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濃灰の艦隊  作者: 銀河乞食分隊
序章
7/73

ドック 

 演習をこなしたことで使用可能になった物を見てみる。



挿絵(By みてみん)



 多いな。船体まで有るのか。しかしポイントが大きい。

 今回は宿舎で快適な環境に慣れてしまったし、艦内環境を整えるか。ポイントが600有るな。

 おい、機関長。勝手に進めるな。


「えーと、修理に40ポイント使うのか。そうすると残りから出せば良いな。90だったから50残りで今回の600と…650か」


 静かにできんのかな。


「「「「艦長。艦内環境を!!」」」」


 こいつらも同じか。


「良し。やるぞ」


「「「「はっ」」」」


「20ポイント3個で、真水製造機、ゴム安全靴、真水風呂」


「50ポイント1個で、艦内電話」


「50ポイント4個で、ディーゼル発電機、ターボ発電機、個室トイレ・ケツシャワー付き、快適ベッド」


「80ポイント2個で医療設備、医薬品」


「「「「締めて」」」」


 ノリが良いな。


「「「「470」」」」


「「「「180残った」」」」


 何やってるんだか。


「よし今回はそれで終わろう」


「「「「え?」」」」


「え?じゃないぞ。次回大物でポイントが足らないと困るぞ。徐々にポイントが必要になってきている」


「「「「そうでした」」」」


「修理分も有る」


「「「「はい」」」」


「ではこれで終わるぞ。機関長頼む」


「了解です。あ!そう言えばブイの分が」


「「「「そうだった」」」」


 俺も忘れていたな。


「赤ブイが1個、黄ブイが1個と半分、白ブイが1個と半分です」


「どこで開封するんだ」


「これによると、開封室が有ります。そこで開封するようです」


「そう言えば、先任。海図室の奴は」


「持ってきてあります」


「そうか。では開封室とやらに行くか」


「「「「はっ」」」」


 開封室はドック橫の工場内に有った。

 開封室の壁には[ここに箱を入れてください]となっている。で、入れた。


***********************************

 

 赤ブイ ポーション(傷薬)

     艦艇用ポーション弱 2個

     駆逐艦だと2個で大破が修理完了する。武装も元に戻る。

     中破なら1個で十分

       (人間用は1個で重症快癒)  

 

 黄ブイ 装備品

     1個 新型射撃方位盤

     半分 快適ベッド

     

 白ブイ 人員 1個4名から10名 階級・職ともランダム

     1個 軍医 歯科医 衛生兵 衛生兵   

     半分 水兵 水兵


***********************************


「なんだこれは」


 管理室と同じような表示装置があり、表示されたのがこれだ。


「む!艦長。快適ベッドが有ります」


「あ。しかしもうやってしまったな」


「そうですな。管理室に行ってやり直せないか試してみます」


「頼む」


 機関長は先任を連れて管理室に向かった。


「艦長。この軍医と歯科医に衛生兵二人は助かります」


 主計が言った。そうだな。主計科で衛生まで面倒見ているからな。研修を受けただけの素人だから助かったのは事実だが、どうやって乗せるんだ?もうギュウギュウだぞ。


「しかし、わからんのはこの艦艇用ポーション弱だな。弱と言うことは強もありそうだな。まあ、神のやることか。考えたら負けだな」


 機関長が帰ってきて


「ダメでした。先に開封室で開封する事とダメ出しされました」


「なんてこった」


「それと船体なのですが、装備が増えたので勝手に大きくなるようです」


「「「「はあ?」」」」


「よく分かりませんが、装備の分拡大すると[ドック管理システム 工廠ver1.3]が言っています。それとポイントを100消費すると」


 言っていますは変だが、他に言いようもない。考えるな。考えたら負けだ。


「仕方がないな。我々はこの装置がまるで分からないのだから」


「そうですな。そのうち経験を積めばある程度は」


 理解できるようになると良いな。


「それで完成はいつになる?」


「艦長。今回は明日を入れて3日掛かります。その間、乗艦は不可です」


「邪魔なのか」


「おそらくは」


「では明日・明後日の2日間は、休暇とする」


「「「「了解」」」」


 解散の前に新たに配備された人員を見なければいけない。

 どうやれば良いのだ?


