待っていれば倒せたのに」

「でも、あのまま花壇を燃やしていたら敵の思う壺なんだよ。どうして平気な顔ができるのさ」

「そんなの我慢しているからに決まっているかでしょ。本当は花壇を傷つけたくない。でも、他に方法が無いのじゃ仕方ないじゃない! 私たちがこいつを倒さないでどうするの。正義の味方なんだよ、私たちは」

 ジェリーが辛い表情を浮かべていた。そうなんだ、ジェリーもホントは辛かったんだ。

「だったら余計にそんなことができないよ。だって、悲しい思いを生まないようにする為に戦っているのに、こんな辛い思いをするような戦いにはしちゃ駄目だよ」

 ジェリーと言い争いながらも、カベドーンの攻撃を避ける私達。

 狭い中庭で上手く被害が出ないように立ち回れている上に、まだまだ余裕はあるけど、このままじゃ負けしないけど勝つこともできない。

「なんだなんだ? 黙って見ていれば、面白い展開になっているじゃないか」

 必殺技で焦げていたはずの戦闘員さんが、埃被った頭を振り払いながら起き上がっていた。

「どこが。ちっとも面白くなんかないよ!」

「悪に立ち向かわないで、逃げ回るなんて光景なんて見させられたら、悪の側としたらそりゃ笑って当然だろうが。お前たちは何がしたくて出てきたんだって話だよ」

「それは……」

 私は戦闘員さんに何も言い返す言葉が見つからなかった。

 悪い奴を倒す?

 ――誰が倒そうとしているのさ。敵を攻撃することから逃げてばかりで、倒そうなんて全然していない。

 大事なものを守る?

 このまま、カベドーンを倒さないでいたとしても、何も守っていることになんかならない。むしろ逆の事をしていると思う。

「お前がアイツを倒せないのなら俺が行く、もともとそれが目的だからな。しかし……近頃は学校の花壇さえ強敵なのかよ。あー、辛い」

 戦闘員さんがカベドーンを? 私たちにあっさり吹き飛ばされるのに勝てる訳がないよ。嫌そうにしているでしょ? それでもどうして逃げ帰ったりしようとしないの?

「君がやってくれるのかい? どういう立場であれ、倒そうとしてくれるのならそれは助かるよ。今のホイップには何も期待できそうにそうにないみたいだからね」

「私も戦力としてはあんまり期待していないけどないよりましだから頼むわ」

 シューベーとジェリーは戦闘員さんの味方に入り、カベドーンに戦う姿勢を見せる。

 一方、私はただ中途半端にカベードーンに体を向けるだけで、武器のステッキを構えているでもない、ただのへっぴり腰で逃げ腰だ。

 私が何もしない間にも、戦闘員さんとジェリーはカベドーンに立ち向かっていく。

 先頭はカベドーンが優勢で、ジェリーと戦闘員さんが向かっても、その度にすぐに吹き飛ばされて校舎の壁や地面に打ちつけられる。

 それでも、戦闘員さんもジェリーもめげない。力なんて出し惜しみせずにぶつかっていく。押し返される度にボロボロになっても、それでも何度も何度も。

『ドドドドーン』

「うあぁー」

 カベドーンが私の方に目掛けて戦闘員さんを吹き飛ばしてきた。おそらく油断していそうな私を戦闘員さんとまとめて潰そうという魂胆なのだろう。

 だけど、油断はしていなかった私は、咄嗟に飛んできた戦闘員さんを抱き留める。それでもなかなか落ちない勢いは、地面を転がる様にして吸収した。いたた、ちょっと擦りむいた。

「助かったぜ。あんがとな」

「でも私、ずっと立っているだけで何も……」

「何もできていないなんてことない! 現に今、吹き飛ばされた俺を助けてくれただろ」

「戦闘員さん……」

 戦闘員さんが私の言いかけた言葉を否定する。

「いいか、俺達みたな人間の思考回路は実に単純だ。『ワガママにしたい事はする、したくない事はしない』だ。お前がアイツを倒したくないのならそうだし、俺を守って助けたみたいに他の人間も守りたいと思うのならそうなんだろうよ。だったらそうすればいい、お前のしたいようにしろ」

「したいようにする? 私のしたいことを?」

「ま、俺みたいな人間の言ったことを選ぶかなんて自由だけどな。そろそろインターバルを終わらせたいから離してくれないか? 年頃の女の子が好きでもない野郎とくっ付いていてもいい気分じゃないだろ」

