五色の紡ぎ糸―――一時の休息
今回もグダグダ………早くスランプから脱したい………
未奈斗side―――
「ふーん、じゃあ、紫幻は魔法を使える訳だ。」
「しかも元の世界にあったゲームと同じ物まで使用できる。」
「………もう無敵じゃない?」
紫幻の能力も聞き、一応、ここにいる六人の能力は覚えた。
「これで、皆揃ったわね。未奈斗と涼は彼女付きで。」
「い、いわないでよ………」
「まだ返事出してねぇから………」
「未奈斗、もう恥ずかしがらないでもいいじゃない。新聞で広まっちゃったんだし。」
「むぅ〜………いい加減了承してよね。」
碧菜が彼女とか言うから、またフラン様が不機嫌になった………しかも、未奈斗の様子までおかしくなってきやがった。
「あー………思い出した………ごめん皆、今から妖怪の山行ってパパラッチ殺ってくる。」
「………まさか無断でばらまいてたのか?」
新聞は俺も見たが、インタビューまで書いてあったから了承したのかと思ってたぜ………
「ふーん、あのパパラッチね………私も殺るの手伝うわ。」
「ありがと、碧菜。じゃあ、僕達は行ってくるよ。」
そういって未奈斗と碧菜は飛んで何処かに行ってしまった。
「あ、ちょ………あいつら速過ぎるだろ………」
「仕方ないだろう。涼、俺達も追うか?」
「紫幻、あいつらに追いつけるのか?」
「ああ、スキマを開く。」
紫幻がサラッと人の能力をパクったような気がするが、二人に振り向いて言う。
「ついて来ますか?アリス、フラン様。」
「勿論。未奈斗がいるなら。」
「涼に着いてくよー!」
「だそうだ。」
「分かった、いくぞ。」
「え、もう?ってああああぁぁぁぁ!!!」
俺はいきなり開かれたスキマにはまり、絶叫しながら落ちて行った。
少年少女落下中………
「着くぞ。」
「は?っていてぇぇ!」
いきなり落下の終了を告げられると同時に尻に激痛が走った。
「涼ったら、飛んでたら痛く無かったのに………」
「本当ね………」
そう言って浮かびながらおりてくるアリスとフラン様。
「先に言って下さいよ………」
「おい涼………あれは何だ………?」
フラン様達に言葉を返すと同時に、紫幻が指差しながら話し掛けてきたので、その方向を向いた瞬間、俺の頬を何かが通り過ぎ、頬を焦がした。
「っ!?」
「涼、大丈夫!?」
「はい、何とか………今のは何だ………?」
「ああ………今の、碧菜よ。」
「へっ?」
俺が間抜けな声を出すと、アリスが溜め息をつきながら言った。
「だから、碧菜よ。あの子の能力、電を司る程度の能力で電気を線にして乱射してるのよ。だから………ほら流れ弾。」
「………危ないな。」
「ちょっ、避けんなぁぁ!!」
碧菜………後で覚えてろよ………
そう思いながら、俺は意識を手放した。
紫幻side―――
涼が倒れた瞬間、その方向にスキマを開き格納。そしてまた流れ弾が来ないか見ながら先程流れ弾が来た方向に近付く。
「………やはり未奈斗、刻麗、射名丸の三人か。」
予想はしていたが、やはりこの三人が暴れていたようだ。
「ねぇ………オハナシするだけだからいい加減捕まってよ………」
「私も言いたいことあるからねー。」
「嫌ですよ!あなた達目がイッちゃってるじゃないですかぁぁ!!」
射名丸が涙を撒き散らしながら逃げ惑う姿も見物だが、あの未奈斗があそこまでキレているのも珍しい。
「アハハハッ………つーかまーえたー。」
「イヤァァァァッッッ!!」
「もう逃がさないからねー?」
俺が見る限り、未奈斗が拘束系のスペカを使って捕獲したようだ。そしてズルズルと地面を引きずられていく射名丸。………とりあえず冥福を祈ろう。そう思って俺は手を合わせた。
「………未奈斗、キレたらああなるのね………」
「アリスお姉ちゃん、怖いよ………」
………未奈斗、帰ってきたらこの二人に謝るべきだ………
そう思った時、妖怪の山全体に射名丸の叫びが響き渡った。
未奈斗side―――
パパラッチを粛清し、ちょっとやり切った感に浸りながら紫幻達の所に行くと、紫幻は相変わらず(といっても知っているのは僕達だけだが)ポーカーフェイスを崩していなかったが、アリスとフランがちょっと震えていた。フランに至ってはアリスにしがみついている。
「………ごめん、アリス、フラン。怖がらせちゃったね。」
「もう………もうあんな姿見せないでね………」
「ほんとだよぉ………」
二人に頭を下げていると、後ろから碧菜が話し掛けて来た。
「まあ、未奈斗が完全にキレたらあの比じゃないから。気にしない方がいいわよ。所で未奈斗。あんたにこれ渡しとくわ。」
そう言っていきなり渡されたのは小型のトランシーバー的な物体。
「碧菜、これは………?」
「私の能力で電波を弄って、ある周波数に合わせると私、紫幻、涼にも渡すやつに繋がるトランシーバー的物体よ。こーりんの所から買って来たわ。」
「ふーん………ありがと、碧菜。」
「これくらいどうって事は無いわ。じゃ、今日は解散しましょうか。」
そう一方的に押し付けて来たが、いつもの事なのでほおっておく。
「じゃあ、また連絡するよ。」
「ええ。涼にコレ渡しといてね。」
そういって碧菜はトランシーバー的物体を投げ、宙にある状態から何故か開いたスキマの中に入った。
「今渡した。」
「ありがとう、紫幻。じゃあね、二人とも。」
その言葉の次の瞬間、碧菜は一瞬で消え去り、さっきまでいた場所には小さなスパークが残されていた。
「………かえろっか、アリス。」
「うん。じゃあね、フラン。」
「うん!またねアリスお姉ちゃん!」
「よし、俺が送ってやる。」
その言葉と共に、僕の目の前にスキマが開いた。
「………お前は紫か………」
「ふん、早く行け。ちゃんと魔法の森のアリスの家に繋げてある。」
「うん。ありがと、紫幻。」
「有り難く使わせていただくわ。」
そして僕達はスキマをぬけて、家に着き、僕は一息をついた。
「ふぅ………ん?」
「どうしたの未奈………ここ、魔理沙の家じゃない………」
………うん、紫幻。今度覚えてろ。
未「コラ作者。何やってんの。」
作「くそっ………全く書けない………!こうなったら番外編を書くしか………!」
未「本編が書けないのに書けるわけないじゃん。」
作「やってみなくちゃ分からない!ということで、次からは番外編。今までやってなかった記念編………とはまた違うか。こうご期待!」
未「何勝手に決めちゃってるの!?」