演習は続く
3回目の演習が終わり、船も修理できた。
4回目に出航する。
新人達はまだ乗せない。慣熟訓練では乗せたが、まだ艦内を縦横に移動するまでいかないからだ。
思ったようにポイントが増えない。これは皆で考えたが、どうしようもないことだった。多分本番の方がポイントは多いのだろう。本番に備えて艦を強化するのが演習の目的だとしたら、秋月級船体に届かないかも知れない。秋月級なら大型でいろいろ搭載できるのだが。
目標を陽炎級船体にした。吹雪級船体では小ぶりなので、300ポイントなら陽炎級にしようと。
「全艦。艦長だ。これより本艦は4回目の演習に入る。各人努力することを望む。我々がこの世界に生きるために。まだ始まったばかりだ。先は長い。決して諦めることなく進んでいこう」
「さて、演習開始だ」
「「「「はっ」」」」
演習は終わった。今回は5隻の撃沈である。6隻目をやろうとしたら、3隻に詰められてしまった。さすがに4対1では勝負にもならない。さっさと撤退した。
赤ブイ 2個
艦艇用ポーション弱 2個
人員用ポーション弱 8個
黄ブイ 2個 1個はぶつけた
高温高圧缶 1個 500度40気圧
零式水中聴音機 1個 ぶつけた結果
白ブイ 1個
中尉1名 二曹1名
上等水兵1名 二等水兵1名
ポイント 480+500=980 (580から修理の100を引いた)
追加人員 18名+4名=22名
5回目の演習だ。少したれてきている。仕方ないことだと思うが、艦長としては認めることは出来ない。しかし、飽きた。
今回は上手くいった。砲術がようやく電探射撃のコツが分かってきましたと。電探も慣れてきて読み取り精度が上がりましたと。撃てば当たるまではいかないが、初弾狭叉も2回有った。後で一杯出してやろう。
砲戦で有利に立ち回って、トドメに魚雷である。3隻はそれで沈めた。魚雷は打ち止めで後は砲撃戦だったな。
7隻沈めた。
今回で少し長めの休養を取ろうと思ったが、砲術がはしゃいでいる。電探も好調だ。水雷も張り切っている。長めの休養は6回目を終えてから取ろう。
赤ブイ 3個
艦艇用ポーション弱 2個
艦艇用ポーション中 1個
人員用ポーション弱 8個
黄ブイ 2個
一式三十三ミリ連装機銃 一基 給弾装置込み
九四式高射装置 一基
白ブイ 2個
大尉1名 少尉1名 曹長1名
一曹1名 上等水兵2名 二等水兵2名
ポイント 880+700=1580 修理で100引かれた残り
追加人員 22名+8名=30名
1500ポイント有るので何かと思っても、既に艦には一杯な事を忘れていた。この艦では6隻以上は苦しい。早く貯めて陽炎級船体が欲しい。
うれしいことに主計科下士官が来てくれた。兵2名を付けて宿舎の管理を任せよう。
軍医達衛生関係の者達と言っても4名しかいないが、医務科を作り独自に活動して貰う。専門性が高すぎて軍人さんにはよく分からん。まだ勉強には時間が掛かると言っている。いつまでか聞くと最低二ヶ月とかいった。歯科医大尉は素晴らしいといって、皆の口内衛生を良くするのだと言う。
さて6回目だ。さすがに終了後、休養を取ろう。
今回は参った。突入したらいきなり3隻とぶつかるという運の無さ。3隻はなんとか沈めたが、手持ちの艦艇用ポーション弱を2個も使った。人員用ポーション弱も4個使った。
その後はほぼ単艦を相手取り嘘のように順調に沈めていく。驚くことに8隻も沈めた。9隻目も行けるかと思ったが油の残量が少ないと機関長が言ってきた。ほぼ全速力だったし無理もない。砲術は弾が有りませんと言ってきた。各砲五発程度しか残っていないと。
素直に離脱した。やはりこの艦では10隻は無理か。
ヤップ島に帰りドック入りをする。開封室で先に開封するのを忘れない。
赤ブイ 2個と半分 半分は混戦の最中に回収困難と見てぶつけたため。
艦艇用ポーション弱 2個
艦艇用ポーション中 1個
人員用ポーション弱 4個
黄ブイ 2個
機銃用射撃指揮装置電探連動型 1個
三年式十二.七センチ連装砲A砲塔 1個
白ブイ 2個と半分 拾いに行く最中に砲戦となり、なんとしろブイに至近弾。
沈み始めたためぶつけた。
一曹1名 上等水兵2名 二等水兵3名
主計兵が2名来た。主計の曹に兵を付けようと思っているところにこれだ。都合が良いのは気のせいか。
艦艇用ポーション弱は地味だが多大な効果が有り、何本でも欲しい。今はブイが均等に出ているが偏ることもあるのだろうな。
