永夜異変―――幸せあるほど罠がある
短くてグダグダ感が。まだ感覚が戻らない………
涼side―――
「まてこの糞兎ぃぃぃ!」
「ふふん、捕まえてみな!」
「涼!はやく捕まえて!頭に血が………!」
今俺は、あの悪戯兎………因幡てゐを追っている。咲夜さんはてゐのトラップにより、鋼鉄製の檻の中で宙吊りになっていて、その檻を開ける鍵をてゐが持っている為、今の状態になっている。
しかし、なんであの咲夜さんがトラップに掛かってしまったのか。これは十数分前に遡る。
俺達が迷いの竹林に入ってから数分後のこと。咲夜さんは立ち止まって俺に聞いた。
「涼、ここで合ってるの?」
「多分、ですけどね。迷いの竹林内部の屋敷に、首謀者がいるはずです。」
「はぁ………何でこんな所に住んでいるのかしら………」
そういって、咲夜さんは一歩踏み出そうとしたが、足を空中で止めて引き戻した。
「涼、罠よ。」
「みたいですね。しかも、いつの間にか俺達の周り全体に罠がありますしね。」
そう。俺達の周りに罠の起動装置が張り巡らせてあった。先程まで罠がこの辺りに無かったことを考えると、十中八九、あの悪戯兎の仕業だろう。
「俺が見てきましょうか?」
「いや、私が行くわ。時遅れだと誤って作動させるかもしれないでしょう?」
そういって、咲夜さんは時止めを発動させた。
咲夜side―――
「さて………どうしようかしら。」
私は時を止め、辺りを見回して罠が何処にあるかを把握し、その中の一番被害のなさそうなものにナイフを投げ、涼の元に戻り、時止めを解除した。
「今、一番遠くの罠の起動装置を破壊してみたわ。」
「そうですか………」
そう涼が返した瞬間、私の目に映る景色が反転し、鉄の棒が私を囲んだ。
「なっ!?」
そう。私は罠に引っ掛かってしまった。
涼side―――
どうやら、全ての罠の起動装置が一つの罠に引っ掛かっていたようで、咲夜さんが俺の目の前で宙吊りになり、いきなり出現した鋼鉄製の檻に囲まれた。
「っ!そういうこと………!」
「今助けます!」
俺がフラタニティを振ろうとした瞬間、幼い声が響いた。
「止めておいたほうがいいよ〜。その檻、高圧電流が流れているよ。」
「「ッ!?」」
俺が振ろうとした腕を止めて振り向くと、黒い笑みを浮かべたてゐがいた。
「くしししっ。鍵はここにあるから欲しかったら私を捕まえてごらん?」
そして、冒頭に話は戻る―――
「くっ………ちょこまかと………!」
「くしししっ、罠に引っ掛からないようにご注意を〜♪」
てゐはそこら中に罠を撒き散らしながら俺から逃げているため、俺は迂闊に深追いできない。しかし、てゐの逃走範囲もどんどん狭まっているのも事実。俺は弾幕をある程度撃ち、逆にてゐを罠に掛けようとしている。
「くそっ!」
「あーあ、なんだか飽きてきたなぁ………」
てゐがそう言いながら頭の後ろで手を組んだその一瞬を俺は見逃さず、ありったけの弾幕を撃ち込んだ。
「食らえっ!」
「うわぁっ!?」
てゐは大量の弾幕に驚き、咄嗟に横にステップをした。
「よし、チェック!」
そして、ステップした先には、てゐが自分でばらまいていた罠があり、てゐはその罠を自分で踏んでしまった。
「うぎゃぁぁっ!?」
ガァン、という音の後にてゐの悲鳴が。………どうやら、金だらいの罠だったようだ。そして、てゐがふらつきながら地面に手をついた瞬間、てゐの姿が消えた。
「うわぁぁぁ………ごめんなさいいぃぃぃ………」
今度は落とし穴が。てゐは謝罪の言葉とともに消えて行った。………てか何メートルあるんだこの穴!?
なんだかパッとしない終わり片でてゐを何とか下したが、俺はあることに気が付いた。
「あ………鍵もろとも落ちたか………?」
そう。咲夜さんの鍵。あれがなければ本末転倒である。しかし、またも俺はあることに気が付いた。
「鍵が必要なんだったら高圧電流は嘘なんじゃ………?」
そうと分かると、俺は咲夜さんの元に急いで戻った。
「……………」
「咲夜さぁぁん!?」
咲夜さんは意識を失っており、俺は慌ててフラタニティで檻を切り付けた。
「あれ………?」
すると、紙を切るかのようにあっさりと切れ、檻は破壊された。
「まさか、高圧電流どころか、鉄製ですら無かったのか………?」
そう呟くと、急いで咲夜さんの縄を切り、地面に寝かせた。これは………重症だな………
少年介抱中………
涼「咲夜さん大丈夫か!?」
作「大丈夫だ。問題無い。後々アリスと同じパターンを入れる。」
涼「まっっっったく問題なくないよ!ありまくりだよ!」
作「しかし、テスト期間でのブランクがかなり効いています。早く直したいです。」
涼「早くしろよ………じゃ、次話はついに永遠亭だな。」
作「まずはあの人から!そう、助ける人!」
涼「完璧ネタバレじゃねーか!では、また次話で。」