東方漂流伝〜Lost the Memory of Lovers〜
永い永い、一週間が始まる………
あるはちゃめちゃな神が引っ越してきた秋の幻想郷。楽園の巫女さんは友人の魔法使いと新しくきた緑の巫女さん、そして紅魔館のメイドと四人でお茶を飲んでいました。
「あ〜、平和だぜ〜………」
「本当ですね。平和が一番です。」
「うちの館は毎日どこかで爆発が起こってるけどね………」
「うちもロリ鬼が酒を呑みまくらなきゃ平和なんだけどね………」
四人は、のんびりと何も無い、青い空を見上げて話していた。
「でも………」
「?どうしたんだ、霊夢?」
「何か………嫌な予感がする………」
「ちょっと、やめてよ。あなたが言うと本当に起こりそうなんだから………」
「そうなんですか?………って、あれ、未奈斗じゃ無いですか?」
緑の巫女さんが鳥居の方をを指すと、一人の人間が、とてもあわてた様子で来ました。
「れ、霊夢!………みんないるのか。ちょうどいい、永遠亭に来てくれ!」
「いったいどうしたのよ?」
「緊急事態なんだ!頼む!話はついてから!」
「………わかったわ。魔理沙、咲夜、早苗。行くわよ!」
「先に行ってるぜ、霊夢!」
「早く来なさいよ!」
「はい!」
「僕も先に行ってるよ!」
どうやら、平和は長くは続かないようです。
四人が永遠亭に到着すると、月の頭脳、永遠亭の薬師が出迎えました。
「来たわね………」
「永琳、緊急事態ってどういうこと?」
「………ついて来たら分かるわ。」
そう言って永琳は中に入って行き、四人も後を追うと、永琳は、一つの襖を開けて、四人に入室を促しました。
「この中にいるのが、緊急事態なのよ。」
「………何よ、アリス、フラン、鈴仙、閻魔じゃないの。」
楽園の巫女さんが中にいる人を見て、そういうと、中にいる宝石のような羽を持った小さい吸血鬼が口を開きました。
「………お姉さん、誰?」
「はぁ?フラン、あなたふざけるのもいい加減にしなさいよ?」
「フランって誰?」
「おいおい………こいつぁ重症だぜ?」
「みたいね………永琳、これはどういうこと?」
「………説明するわ。簡単に言うと、記憶喪失、複雑に言うと、記憶強奪よ。」
そのことばに、楽園の巫女さんは真剣な顔をして聞きました。
「………どういうことか、説明してくれないかしら?」
「………ええ、聞いた話と、私が検証した結果を纏めた話をするわ。」
そう言って、永遠亭の薬師は静かに話し始めました。