番外編3〜各地の流行り具合・神社編1〜
遅くなってすいません………ちょっと本職(学校)で忙しかったんです。
霊夢side―――
私は未奈斗たちに貰ったてにすという競技の一式を境内の一角に並べて、溜め息をついた。
「貰ったのは良いけれど………どこにたてようかしら。もう石畳の上にたてちゃおうかしら………」
そう呟いていると、空から猛スピードでこちらに突っ込んでくる影が見えたから、スペルで止めておく。
「いい加減突っ込んでくるのを止めなさい、夢符『二重結界』」
「のわぁーっ!?」
硝子が割れるような音をさせながら、魔理沙が箒から落ちてきた。
「ガハッ………酷いんだぜ、霊夢………」
「あんた何回突っ込んできて神社の障子を破壊してると思ってるの?酷いときには賽銭箱破壊していったじゃない!」
「あれは不可抗力だぜ。それよりも、それは何なんだぜ?」
そう言って、私が散らかしていたてにす用具を指さしたので、答えておいた。
「未奈斗たちにもらったてにすっていう外の世界の競技に必要なものよ。」
「ふーん………それ、面白いのか?」
「かなりね。だから貰って来たんじゃない。」
そう言って、支柱を石畳の両端に挿し、網を張った。
「なあ霊夢、私にもやらせてくれよ。」
「いいわよ。まずルールを教えるから中に入りなさい。」
そう言って魔理沙を連れていこうとすると、ガサガサと後ろから聞こえたから見ると、そこにはいつぞやのロリ鬼と私が密かに世話になっている河童がいた。
「萃香、河童。そこで何してるのよ。」
「いやー、なかなか面白そうだから私も聞かせて貰いたいなーって思ってさ。」
「私も。それに、私には河城にとりって名前があるから名前で呼んでよー。」
「はいはい。ま、とりあえず中に入りなさい。」
そう言って、魔理沙と萃香、にとりを連れて中に入り、紙を広げて説明を始めた。
「まず、絶対に守らないといけないのは、能力を使わないこと。」
「それはなんでなんだ?」
「あんたは馬鹿?能力使っちゃったらレミリアの天下でしょうが。」
「………納得だぜ。」
魔理沙が納得したところで、私は説明を再開した。
「あまりにも外のルールと同じだとつまらないから、妖力、霊力、魔力は移動にだけ使ってもいいわ。」
「うーん、ま、仕方ないね。」
「あんたは特にね。」
そう念を押し、私は基本的ルールの説明に入った。
少女説明中………
「ふぅ、これで全部よ。わかったかしら?」
「何とか………だぜ。」
「私も………」
「ふあぁ〜………とにかく、やってみようよ。習うより慣れろ、盟友の諺にあるよ。」
「そうね。じゃあ、一回外に出ましょうか。」
そう言って私は三人を連れて外に出た。
「さあ、チーム分けは私と萃香、魔理沙とにとりでいいわね?」
「了解だぜ。これがラケットか?」
「えぇ。さ、始めるわよ。」
そう言って、私はボールを魔理沙に渡し、構えた。
「萃香、前は任せたわよ。」
「任せろ霊夢ー!」
「にとり………一気に片をつけるぜ!」
「そうだね、これも河童の技術に役立つかもだしね!」
そして、魔理沙がさーぶを打つために、ボールを上げ、さーぶを打ったと思った次の瞬間、私の真横をボールが通り過ぎようとしていた。
「なっ!?」
私は何とかボールを浮かして返すと、既ににとりが着球地点の真下まで潜り込んでいた。
「決まれっ!」
にとりからのすまっしゅが前にいた萃香の方向へと放たれ、私はやられた、と思った。しかし、
「にとりー、鬼をなめないでくれるかな?」
萃香はあろうことか、にとりのすまっしゅをそのまま空中で打ち返した。そしてそのまま魔理沙のこーとで二回跳ね、一点を先取した。
「むむ、萃香は危険だな。あんまり甘いボールだとこっちがやられるな。」
「みたいだね。」
「萃香、あのさーぶ、見えた?」
「バッチリ。あの位なら全然返せるよ。」
各々言いたいことを言い合うと、魔理沙がさーぶを放とうと位置についた。
「くらえ、だぜ!」
また私は見えなかったが、萃香は見えていたらしく、呆気なく魔理沙のさーぶをにとりの方向へ打ち返した。
しかし、にとりは読んでいたらしく、空中で私の方向へ返してきた。それを私は後ろにいるであろう魔理沙の方向へ返そうと狙うために魔理沙の方角を見た。
「なっ!?」
魔理沙もにとりがいる中間地点に立ち、ぼれーを二人で狙っている状態になっていた。
私は焦って打ってしまい、緩く少し浮いたボールを魔理沙に打った。そのボールは魔理沙によって、私の方向の強烈な角度に打ち返され、私は追い付くことも出来ず、点を取られてしまった。
「なかなか………やるわね。魔理沙。」
「これはあんまり考えないだろ?」
私は魔理沙からボールを受け取り、さーぶ体勢に入った。
「私のこれは、取れるかしら?」
そういって私は、あのかなり曲がるさーぶを打った。すると、魔理沙は一気に前に出て、跳ねた瞬間を私に向かって打った。
「おらよ!」
「甘いよ魔理沙!」
魔理沙が返したボールは萃香によってにとりの方向へ打ち返されたが、にとりはそれをすぐにぼれーで萃香がいた方向に返され、また点を取られてしまった。
「やるじゃない………でも、まだこれからよ!」
そう言って、私はさーぶ位置につき、さーぶを放った。
作「えー………初の主人公達が一切でない章です。」
霊「そうね。一応、sideは私だから私が話すわ。」
作「今回、霊夢達がサーブ、スマッシュ等を話すとき、平仮名で書かれています。これは、霊夢達がちゃんと理解していないから、ですね。」
霊「馬鹿と言われてるようにしか聞こえないけど、確かにまだちゃんとは理解していないわね。」
作「さあ、霊夢、萃香組対魔理沙、にとり組。どっちが勝つのか、次話をお楽しみに。」
霊「また次話で。みなさいよ?」
作「お分かりかと思いますが、このテニスシーンでは、二回でサーブが交代していますが、思いっ切り変則ルールです。ご注意下さい。では、また次話でお会いしましょう!」