紅い館の大宴会―――Let's play the music!
知っていて、なおかつ好きな曲を三曲注ぎ込みました。
未奈斗side―――
僕達が練習を終えて、紅魔館に戻ると、庭に何やらステージが設置されていた。
「あれだね。」
「だな。さて、参加するには………咲夜さんに言ってみるわ。未奈斗はまっててくれ。」
「分かった。」
涼は走って咲夜を捜しに行き、僕はステージの前にたった。
「結構しっかりしてるな………」
「あら?未奈斗じゃない。」
ステージの前で呟くと、後ろにはレミリアが立っていた。
「やあ、レミリア。いつの間にこんなの立てたの?」
「ついさっきよ。」
「ここで何を?」
「それぞれがグループを組んで曲を演奏するのよ。勿論、私達もするから楽しみにしなさい。」
「うん、そうするよ。後ね………」
僕が話そうとした瞬間、涼が僕の横に現れて話した。
「未奈斗、許可をとったぞ。」
「ありがとう、涼。」
「あら、もしかして貴方達二人でやるつもり?」
「あ、レミリア様。そうですよ。これでも元の世界では結構有名でしたから。」
「そうだね。」
「へぇ………なら、期待するわよ。」
「了解です。」
「それじゃ、失礼するわね。」
そう言ってレミリアは立ち去り、僕は涼に話した。
「さっき結構有名って言ったけど、それってネット上だからあんまり有名じゃないんじゃ………」
「………お前のその頭をかち割ってやろうか。」
え?ネット上ってそんなに有名になるの………?
「皆様。只今より本日のメインイベントの、楽曲の演奏、歌唱を始めたいと思います。」
咲夜がステージの上に立ち、いつの間にか集まっていた小妖怪、妖精達を含む僕達全員に話した。
「では、まず始めに、博麗霊夢、霧雨魔理沙、アリス・マーガトロイド、森近霖乃介による演奏です。」
そう言った後、咲夜が消え、変わりに四人がステージの上に上がってきた。
「あ、アリス。あんなとこにいたんだ。」
「みたいな。つーか、この四人がやる曲って………?」
僕達が話していると、霖乃介がシンセサイザーを操作し、軽快なリズムを取り出した。
「………未奈斗、これは………」
「うん、あの曲だ。」
魔理沙のもつギターからも、音が鳴り出し、アリスはキーボードを叩きはじめ、霊夢はマイクを持ち、歌いはじめた。
『流れてく時の、中ででも気怠さが、ほらぐるぐる廻って、私から離れる心も、見えないわ、そう知、ら、な、い』
「Badappleか………」
「僕が東方に興味を持ったきっかけだよ。」
僕達が話していると、曲がサビへと入っていた。
『今夢見てる?何も見てない。語るも無駄な、自分の言葉。悲しむなんて、疲れるだけよ、何も感じず、過ごせばいいの。』
「戸惑う言葉、与えられても、自分の心、ただ上の空。」
「もし私から、動くのならば、すべて変えるのなら黒にする………流石に覚えてるね。」
「だな。」
僕達はこの後、静かに聞き、次の組になった。
「次は、プリズムリバー三姉妹の演奏です。」
プリズムリバー三姉妹はやはり人気があるのか、小妖怪達が熱狂し始めた。
「さて、何の曲かな?」
そう僕が言うと、リリカのキーボードから高い綺麗な音が流れはじめた。
「あ、分かった。」
「流石だな、プリズムリバーファン。」
そう、僕はプリズムリバーの曲が好きで、良くキーボードで弾いていた。勿論、この曲も分かる。
「これ、Phantom Riverismだ!」
『むーきーしーつーなー、はーこーのーなーかー。』
「少しだけ背伸びしてちょっと触れてみた。失われた過去の道標、いま手繰り寄せ。」
僕はこのまま小声で歌いつづけた。
「終わったぁ〜。」
「だな。」
プリズムリバー三姉妹が引っ込むと、咲夜が僕達の前にいきなり現れた。
「涼、未奈斗。次が貴方達だから準備してちょうだい。」
「了解しました。」
「了解、と。」
本当に連絡事項だけ述べ、咲夜はステージへと現れた。
「プリズムリバーの御三方、ありがとうございました。さて、次は異世界からきた二人の演奏です。彩華涼君、日向未奈斗君です。」
咲夜はまたステージから消え、僕達の場所へ来た。
「じゃ、期待してるわよ。」
「任せてください。」
「任せててよ。」
僕達はステージに登り、前を見ると、物凄い数の観客がいるのが見えた。
「緊張するな………」
「びーくーる、びーくーる。」
僕はキーボードを設置し、涼はギターを持って準備を整えた。
そして、涼が僕に目配せをした。
「それでは、皆さん聞いて下さい。『ネクロファンタジア』!」
涼のギターが音を奏ではじめ、僕もキーボードの音の設定を変え、叩きだした。
そして、歌が始まった。
『果てない月と声の闇に浮かぶ過去とえいこうの夢を、ループする結末はきっと感覚を刺して。』
『いつか見た幻想ははーるーかー、頼りなく揺れる火は永遠の籠の中。』
『出口なき現実はこーこーにー、結晶は歪むノイズ掻き消して鮮明に。』
ここで僕と涼はキーボードとギター、そして僕達自身も空中に放り出し、リズムを打った。
『『夜を越え、境界線を見るいつかの記憶を手繰り寄せ。いつまでも、そこに在り続ける夢に身を委ねて。』』
こうして、僕達の演奏は終了し、その後には壮大な歓声がステージに向かって放たれた。
未「うわぁ、結構なぐだぐだ加減。」
作「ちなみに出た曲ほとんどは作者が歌える曲です。」
未「ていうかネクロファンタジアは紫の曲でしょ?紫がやるかも知れないのに何でやったの?」
作「いや、結構考えた結果、ネクロファンタジアに落ち着いたんだ。一番無難策かな、と。」
未「最悪だこの作者………」
作「では、まだまだ宴会のメインイベントは続きますよ!後はレミリア組とかです。因みに、二人の曲の候補には、天子の曲、ネイティブフェイスがありました。」
未「そっちにしとけばよかったのに!では、また次の話で。」