追加人員は例によって食堂でもてなす。
今回もドック入りに100ポイントを使い
ポイント 1480+800=2280 陽炎級船体に手が届いた。
追加人員 30名+6名=36名 陽炎級ではまだ人が足らん。
今回は休養を長めに取る。艦自体は新装備の取り付けも無く修理のみなので1日で終わるが、艦内訓練も無しで、完全休養をさせる。幸い、宿舎や周辺には娯楽施設や海水浴場も整備されつつある。演習が終わると増えているようだ。あと、娯楽施設で射的は止めろ。兵隊だぞ。海軍とは言え数発は撃ったことがあるんだ。本気になってしまう。海水浴場もな~。水練と間違える奴らが出てくるし。海の家とか拡充しないと。でも、マッサージ屋は良かったな。謎の存在がマッサージというのは不気味だが、考えたら負けだ。
宿舎には大浴場が有ったが、離れた場所に温泉が出来た。ヤップ島に温泉。有る訳無いが、考えたら負けだ。
あと[演習10回記念で開館します]と言う建物は何だ?まあいいさ。これで兵達がやる気を起こしてくれれば儲けものだ。
3日間の休養の後、訓練航海を2日。そして休養を3日。疲れも抜けたかな。
7回目行くぞ。
7回目は上手く立ち回れたと思う。敵艦の出現もこちらに都合良く出てきてくれた。6隻撃沈時点で本艦は小破、ブイは全て拾えた。油もまだ半分以上残っている。魚雷ももう一射出来るし、砲弾も三分の一は残っている。快調だな。こういう時に落とし穴がある。気を引き締めなければ。
残りは4隻だが、違う方向からそれぞれ来た。各個撃破のチャンスだが、弾がそれだけ残っていない。1隻を沈めブイを回収後、離脱した。今までで一番上手く立ち回った回だ。
黄ブイで出た艦橋が、別世界の夕雲級というのが気になる。もしかしたら我々が生きていた日本の未来技術では無く、別世界の技術も混ざっているのか?
赤ブイ 2個
艦艇用ポーション弱 2個
人員用ポーション弱 8個
黄ブイ 3個
高温高圧缶 1個 500度40気圧
ボフォース四〇ミリ四連装機関砲 1個
夕雲級艦橋 1個 別世界の夕雲級
白ブイ 2個
中尉1名 少尉1名 曹長1名
上等水兵1名 一等水兵3名 二等水兵1名
ポイント 2180+700=2880
追加人員 36名+8名=44名 まだ足りない。
7回目もまだポイントが足らず、艦を強化することは止めた。
さあ8回目だ。
うん、まさか敵陣形の真ん中に出るとは思わなかった。あっという間に袋叩きにされて
『おお、死んでしまうとは情けない。そなたらに999回の機会を与えよう』
そこには爺がいた。周囲は白い空間だ。建物では無いな。他の乗組員もいる。
確実に前回沈んだ時と同じだ。体が動かせないし、声も出せないのも同じだ。何時爺に文句を言う機会が来るのだろう。
ポイントは入らない。艦が沈んだので復旧費用として300ポイントが取られた。自動で引かれている。前回は初回サービスで無しにしたのだと。
ポイント 2880-300=2580
追加人員 44名変わらず。
少し休むことにした。休養ではない。一週間の休暇だ。みんな何するのだと言っているが休んで貰う。
俺は本を読んだり釣りをしよう。増えた娯楽施設の中に図書館が有るし、各種店舗も出来ている。ポイントで交換だが、個人宛のポイントがつい先日出来た。もう1ヶ月たったのか。使えるポイントは最下級の二等水兵で月に2万ポイント。少尉で4万ポイント。少佐で6万ポイントだ。これらは食費とは別で食費は1食1000ポイント支給される。1回の食事は600から700なので酒を飲まなければ貯まる。酒を飲まなければな。ビール小ジョッキ1杯で100ポイント、大ジョッキなら300ポイント。それだけで無くなる。呑兵衛の個人ポイントが月末まで持つかどうか。持たなかったら笑ってやろう。
俺も釣り具をポイントで揃えた。信じられない品質と造りだ。40年後くらいの品質と造りだとなっている。何故こんな物を見せて使わせるのか。爺に聞くことがまた増えた。
さて休養十分で練習航海も済ませた。9回目だ。
「左舷、雷跡近い」
「取り舵一杯、急げ」
「雷跡、左舷至近通過します」
「助かったな」
「ハイ」
今度は突入したら日没頃だった。必然的に夜戦となる。夜戦は雷跡が見えんから、厳しいな。しかし、電探との協調が取れている我が艦は、電探未装備の敵に比べれば俄然有利だ。数の問題さえ無ければ。