「艦長。ここに押しボタンがあります」


 赤・黄・白の三色のボタンがある。


「機関長」


「また私ですか」


「一番慣れているだろ」


「艦長達も慣れていただきたい」


「「「「まあ、いずれは」」」」


「はあ、まあいいです。では押します。赤から行きましょう」


 と言って赤を押した。すると、缶が出てきた。2個だ。[艦艇用ポーション弱]となっている。

 次に黄色を押した。すると、壁の向こうからゴンゴン音が聞こえる。音がしなくなってから、黄色いランプが回転する扉が開いた。

 そこには、ベッド多数といかにも複雑そうな機械が置いてある。


「アレが新型射撃方位盤か」


「そのようですね」


 砲術が覗き込むが首をひねるばかりだ。どのみち今の船には装備できない。次の船だな。

 それではと言って白いボタンを押した。

 今度は白いランプが点滅する扉が開いた。入ってみる。

 いくつかの個室があった。ランプが付いているところが人間のいるところか。ノックをしてみると、返事があった。


「失礼するよ」


「あなた方は?ここは日本海軍の施設ですか。あなた達も日本海軍の軍人ですか」


「ああ、それについては複雑な事情があってね。聞きますか」


「聞きたい」


「では、あなたは自分が戦死した時の事を覚えていますか」


「戦・死…ですか」


「戦死です」


「戦死…戦死、ああ、あの時戦死したのか」


「分かりますか」


「サイパン島守備隊にいた。臨時野戦病院で手当てをしている時に直撃弾が有ったのかな。ものすごい爆風で飛ばされて、爆風の後土砂が…それからは覚えていない」


「我々は駆逐艦が敵の反撃で沈みました」


「戦死なのか?それにしては元気だし、足も付いているな」


「あなたは神を信じま~すか」


「艦長、真剣にやってください」


 先任に怒られたぞ。


「いやな、人のことを幽霊扱いしたのでつい」


「ついではありません。真面目にお願いします」


「では真面目に。本当に神によってこの世界で蘇らされた」


「蘇らされた?生き返りなのか」


「そうです」


「この世界?」


「残念ながら、我々が生きていた世界ではないということですよ」


「では!妻は子供は!」


 全員で顔を見合わせるが、我々だって答えは持っていない。せめて日本で無事にいてくれることを願うだけだ。

 問題は、神によって何かいじられたのだろう。全員取り乱さずに生活して軍務にも励んでいる。この人もそうだと思いたい。


「我々は神から戦死告知書が届いているだろうと言われました」


「私もそうなのか」


「恐らくは」


「帰れないのか」


「無理と言われました。この世界で生きていくしかないと」


「神は何の目的が有って」


「この世界を守れと」


「守れ?という事はまた戦争なのか」


「そうです」


「断れないのか」


「神によって何かされたようで、断るという気持ちが湧いてこないんです」


「そう言えば、私もそうだな。神の馬鹿野郎」


 よく分かるぞ。ここにいる全員そう思っているから。




 追加人員 6名


一式12.7センチ連装高角砲  (実在しません。架空兵器です)

12.7センチ砲が平射砲より一式12.7センチ高角砲になる。

半自動装填で毎分20発近い発射速度と、初速870mと言う高初速砲で最大射高1万4000m最大射程2万2000mと言う高性能ぶりだった。

高性能の代償として、八十九式連装高角砲改二の2倍以上の重量と3倍くらいのコストが掛かり搭載艦は少ない。

砲弾は従来の12.7センチ平射砲の物を使い、薬莢のみ装薬の変更と装填装置に合わせて形状を変えている。


新型射撃方位盤   (架空兵器です)      

従来の物よりも目標追従性が高く、高速で対向する場合にも追尾は容易。機械式だが電探との連動を最初から考えて設計されており、光学測距儀と電探の併用で精度は高い。対水上砲戦だけに対応しているので対空・対潜能力は無い。

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