第二話 出会い
またしても遅くなってすみません。次こそはもっと早く投稿してみせます
人が襲われてるとは思っていたがこんなに可愛い美少女だとは思わなかった。年齢は小学生ほどのの可愛らしい女の子だ。
違うだろ。そんなことを考えるよりも前に早く助けなければいけないだろ。
今は急を要しているからな一発で終わらせるぞ。
「『火槍』」
そう唱えたあと俺は火槍をグレートベアへ向かって投げる。
その火槍は見事にグレートベアの頭を貫き一撃で仕留めることができた。
取り敢えずは助けることができたけれど、どうしてこの子はこの森にいるのだろうか? 昔、アレンが言っていたけどこの森はよっぽど強い冒険者とかじゃなければ立ち寄ることもないと聞いていたんだけどな。
となると何か事情があってこの森にいるとしか思えないよな。
話を聞きたいところだが、俺ってアレン以外とまともに話したことがない。
しかも目の前にいるのは美少女だ。話せるのか余計に不安になってくる。
それでも勇気を出して話しかけないと、アレンならきっとそうしていたから。
「大丈夫だった? 」
そう、女の子に話しかけるが返事は何も返ってこない。
どうしたのだろうかと思いますもう一度話しかけてみる。
「本当に大丈夫? 」
そう言うと女の子は顔をブンブンと縦に振る。
「話せそうかな? 」
「は…はい。話せます…」
そう言う女の子は少し泣いている。
「無理して話そうとしなくていいよ。急にあんな熊に襲われたら誰だって怖くて泣いてしまうよ。だから、むりに話そうとしなくていいんだよ」
俺のこの言葉が引き金となり、女の子はさらに泣き出してしまった。俺にはどうすることもできないので隣に座り背中をさする。
そうしてしばらくするとその女の子は寝てしまった。
寝てしまったけどどうしようか? この森においていくっていうのはもちろん選択肢にはないけれど、家につれて帰るってのも違う。
女の子が起きるまで隣で待っておくとするか。
◇
それからどれくらいが経ったのだろうか、俺はぼーっとしてたので正確な時間はわからないけれど女の子が起きてきた。
「あ…あの…ありがとうございます…」
「大丈夫だよ。当然のことをしたまでだからね。それよりも君みたいな女の子が護衛も付けずになんでこの森に? 」
「はっ! そうでした。私今、探しているんです」
「何を? 」
「森の賢者さんです」
「森の賢者? 」
「はい、この森の奥には賢者様がいると昔からの言い伝えがあるんです」
森の賢者? そんなものがいるなんて俺は聞いたことがないぞ。
「勇者様も言っていたので間違いないんです」
ん? 勇者様が言っていた? おっとこれはちょっときな臭くなってきたんじゃないか?
「その森の賢者の名前とかって知ってる? 」
「はい、知ってます! ユウキ様です」
あ〜もうこりゃ完全に俺だ。俺の他にユウキって言う男がいるという可能性も無きにしもあらずではあるのだが、如何せんこの森に俺以外の人が住んでるなんて聞いたことはない。てことは十中八九俺なんだろうな。
「多分だけどさ、その森の賢者っていうのは俺だと思うんだ」
「え? そうなんですか? 」
「一応俺もこの森に住んでたし、ユウキっていう名前だし」
「はわわわ、す…すみません。食べないでください…」
「別に食べたりはしないよ」
「でも勇者様が…」
おい、アレン俺のことをどんなふうに吹聴しやがったんだ。
「まぁ、それはいいとして。それで、おれに頼みたいことって? 」
「そ、そうでした。森の賢者様お願いします。私を命を捧げるのでどうかお姉ちゃんを助けてください」
「いや別に命なんて要らないし、そもそも代償なんか要らなくても俺は助けるよ。勇者様だってきっとそうしてきただろうしね」
「あ…ありがどうござぃまずぅ」
そう言うとまた女の子は泣いてしまった。
はぁ…
1日で2回も女の子を宥めることになるとは思わなかったけれど、これもまた旅の良さなのかもしれないな。
またしてもしばらく時間が過ぎた。
「そういえば君の名前を聞いていなかったね」
「私ですか? 私の名前はエリナです。よろしくお願いします」
「うん、よろしく。それで聞きたいんだけど、お姉ちゃんの状況はどうなっているの? 」
「それがいきなり倒れてしまって、もう1週間も起きてこないんです。それで勇者様が言っていた事を思い出したんです」
「なるほどね。いきなり倒れてしまったと。それだけじゃどんな状況なのか分からないからね。取り敢えずは森から出ないと行けないわけだけど…エリナ道は分かる? 」
「は、はい。わかります」
「それじゃあ、案内よろしくね」
そうして街へ行くまでの旅の相方ができた。