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勇者殺しは旅に出る  作者: ニンジン
第一章 王都スベルキア
2/4

第一話 出発

前回の投稿から1週間以上空いてすみません。忙しかったんですという言い訳です。

 俺が親友──アレンを殺してから数日が過ぎた。さすがに親友を殺してすぐに旅に出れるほど俺の精神は強くないのである程度落ち着くまで、自分の家で過ごしていた。


 しかし、それも今日で終わりだ。いつまでもぐずぐずしてるわけにもいかない。


 俺は旅に出る支度を済ませ家を出る。この家には200年もの間お世話になったから愛着がある。けど、俺は行かなければならないんだ。ごめんよ。


 そうして俺は外に出た。王都スベルキアへ向かうために。


 と、そんな感じに出たはいいものの正直に言えば王都の場所なんて俺は知らない。


 なんてったって俺はこの森から出ることなく200年間住んでたんだからなこの森以外の地理なんて全く知らない。


 まぁ、なるようになるだろう。旅っていうのはそういうものだって誰かが言っていた気もするし。こういう行き当たりばったりなのも度の醍醐味だ。多分…。


 そうして、家を出てからしばらく歩いた。というか、全ての可能性を持ってるなら空も飛べるんじゃないか? と思う人もいるだろう。確かに俺は魔法で空を飛べる。しかし、それでいいのか? いいや、良くないね。

 空を飛んで楽々移動出来てしまったら旅の意味がほとんど無くなってしまう。


 というか俺自身、自分が以外に乗り気になっているのが、信じられない。200年もの間引きこもっていたのにな。


 そんなことを考えながらも歩く。


 そして改めて気づいたことがある。このもりあまりにも広すぎる。魔法を使って楽に移動していたから気づかなかったけど、この森は相当広い。

 こうして意外なことに気づくというのも旅の醍醐味なんだろうなきっと…多分…Maybe…。


 またまたとてつもなく歩いた。もう既にうんざりしている人もいるかもしれないが、ほんとうにとてつもなく歩いた。


 どれくらいか? と言われればざっと10万歩ぐらいだろうか。距離にしてなんと約70kmだ。無尽蔵な身体がなければ正直きつかった。こんな身体をくれた何者かには感謝しかない。


 そして、気づけば日が暮れていた。旅に出て一日では王都には着かなかった。正直、そこまで遠いとは思ってもいなかったので、なんか…こう…やる気が削がれる。


 これも旅というものなのだろうか? よくわからないけれど、今日は野宿をすることにした。


 野宿をすると言っても別に危険があるかといえばそうじゃない。確かにこの森には結構強い魔物たちが多くいるが、俺の手にかかればどうってことないし、それに俺は結界魔法が使えるので、そこら辺を心配する必要はあまりない。


 そうなってくると気になるのは料理と寝床だろう。だが、それも安心してほしい。こういうこともあろうかとちゃんと空間魔法の中にいろいろと詰め込んできているのだ。


 用意を周到にすることは絶対に自分を裏切らないからな。


 そうして空間魔法の中から調理道具を取り出す。


 今回作るのはある程度簡単に作れて、そこまで重くないオムレツだ。


 それから程なくしてオムレツができた。我ながら結構上出来だと思う。それじゃあ手を合わせて


「いただきます」


 卵のふわっとした食感とその中にあるジューシーな肉と野菜たち。これが実にうまい。これを食べていると米がとてつもなく欲しくなるが、この世界に米があるかどうかすらわからない。


 そう考えると、米のためにこの世界を周るというのもありだな。当分の目標としては米を探すことにしてみるか。


 もしそこで米を見つけたらその時は絶対にたらふく食ってやるからな。


 そんなことを考えているうちに、オムレツはなくなっていた。


「ごちそうさまでした」


 異世界に来ても「いただきます」と「ごちそうさまでした」というのは頭から抜けない。卵も肉も魔物たちから得たものだからやはり感謝というのを忘れるわけにはいかない。


 そうして、ご飯を食べ終えた俺は空間魔法を使い、木刀を取り出す。


 何をやるのかって? それはもちろん素振りだ。何事も基礎が大事だと言うし、食後の運動にも丁度いい。だから俺は日課として素振りをしている。


 それからどれくらい経っただろうか? あまりにも熱中して素振りをしてせいで時間の感覚があまりない。まぁ、それはどうでもいいか。そんなことより早く寝よう。明日も結構歩かないといけないと思うから。


 そうしてご飯を食べ、素振りも終えた俺は眠りについた。



 ◇



 木漏れ日が俺の目を刺激する。どうやら朝になったらしいので、体を起こす。


 それにしてもなんだか騒がしい。昨日はこんなことなかったのにな。


 そう思い、探知魔法を使う。探知魔法とは言っても、今使っているのはそこまで広い範囲のやつじゃない。精々、半径10kmくらいのやつだ。


 その探知魔法に何かがかかる。明らかに人間とモンスターが対峙しているというそんな感じの場面だ。


 しかも、人間側が不利っぽいのだ。人助けというのはあまり性に合わないが、ここで助けないというのも寝覚めが悪い。それに、アレンだったらきっとどんな時でも助ける。だから、俺は急いでそこに向かった。


 向かった先にいたのは、グレートベアととても美しい女の子だった。




※5/21 当分の目標として米を探す場面を追加

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― 新着の感想 ―
親友の死を乗り越え、静かに旅立つ主人公の心情が丁寧に描かれていて、読んでいてしみじみとした余韻が残りました。200年の引きこもり生活から一歩踏み出す葛藤と、それでも旅に出ようとする決意がじんわり伝わっ…
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