五色の紡ぎ糸―――放つ穿ち雷
遅れている上、中二病全開です。
未奈斗side―――
僕は永琳の部屋の前に行くと、扉を叩いて言った。
「永琳、居る?」
「ええ、入っていいわよ。」
その言葉を聞き、僕達は永琳の部屋に入ると、何やら変な薬品を調合している永琳がいた。
「目が覚めたのね。」
「はい、ありがとうございます。」
「いいわよ、まあ、お礼は体で払って貰うから。」
「体って………」
永琳がさらっと言った言葉に僕は不安を感じたが、とりあえず、こちらの用件を話すことにした。
「永琳、この子、碧菜って言うんだけど、能力があるみたいんだ。」
「だから、その能力を試したい………と。いいわよ。私も興味あるし。」
僕が言いたかった事を永琳が頷きながら言った。
「話が早いや。じゃあ、外でやっていい?」
「能力によるわね。」
「あ、私の能力は『電を司る程度の能力』です。」
「………そうね、今の時間だと………」
そう言いかけた瞬間、この近くで爆発音が鳴り響いた。
「何がおきたの!?」
「はぁ………碧菜ちゃん、今から外に出て、能力を試すわよ。」
「いや、今の爆発音どうするの!?」
「それを収めに行くのよ。さ、行くわよ。」
そう言って、永琳は部屋から出て行き、僕達も永琳を追って部屋を後にした。
少年少女先生移動中………
「いい加減くたばりなさいよ焼鳥屋ぁぁっ!」
「それはこっちの台詞だニート野郎ぉぉっ!」
「………何このカオス。」
僕達が外に出て来ると、和服を着た黒髪の少女ともんぺを履いている白髪の少女が弾幕を撃ち合っている光景が広がっていた。
「さ、碧菜。あなたの能力であの二人を止めて頂戴。」
「エェェェェェェッッッ!?無理ですよこんなの!」
「大丈夫よ。」
そう永琳に言われ、うなだれながら碧菜は目を閉じた。
「はぁ………」
そう溜め息を碧菜がついていると、アリスが首を傾げて僕に聞いた。
「未奈斗、碧菜は何をしてるの?」
「ん?あぁ、碧菜が射的をするとき、何時も目を閉じて集中するんだ。」
「え、じゃあ………」
「うん、碧菜はあの二人を撃ち落とすつもりだよ。」
「不可能に近いわよ!?だって、私でも当てられるか分からない速さなのに………!」
そう、先程話した二人の少女は、僕達の数メートル先をもの凄い速さで飛び回っているのだ。そして、アリスが言った後、碧菜が目を開いた。
「………うん、ターゲットロックオン。」
そう言い、碧菜は両手を別々の方向に向けた。すると、両手の指先から電気がスパークのように飛び散り始めた。
「二連電磁銃、ファイア!」
「うわ、中二病」
すかさず名前にはツッコミを入れておいたけど、その名前に相応しい、光速とも言える速さで雷の弾が指先から放たれ、それぞれが何かに当たり、当たった場所で爆発が起きた。
「凄い威力と命中精度ね。」
「本当………スペカで使われたら一たまりも無いわね。」
「ありがとうございます。後、未奈斗?中二病で悪かったわね?」
碧菜がお礼を言った後、僕に向かって笑みを浮かべ(勿論目は笑っていない)、腕を僕に向けた。
「自覚しているなら治そうよ!ちょっ、指先向けないで!」
「あんたも一回食らいなさい!電磁機関銃!」
「ぎゃぁぁぁっ!」
僕が最後に見たのは、碧菜の指先から大量の雷弾が放たれて、僕に突き刺さる映像だった………
碧菜side
「ふぅ、ったく………」
私は未奈斗を粛清し、一息つくと、アリスがちょっと膨れながら言った。
「ちょっと、未奈斗が死んだらどうするのよ!」
「あー、大丈夫よ。こいつ、実際にこれより酷い仕打ち受けたことあるから。」
そう私がさらっと言うと、アリスは溜め息をついてから言った。
「分かったわよ。じゃあ、私は未奈斗を連れて家に帰るわ。碧菜も暇なら来ていいわよ。」
「うん、じゃあね。」
アリスは未奈斗の体を人形達に運ばせ、迷いの竹林を飛んで行った。
「………さて、碧菜ちゃん、あなたもここのルールとかは知っているのよね?」
そう永琳が聞いてきたから、頷いて答えた。
「うん、スペカの事くらいなら知ってますよ。」
「もう、私に敬語を使わなくてもいいわよ。」
「分かったわよ。で、それを聞いてどうするの?」
直ぐにいつもの口調に直し、永琳に聞き直した。
「私達の所に住んでくれない?最近、姫様………分かるわよね。姫様が退屈がっているから、世話役をしてほしいのよ。勿論、見返りは保証するわ。」
本当に困ったような顔をして頼んで来たのと、私自身ここに居たかったのがあったから、条件を提示した。
「じゃあ、まずどこのやつでもいいから重火器を四つ程欲しい。それと、スペカの作成方法と練習台。それで手を打つわ。」
「分かったわ。重火器は時間がかかるけど、スペカの作成方法は今教えるわ。」
「助かるわ。」
「単に、イメージを一カ所に集めていれば作れるわ。練習台は………そこに二つ、動く練習台があるでしょう?」
そういって永琳が指差す先には気絶している姫様―――蓬莱山輝夜ともんぺを履いた少女―――藤原妹紅が居たため、私は永琳にいわれた通りにイメージを固め、出来たスペカを放った。
「永琳、あれは動くサンドバッグでしょう?電砲『レールマシンガン』。」
私の指先から大量の雷弾が放たれ、未だ気絶している二人を更に襲い、二人を更に奥深くへと突き落とした。
「………中々酷いことをするのね。」
「普通よ♪」
今の私は、物凄く良い顔をしているんだろうと、自分でも思った。
未「また僕気絶オチ!?」
作「未奈斗君の気絶率はとんでもなく高いです。でも一応第一主人公です。」
未「そうなんだよね………涼にその座を奪われそうだよ………」
作「まあ気にするな。次話は集合させる予定。こうご期待!」
未「では、また次話で!」