電探で先に見つけ接近して一気に沈める。言うは優しい。まず主砲の門数が足りない。炸薬の威力は増したが、手数が少ないのだ。4門の主砲では限界がある。射程距離の問題も有る。旧式故か駆逐艦という船の限界か、離れると途端に当たらなくなる。離れても精々1万までだ。
また、魚雷は射程の関係で相手の反撃を喰らう距離まで詰める必要がある。なので、砲戦で痛めつけ魚雷で沈める、という手法を使ってみた。
単艦相手なら上手くいった。さすがに2隻となると上手くいかない。今も一発くらいそうになった。
9回目ともなると敵の性能がおよそ分かってくる。砲は単装4門。艦橋前に1門、艦橋後ろに1門、後部マスト前に1門、後部に1門。4インチ相当らしい。射程は最大で一万三千程度。仰角を取れないのだろうか。魚雷は五三センチくらいだと思うが、三連装一基。空気式魚雷で射程は最大で六千くらい。速力は35ノット程度で侮れない。運動性はあまり良くないようだ。総じて簡易な造りに見える。
夜戦で大事な見張り能力も良くないようだ。探照灯は有るが、今夜戦では見当違いの所を照射している事も有った。
敵は強力になっていくと言うが、このままでいて欲しいと思うのは贅沢だろうか。
ひとたまりも無くやられた前回の鬱憤を晴らせたのだろうか。最高の9隻撃沈となった。残りは逃がしてやった。残弾無しではな。
赤ブイ 3個
艦艇用ポーション弱 2個
艦艇用ポーション中 1個
人員用ポーション中 4個 中は瀕死の重傷でも
軽傷程度まで軽くなるようだ
黄ブイ 3個
高温高圧缶 1個 500度40気圧
機銃用射撃指揮装置電探連動型 1個
機銃射撃指揮装置用電探 1個
白ブイ 3個
大尉1名 中尉1名 少尉2名 曹長1名 二曹1名
上等水兵2名 一等水兵3名 二等水兵1名
ポイント 2480+900=3380
追加人員 44名+12名=56名
遂に3000ポイントを超えた。だが各種装備のポイントを考えるととても乗り換えることは出来ない。
修理の100ポイントが地味に効いている。ポーションを使おうかという声もあるが、蓄積しないといけない気がする。会議では蓄積を選んだ。
遂に区切りの10回目である。区切りなど示されていないが20回なら半分で区切りが有りそうに思う。爺ならやりそうだ。期待してみよう。なにしろ演習10回記念で開館というのが気になる。
皆も同じ考えなのか妙にそわそわしている。これは締めねばいかんが、一言垂れても同じだろう。まあ好きにさせるか。
10回目、天候、豪雨、うねり強し、波高推定三メートルから四メートル。海戦やる天気では無いな。
何だこれは。電探もよく見えないと報告が有る。見張り員落ちるなよ。命綱をしっかりな。オープントップの艦橋はキャンバスをかぶせてあるだけなので、俺もびしょ濡れだ。先任は海図命とばかりに操舵艦橋に降りやがった。代わりに水雷長を呼んだが。奴も水雷指揮所はここと似たようなもんだ。文句は無いだろう。無いよな?どうせこの天候では発射機会は無いだろう。
戦闘はいわゆる泥仕合になった。撃っても当たらない。砲術長も艦の動揺を見きって撃っているのだろうが、このうねりでは見切れないだろう。どうしても近寄っての殴り合いになる。艦の損傷が酷く4隻撃沈するまでに艦艇用ポーション弱を2個も使ってしまった。
最終的に5隻沈めたところで離脱した。ブイの回収は危険度が高かった。軽傷だが怪我人が出た。
赤ブイ 1個
艦艇用ポーション弱 2個
黄ブイ 2個
機銃指揮装置用電探 1個
ヘッジホッグ 1個
白ブイ 2個
少尉1名 曹長1名 三曹2名
一等水兵1名 二等水兵3名
ポイント 3280+500=3880
追加人員 56名+8名=64名
さて、お楽しみの記念開館だが、予想していた奴も多かったようだ。
たおやかな女性がお相手してくれる施設だ。兵用、下士官用、士官用と出入り口が別々なのが良い。女性には責任者として(決して一番乗りを決めた訳では無い。ゴムも持っていかなかったしな)面談したところ、やはり戦争の犠牲になった人たちだった。前線では無く後方で、空襲や船が沈められたりして死亡したようだ。驚いたことに女神と会っていろいろ言い含められたそうである。俺たちはあの爺というのに。
これは将来的に将兵とこの人達の結婚も視野に入れないといけないだろう。
誰か上級者が現れてくれんかな。俺と機関長と軍医が三人少佐で最上級者だ。この施設は軍医の管理下に置こう。
責任者として肩が重い。
俺の責任分担を減らすのだ。
次回 8月09日05:00