 戦闘員さんに促されて、私は戦闘員さんと抱き留めたままで、密着している状態なことに今更気付く。

「うあわわわっ!?」

 私は急に恥ずかしくなって、慌てて戦闘員さんを突き飛ばすように離してしまった。

 戦闘員さんを抱き留めていた時の感触がまだ残っていて顔が火照る。筋骨隆々でもないのに見た目よりずっと重いゴツゴツした体だった。

 私は雑念を頭をブンブン振り払って、雑念を払う。

 すると、戦闘員さんが私の顔をまじまじと見てくる。

「お、お前さっきまでより断然良い顔になっているな。お前のしたいことでも決まったか?」

「うん、私は決めたよ」

 なんというか、さっきまでよりも心の中が晴れている。

 私は花壇を傷つけたくない、学校も皆も守りたい。だれも不幸にしたくない。

 ――だったら私は、そうすることにする。

 したいことが分かったら、不思議と出来ることも分かった。

「これは……、魔法がホイップの強い想いに応えている!?」

「どういうことなのシューベー?」

「ジェリー。説明が長くなるから省くけど、つまり僕たちは新しい魔法が生まれる珍しい瞬間に立ち合っているってこと」

「新しい魔法?」

「うん、おそらくその魔法は……」

 魔法のステッキの先端に強い光が宿っていく。私にはこの魔法が何なのか手に取る様に分かる。

「お願いがあるの。この魔法が発動できるようになるまでの間、カベドーンを足止めして!」

「ホイップ。それで全部上手くいくのね」

「うん、バッチリ! 任せといて」

 カベドーンへと向かっていった戦闘員さんとジェリーにグーサインを送り、ステッキに宿る光へとひたすら意識を集中させる。

 集中して想う事は、叶えたいことの一念だけ、必死にそのことだけを想う。

 ステッキに宿る光が増す中、戦闘員さんとジェリーの立ち回りが上手いのか、私には破片一つやってこない。

 ――よし、これなら出せる。

 ステッキを高く掲げると宿っていた光が空へと高く昇って行った

「二人とも、そのままそいつをそこに留まらせておいて」

「OK、分かったわ。今押さえている所だから、そのままいっちゃって!」

「今だ、やれ!」

 私は頷いて抱えたステッキを前にへと振り下ろした。

「いくよ! 浄化魔法――ルミナスフォースッ!!」

 空から眩しい極太の光の柱が降りて来て、カベドーンとそれを抑えるジェリーと戦闘員さんを飲み込む。

 光に飲まれたカベドーンは、悶え苦しみながら怪物としての体が崩れ落ちてゆく。

 シューベーが私の放った魔法を解説する。

「あれは、魔法の力そのもの。純粋な魔力はジャドゥの影響の力だけを消し去っていく」

 光の奔流が全て止んだ時、後に残ったのはカベドーンの憑りつく前の姿のままな花壇、ジェリーと戦闘員さんの二人が無事な立っていた。

「やったな。できるじゃないか」

「やったね。ホイップ」

「魔法を生み出せるなんて、君は凄い魔法少女だよ」

「うん!」

 二人と一匹に私はとびっきりの笑顔で応じた。

「戦闘員さん。私、あなたの言葉があったから……あれ、戦闘員さんは?」

 新しい魔法を生み出すきっかけを作ってくれた戦闘員さんに感謝の言葉を贈ろうとしたかったのに、肝心の戦闘員さんは風の様に消えていた。


  *  *  *  *  *


「それで、あくじは任務を果たさず帰って来ちゃったの?」

「いい雰囲気に流されてされちゃってさ満足したっていうか、魔法少女二名を相手に単独任務は無理と判断しました」

「そうなの? あくじ以外は他の学校での任務を成功したからそれなら……で良いわけないでしょ! この問題は作戦指揮の私に責任問題が来て減俸されるんだよ? うま○棒一本分が買えなくなる額なんだよ!!!」

「軽っ!? それって作戦はほぼ成功したから、実質お咎め無しってことじゃ――」

「今すぐに○まい棒を購買で買ってきて、わたしと食べるの。お互い両端から、そう、ポ○ッキーゲームのようにぃっ!」

「そこから察するに、責任問題辺りから絶対にでっち上げただろ!」


【続く――のだろう?】

次に続きを出すときは、タイトルをどうしようかな。

「どっか~ん」とか「MaX heartマックスハート」とか「A'sエース」とかネタはそろっているんだけど。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