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A氏の冒険  作者: バナナウンコ
3/6

A氏の冒険3日目

この世界には魔王がいる。

この世界には、「魔王」がいる。

といっても、彼は一代限りのものではない。

魔王も、時代が過ぎれば、寿命を迎え、あるいは勇者に討たれ、代替わりする。

いまの魔王は、太古から数えて、15代目だったはずだ。

魔王は、魔族の統領だ。

ゴブリン、オーガ、スライム、ゴーレム、レイス、リザードマン、……その他もろもろの悪鬼たちの王。

魔族の王の中の王。

それが魔王だ。

優れた腕力、多種多様なモンスターたちを統率するカリスマ力、無尽蔵ともいえる魔力と多様な魔法、呪術。

あらゆるモンスターたちの頂点に立つ存在だ。

魔王が腕を一振りすれば、モンスターたちの群れは人間の村や町に襲いかかり、多くの人たちが死んでいく。







もちろん、A氏は、魔王など会ったこともないし、見たこともない。

これまでもこれからも、A氏と魔王が面識を得ることはないだろう。

いまもA氏は、小さな町の場末の酒場で、安酒をあおっているところだ。

A氏の旅の目的は、村から出て行って行方不明になった兄と妹を探すことだ。

しかし、それも半分あきらめている。

いまは、生き抜くことで精一杯だ。

A氏は、考える。

冒険者となって、モンスターどもと1人で渡り合うようになり、A氏は初めて人が寄り集まっている理由がわかった。

人は、弱いのだ。

ゴブリン1匹倒すのでも、1人ではなかなか苦労する。

ところが、男たちが10人も集まれば、ゴブリンの襲撃も、小規模ならば撃退できる。

やっぱり、数は力だ。

酒を飲み、寝ているときだけ、A氏はジブの旅の目的をしばし忘れられる。

もちろん、飲みすぎないように気はつけている。

こんな小さな町でも、酔い潰れれば荷物をまるごと盗人に持ち去られる。

A氏は、今晩の晩酌をほどほどに切り上げ、自分の安宿に戻ることにした。

自分の部屋に入り、ドアに鍵をかけると、A氏はベットに寝転がった。

いま受けている仕事はなにもない。

このままだと、1ヶ月も経たないうちにすっからかんだ。

気は進まないが、またゴブリンの討伐でも請け負うかな……

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