春雪異変―――舞い踊る雪の精・黒き謎の刀使い
やっと一つの動きが………
涼side―――
「うむ………魔法の森ってどこだっけ………?」
俺はいま、絶賛迷子中である。何故なら………
「咲夜さん、時止めて一人で行かないでくれよ………」
このような訳である。そして置いてきぼりを食らった俺は、フラフラしながら、魔法の森らしき場所を探し回っているという訳である。
「あー、ヤバい、マジでどこだ?」
「どうしたの?お困り事?」
俺が呟くと、後ろから声がしたので振り向くと、白い服を着た女性がいた。
「こんにちは。良い雪日和ね?」
冬の忘れ物―――レティ・ホワイトロック。確か妖々夢第一ボス。
「みたいだな。一つ、聞きたい事があるんだが………」
「何?まあ答えてあげるよ?勿論、条件付きで。」
「………まずその条件を。」
「私と、弾幕ごっこして、貴方が勝ったら教えてあげる。」
「………仕方ないな。やるぞ。」
「交渉成立。じゃ、始めるよ?」
刹那、レティから弾幕が大量に発射された。
「いきなりか!」
なんとか避けながら、レティに剣型の弾幕を放っていく。そのような通常弾幕の応酬に、レティが痺れを切らした。
「あぁもう………面倒臭い。白符『アンデュレイションレイ』」
「え、それ!?」
予想外のスペカに驚いたが、冷静に対処していく。そして、ふよふよと浮かんでいたレティに剣型の弾幕をありったけ放った。
「うーん、負けちゃったし、魔法の森への行き方………ってか方向を教えるよ。ここから多分北に行けばいいよ。」
「ありがとな。じゃあな。」
そういって俺は北へ向かって飛んで行った。しかし、俺は見てなかった。レティが悪戯な笑みを浮かべていることを………
「フフッ………本当は魔法の森の方向なんて"知らない"んだけどね。ま、多分って言ったし、嘘は言ってないしね。」
「くそう、嘘は良くない………あ、多分って言ってたから嘘じゃねぇ………」
レティの言った通り来ると、何故か変な森に着いてしまった。だってキノコが動いてるんだもん………何なんだこれ?
「はぁ………って、あれは………咲夜さん?よかった、ここが魔法の森なんだ。」
俺は遠くに咲夜さんが誰かと戦っているのが見えた。
「………ぁっ………」
「きゃぁぁっ!!」
「っ!咲夜さん!時符『リタルダンドタイム』!」
俺は時を一時的に遅らせ、地面へとたたき落とされている咲夜さんの下へ潜り込んだ。
「よ………っと。大丈夫ですか?」
「く………っ、気をつけなさい、涼。あいつ………相当強いわよ。」
そう言われて、咲夜さんの目線を辿ると、俺の記憶上、見たことのない黒いコートを頭まで被った男がいた。
「あぁもう、十六夜咲夜の次は誰だよ、ほんと。で、邪魔するの?」
………何か聞いたことある声だな………
「邪魔する気は無かったが、咲夜さんを傷付けられて黙ってはいないな。」
「あぁ、やっぱり邪魔するんだ………もういい、ぶっ飛ばす。」
奴はそう言った瞬間、コートの中から武器を大量に出現させ、構えた。
「へっ………そう来なくっちゃ、本気だせねぇな。」
「あぁもう、時間かかり過ぎ………アリスに説教されるな、これ。お前に八つ当たり感覚で行くからね。」
「あんまり紅魔館の執事をなめるなよ?」
俺は剣を構え、奴は刀を左手で構え、突進した。
涼「おい、あれって………」
作「ストップ。考えつかなかったからああなったんだ。」
涼「ちっ………当初の考えと全く違うじゃねぇか。」
作「うぐ、確かに当初なら………っと、こっから先はネタバレかな?」
涼「いや、もう皆分かってるから。」
作「でしょうねぇ………さて、そろそろ薬を飲まないと」
涼「まだ治ってねぇのかよ」