紅い館の大宴会―――主人達の大演奏
一回全部本文が消えてしまうというハプニングにくじけず書いた!
涼side―――
「ふう、疲れた………」
「そりゃ、いつもとは違うやり方だったからな。」
俺達はステージから降り、胸を撫で下ろしていた。
「そういえば、フラン様がやると思うのだが………」
俺がそう言うと、咲夜さんがステージに現れた。
「次は、この館の主人の妹様、フランドール・スカーレット様とその御友人の皆様です。」
「ちょうどみたいだね。」
フラン様が手を振りながらステージに上がってきた。
そこには、ギターを持っているルーミア、サニー、キーボードを設置している大妖精、スター、ドラムのスティックをまわしているルナ、そしてマイクを持っているフラン様と………チルノ!?そういえば、ここのチルノはカリスマ溢れていたな………
「え、チルノがボーカル?絶対人選ミスでしょ………」
「見てれば分かる。」
ルナがドラムスティックでリズムを取り、四人が一斉に弾きはじめた。
バンドのようなリズムが流れ、フラン様が歌いはじめた。
『I wanna play with you once Are you a fragile baby? If so,I throw you away after use. I don't know why I'm alone now. Why don't you play with me? Hey! You can never refuse my asking.』
フラン様の流暢な英語の歌詞の後、チルノが歌いはじめた。
『Everything has the spot to be broken away. I only know where it's hidden away. C'mon baby! C'mon baby! Come in to my hand. Oh, it's so easy to Grip and Brakedown!』
チルノの発音の良さに俺と未奈斗が唖然としていると、フラン様とチルノの二人でのサビが始まった。
『Let's get along baby, I'm never insane. You must enjoy to play this game more and more and more. Hey! How are you feeling? It's funny isn't it? Never ever to be seen, the game! Let's get along baby, beautiful fire works. You can never run away because we're the friends. So, don't mind to be dead, play the funny game, yeah! Grip and Brakedown! Fire works to night!』
二人の歌が終わり、ギターが響いて曲の終わりを告げた。ステージには、惜しみない拍手の嵐が降り注いだ。
「皆様、これが最後の演奏です。我が主、レミリア・スカーレット様が演奏されます。」
今度は咲夜さんはステージから消えず、そこにパチュリー様、小悪魔、レミリア様、美鈴が上がってきた。「さて、何の曲かな?」
「おいおい、レミリア様だぜ?分かるだろ?」
咲夜さんがシンセサイザーを操作し、何回も繰り返すリズムを打ちはじめた。
美鈴はドラムを叩きはじめ、パチュリー様はキーボード、小悪魔はギターを弾きはじめて、レミリア様の歌が始まった。
『時の中にただ、漂う我が身よ、安らかに、眠る日を、待ち焦がれている。古城の片隅、咲き誇る薔薇よ、儚さと、切なさで、満たされて散れ。』
「あれ?こっち………?」
「お前は何を期待していた。鬼畜姉妹と受難メイドでも期待していたか。」
『立ち塞がるものは刹那に消えて無くなればいい。この体に触れる事もさせずに引き裂いてあげるから。』
一瞬、音楽が止まり、爆発的にサビ部分が始まった。
『廻りはじめた、運命がもし、この手を離れ、旅立つとしても。儚く消える、魂ならば、私の中で、悪戯に踊れ。』
レミリア様が歌い切り、咲夜さんのシンセサイザーとパチュリー様のキーボードがフェードアウトし、曲が終わり、今までで一番大きい歓声が巻き起こった。
「レミリア様、フラン様。お疲れ様です。」
「二人とも上手だったよ。」
「当然よ。」
「えへへ………ありがと、二人とも。」
俺達は今、レミリア様とフラン様を含めた四人で、紅魔館の屋根の上で談笑していた。
「そういえば、なんでこんな急に宴会なんかしようと思ったの?」
「やりたくなったからよ。それ以外に理由は無いわ。」
「そっか………」
「フラン様、御友人のチルノさん。いつもはどんな方なんですか?」
俺がちょっと気になった事をフラン様に聞いてみた。未奈斗も興味津々な顔でフラン様を見た。
「チーちゃん?チーちゃんはとっても頭がいいんだよ!この前、えーっと………外の世界の本の内容で、ふぇるまーの最終定理ってものを教えてくれたよ!」
「ぶっ!?」
「うそぉ!?」
フェルマーの最終定理って………数学界屈指の難問を解いた定理だろ………!?
「未奈斗………ここのチルノはバカじゃない………カリスマだ………!」
「カリスマにも程があるよこれ………しかも幻想郷だよ?元の世界より学力は低いはず………!」
「あ、そういえばこの前、チーちゃんが博麗大結界の大きさを計算してたよ!」
「もうチルノ式神作れるんじゃ………」
俺が呆れていると、俺と未奈斗の間に隙間が開いた。
「うわっ!?」
「こんにちは、レミリア。」
「あら、スキマじゃない。」
「もう、私にはちゃんと八雲紫って言う名前があるって言ってるでしょ?」
隙間から出て来た金髪の女性は、多分、俺達をこの幻想郷に落とした犯人………
「それよりも………一応、初めまして、よね。」
「ああ、初めまして、だな。」
「初めまして。スキマ妖怪、八雲紫。」
これが、俺達と紫の初めての対面だった。
涼「おお、急展開。」
作「前に紫が二人に会いに行くってフラグを立たせたから、それを回収した結果だ。」
涼「つまりは、やっと核心に近付くと。」
作「そういうこと。次話は紫との会話がメインとなります。」
涼「では、また次の話で。」