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涼のショック解消―――出来損ないの満月

今回は、前回やられてしまった涼君のお話です。



チルノside―――



「…………」


「ちょっと涼!落ち込み過ぎじゃないの!?」


「涼………大丈夫………?」


「はぁ………よっぽどショックだったようね………」


あたしが紅魔館にフランと遊ぼうって思って行くと、フランの部屋にたどり着く前に、何だか物凄いオーラを放っている部屋があったから開けると、そこには心配そうにみるフランと呆れる咲夜さん、そしてオーラの元凶である涼がいた。


「フラン、これ何時からこうなってるの?」


「えーと………今日起きたらこうなってて………」


「つまりは原因は昨日、かぁ………」


「私が聞いた話だけど、涼は昨日鬼と戦って負けたらしいわ。そのショックじゃないかしら?」


「かもねぇ。」


そう聞いて、あたしは一つ、考えが閃いた。


「涼!今からあたしと弾幕ごっこしなさい!」


「………え?」


少しだけの反応をした涼をあたしは紅魔館の外へと連れ出した。








涼side―――








俺が暗いオーラを放っていると、チルノに無理矢理連れ出され、弾幕ごっこをすることになった。


「さあ、本気で来ないと………怪我するよ。」


チルノの声が途中から低くなったことから、本気であることが分かった。俺も暗い雰囲気を何とか取り払い、いつも背中に差しているフラタニティを構えた。


「じゃ、やるか。」


「あたしの最強の弾幕を受けきってみろ!」


チルノから放たれたのは、Lunaticでも放たれないであろう、隙間はあるが、その先を読まなければ避けられない弾幕だった。

左、右、上、右斜め上前、後ろに下がってから左斜め下等、立体的に避けなければ被弾する。これがゲームなら開始二十秒の今でグレイズを50回以上している。そんな避け方をしながら俺はフラタニティを振って弾幕を放っていった。


「ふーん、なかなかやるじゃない。時々こっちに避けにくい弾幕撃って来るし。」


「お前の弾幕が細かすぎて上手く撃てないがな!」


「それもそうね。じゃあ、最初のスペルカード!」


チルノは弾幕を途切れさせることもせず、そのまま移行するようにスペルを発動させた。


「氷符『アイシクルグレネード』ッ!」


「!?」


俺は聞き覚えのないスペルに一瞬動揺したが、直ぐに平常心に切り替え、スペルの弾幕を待った。


「避けなくていいの?来るよ。」


チルノの言葉に辺りを見回すと、自分の上に巨大な氷塊の形をした弾幕があり、慌ててその場から離れた。


「ほらほら、まだまだ避け続けなよ!」


「っ!」


俺がさっきまで居た場所で、氷塊は散開し、全方向に弾幕を展開すると同時に、またも巨大な氷塊が俺の上に出現した。


「まさか………これがずっと続くだけ………?」


「そんなわけないに決まってるじゃない!一回使った弾は何回も使いまわしをするのよ!」


その言葉通り、また俺が避けると、氷塊が散開するだけでなく、先程放った氷塊がホーミング弾となって全てが襲い掛かった。


「くっ!」


段々と増えていく氷塊と氷片は、フラタニティを振って破壊しなければ避けられないレベルまでになっていた。


「さーて、ラストっ!」


チルノの掛け声と共に今までの氷片が一旦離れ、俺の回りに球体状に並んだ。


「いけぇっ!」


圧倒的、その表現が一番正しかった。一気に漂っていた氷片が俺に襲い掛かった。先程のように、フラタニティで破壊しようとしても、破壊した後の破片が今度は襲い掛かって来る。


「くそっ………!」


俺は悪態をついてから、懐からスペルカードを取り出し、宣言した。


「禁恋『アカインドスパーク』!」


俺の回りに何個も光の球が現れ、迫り来る氷片に向かって極太の光線を放った。このスペルは、魔理沙のマスタースパークを模倣したもの。その破壊力は健在で、氷片を一気に消し飛ばし、チルノへと襲い掛かった。


「う、嘘!こんなの、避けられ―――」


最後まで言葉が発せられる前に、光線はチルノを飲み込んだ。









「どう、涼?少しはすっきりした?」


「ああ、ありがとうチルノ。」


どうやら、俺のモヤモヤを解消するために弾幕ごっこを仕掛けたらしい。やはりこのチルノ、カリスマだ。


「さ、て。こっちから一つ頼みがあるんだけどいい?」


「ああ。貸しがあるからな。何だ?」


そう俺が快諾すると、チルノは嬉しそうに話し出した。


「実は、この頃月がおかしいの。」


「?月が?」


「そ。あたし達妖精や妖怪は月によって強さが変わり、満月になるほど強くなる。しってるよね?」


「ああ。」


「続けるよ。そんなあたし達がこの頃満月になっても調子が悪いんだ。」


「………あ。」


ここで、俺は分かった。これは、あの異変だ。


「ん?何か分かった?」


「よし、レミリア様に今から許可もらって解決して来る。」


「え?どういうこと?」


困惑するチルノに、俺は言い放った。


「異変だ!」


俺は紅魔館へ戻り、レミリア様の部屋のドアをノックした。


「入って、ちょうど呼ぼうと思ったのよ。」


「はい。」


レミリア様の部屋に入ると、咲夜さんが待機していた。


「さて、まずはそちらから用件を話して。」


「実は、もう御存じかもしれませんが、満月になっても力が出ないと言う異変が発生しまして。」


「ああ、なら用件は同じよ。私もその事で呼ぼうと思ったのよ。話が早いわ。咲夜、涼。貴方達でこの異変の首謀者を見つけ、この異変を解決しなさい。いいわね?」


「はい。」

「了解しました。」


俺と咲夜さんは返事をすると、一礼してレミリア様の部屋を出た。


「さて、貴方は大丈夫なの?」


咲夜さんが心配そうに聞いてきたので、元気な声で返した。


「もう大丈夫です。でも、満月にならない理由を突き止めるには、この夜中に解決しなきゃいけないんですよね。」


「ええ。ちょうど今日は満月。急ぐわよ。涼、どこに行くの?」


「まずは………この森を抜け、人里に向かいます。」


「分かったわ。それと、貴方は妹様に一言言ってきなさいよ?」


「あ、そうですね。」


俺はフラン様の部屋へと向かったが、フラン様はすぐそこの廊下を歩いていたので、そこで声を掛けた。


「フラン様!」


「あ、涼。大丈夫?」


「はい。もうすっかり。そこで、今からちょっと問題を解決しに行ってきますから、一言言っておこうと思いまして。」


「そうなんだ………涼、絶対、帰ってきてね。」


「はい。もちろんです。」


そう笑顔を向け、フラン様に手を振られながら咲夜さんの場所に戻った。


「早かったわね。ちゃんと言ってきた?」


「はい。さ、いきましょう。夜が明けてしまいます。」


「そうね。」


こうして、俺達は異変―――永夜異変の解決に向かった。


作「初、主人公キャラ以外のキャラが前書きのsideになる!」


チルノ「それがあたしってことは、やっぱりあたしったら最強ね!」


涼「チルノめちゃくちゃ強かった………まだスペルあったみたいだし。」


チ「手のうち全て見せる程バカじゃない!」


作「⑨好きの皆さん、申し訳ないです。私の中ではカリスマなんです。」


涼「次の話では、ついに永夜異変か。」


作「永夜異変………多分、霊夢達との戦闘は省きます。原作持ってないから………」


チ「はぁ………こんな作品だけど、また次話もよろしくね!」


涼「では、また次の話で。」


作「私の台詞ー!」

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