表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
冒険王ー世界最強の称号ー  作者: 龍崎 明
序章 始まりの冒険
1/40

プロローグ

 かつて七十二の魔宮全てを踏破したただ一人の男。


 『冒険王』アド。


 彼が引退の際に放った一言が、世界中の人々を魔宮へと駆り立てた。


「俺の強さの秘訣か。知りたきゃ教えてやろう!魔宮を踏破しろ!この世の真理がそこにはある!」


 強者達は、魔宮を目指し、夢を追い続ける。


 世は正に、大冒険時代!




 ……




 辺境の村カーボネック。そこには、三人の孤児がいた。


「俺たちは兄妹だ。何があってもこの絆は、絶対に失われたりしない」


 最も年長の男児が力強く宣言する。


「あぁ、そうだ。僕らは絶対に裏切らない」


 次いで、小柄な男児がそれに追随する。


「私たちはずっと一緒にいる」


 最後に、最も年少な女児が純粋な願いを口にする。


 それは、何処にでもあるありふれた日常の光景。幼き子どもたちによる微笑ましい約束。


 だが、彼らの未来に待ち受ける運命は、その約束を果たせぬ苛酷な旅路であることを、まだ誰も知らない。




 ……




 カーボネック近くの森。


「ベティ……?腕が?」

「なぁに!お前を守れたなら、腕の一本や二本安いもんさ!いや、二本は勘弁な!剣も振れなくなる!」


 森に迷い込んだ少年を、村に滞在していた冒険者の男が救っていた。


 運悪く凶暴な魔獣に襲われ、ベティと呼ばれた男は少年を庇って片腕を奪われてしまった。ベティは、少年が罪悪感に押し潰されないよう、敢えて陽気に振る舞った。


「まぁ、取り敢えず、失せろや畜生」


 先ほどと打って変わり、驚くほど強く低い声。


 ベティの登場で警戒して佇んでいた黒い魔獣が、ゆっくりと後退りしそのまま去っていった。


「ごめん、ベティ、俺……」

「泣くなよ、ガラ。男だろ。そうだ!良いことを思いついた!俺の盾、お前にやるよ。どうだ、嬉しいだろう?」


 ポロポロと涙を流し少年ガラが、必死に謝罪の言葉を口にする。それを宥めるために、ベティは自身の盾をくれてやると言った。


 それを聞いてガラは、泣きながら笑った。


「ありがとう、ベティ。俺、俺!強くなるから!絶対絶対強くなる!もう二度と誰かが傷つかないように!そんで、ベティの盾になる!」

「おっと、俺の盾になろうなんて百年早いぜ!いいか、ガラ?お前はお前の道を行け!その盾は餞別だ」


 尚も罪悪感で縛られているガラに、ベティは何処までも陽気に語りかける。


「でも……」

「でもじゃねぇ。ガキが大人に気をつかうな!ガキはガキらしく、冒険王になるとでも言っておけ!」

「うん、わかった。俺、冒険王になるよ!」

「はは!やっとわかったか!そうだ!男なら夢はでっかく描くもんだ!」


 ベティが大声で笑った。それに続けて、ガラも大声で笑った。


 暗く静かな森の中、二人の笑い声だけが響いていた。

ちょっとやり過ぎ疑惑も出そうですが、一先ず書き溜めたところまでの内容とともに判断してほしいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