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森の中の人形館

ここから、一人称になります。




未奈斗side―――

音も無く、地面に吸い込まれるように消えて行った僕――日向 未奈斗は、叫びながら空間の中を落ちていた。


「うわぁぁぁっ!目がいっぱいあってキモいっ!後、いつまで落ちるんだぁぁぁっ!」


叫んでいるとはいえ、どんな状況下なのか分かるのは、冷静な証拠だろう。


「あ、光が見える……?もう少しなのか……?」


確かに、僕がいう通り、光が下から漏れだしているみたいだ。


「やっと終わった………って」


光から抜けると、僕の体は空に浮かんでいた。


・・・・・・・・

そう。空に浮かんでいた。


「うぎゃぁぁぁっ!」

僕の体は重力に従って落下し、運が悪かったのか、森の上だったらしく、枝をバキバキと折りながら落下し、地面に激突した。激痛と共に、僕は意識を手放した。





「―――っ、うぅ……」


呻き声を上げながら、僕は目を開いた。視界に真っ先に入ったのは見慣れない天井だった。


「どこ?ここ……」


そう言っていると、僕の右手に見えるドアが開き、金髪にカチューシャをつけた少女が入って来た。


「あら、ようやく起きたみたいね。」


「ぶはぁっ!?」


出て来た少女の顔と服を見て、僕は吹いてしまった。まさか、だけど………


「何よ。私の顔に何かついていたの?」


「ご、ゴメン。何でもないんだ。ここは君の家?」


「そうよ。あぁ、名前、言って無かったわね。私はアリス・マーガトロイドよ。」


はい、予想的中。金髪にカチューシャってアリスさんしかいないよね。


「アリスさんね。僕は日向未奈斗。いきなりで悪いんだけど、何で僕はここに?」


「いきなり地響きがして家から出てみたら貴方が家の前に倒れていたのよ。」


「そうだったんだ……。ありがとう。助けてくれて。」


「ええ。それで、貴方は何で倒れていたの?」


「えーっと……帰り道を歩いていたらいきなり地面に吸い込まれて気持ち悪い空間を通ってその空間が終わったと思ったら今度は空にいて落ちてきたんです。」


そう言うと、アリスさんは頭に手を当てて首を振った。


「またあのスキマね……」


……スキマ?ちょっとまてよ……


「あの、アリスさん。スキマって……」


「ああ。その話をする前に、一つ、貴方に言っておかなければならない事があるのだけど……」


「何ですか?」


僕は既にその答えを予想できていたが、敢えて聞いてみる。すると、予想通りの答えが返ってきた。


「ここは貴方が住んでいた世界とは違う、『幻想郷』と言うところ。貴方は、世界を飛び越えて来たのよ。」








「……それで、僕がここにいるのは、八雲 紫って言う妖怪のせいなんですね。」


「その通りよ。もしかしたら、元の世界に戻れるかもしれないけど、交渉してみる?」


「いえ、幻想郷に残ります。」


あの後、幻想郷の知識と、アリスさんの事を話してもらい、今に至る訳だが、元々行きたかった場所に来れたのに、帰る気なんて起こる気もない。


「決断早いわね……大丈夫なの?」


「はい。元の世界でもそこまで楽しく無かったですし……」


「そう。なら、住む場所はどうするの?」


「あ……」


駄目だ、一切考えていなかった……


「少し家事を手伝ってくれるなら、ここに住んでもいいわよ?」


「本当ですか!?やります!」


「分かったわ。じゃあ、先ずはここで住んでいくのに必要な事をしなければね……」


「必要なこと?」


ある程度、分かってはいたのだが、間違っていては困るので聞いておく。


「貴方は人間だから、まず護身用の武器、後、弾幕を出せるようになることと空を飛べるようになること、そして、能力を付けることの四つね。」


ほとんど予想通り。しかし、武器なんて物、必要なのか……?


「わかりました。でも、どれからすれば……?」


「まず、能力を見つけたらいいのじゃないかしら。瞑想していれば見つかるって言うしね。」


そう言われ、すぐに目を閉じて考える。すると、すぐに能力が見えてきた。それは………


「『身体であらゆる概念を破壊する程度の能力』?」


「また凄まじい能力ね……」


僕はこれを見つけるのに時間はかからなかったが、精神は色々と疲れていたので、今日は休む事にした。



明日から、頑張ろう………

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