表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
濃灰の艦隊  作者: 銀河乞食分隊
序章
3/73

演習 1回目

 先程神を名乗る爺が羅針儀と時計を修正していった。おかげで正確な位置を航海が割り出した。


「艦長。戦闘海面まで300海里です」


「21時間か」

「全艦、各部点検の後、直を通常に戻せ。20時間後に警戒配置」

「「了解」」


 だが、以前の船ならいざ知らず、新造とも言えるこの船のクセに慣れていないよなと思い、丸1日を訓練に費やし以前との感覚の違いを身につける。1日では不安だが油の問題も有る。おそらく演習中はほとんど全速に近い速力だろう。旧式な機関は全力運転の燃費が悪い。拠点に帰るだけの油を残していかなければいけない。


「先任、演習海面での問題は無いか」


「はい。イファリクアトール北東10海里に暗礁地帯が有ります」


「本艦のような吃水でも危ないか」


「イファリクアトール北東で通過できる場所が有るかも知れません。お勧めはしませんが」


「この海図だと載っていないぞ」


「以前第四艦隊で勤務していまして、その時に危険水面として覚えました」


「あの爺」


「不親切ですね」


「全くだ。海図の端っこを走ると暗礁に乗り上げる訳か」


「近づかない方が良いですね」


「うむ。近づく気は無いが、態となのかな」


「有りそうですね」


 信用されていない神だった。


「おまけにウリアイアトールは環礁か」


「近づかない方が良いです」


「そうだな」


暗礁を書き足して、各科の長を呼んだ。



挿絵(By みてみん)



 各科の長と相談結局の上、演習水面には北からの侵入となる。時間調整のため演習海面の外で一夜を明かす。


 突入時間は日没2時間以上前に戦闘終了となる10:00とした。夜間当直の仮眠時間も取らなければ全力が発揮できんので、07:00から3時間仮眠を取らせた。


 10:30か。10:20から警戒配置には就かせている。そろそろ戦闘配置に就かせてもいいだろう。その後、速力を上げて演習海面に突入する。良し、行ける。


「総員戦闘配置に就け」

 

 やがて各部から配置完了の答えが来た。


「艦長だ。何故今のようなことになったのかは、未だにわからない。ただこれだけは言える。我々は生きている。必ず生き延びよう。そしてあの神とか言う爺に文句を言う。では、総員奮闘せよ」


「機関増速、第三戦速」

「取り舵90、真方位180で定針」


 前を見ても区切りというか境界はわからない。一度出るそぶりを見せる必要があるか。

 すると何かふわりと言う感じがした。艦橋要員も皆不思議な顔をしている。これが入ったと言う事か。


「艦長だ。今何か感じた者も多いと思う。演習海面に入ったと判断する。警戒を厳に為せ」


「先任、こちらに寄ってくると言っていたな」


「一部違う動きをする艦も有ると言うことです」


「そうだったな」


「あの爺が言うには駆逐艦4隻以上と言う事だが」


「駆逐艦4隻以上としか言わなかったですね」


「大物はどうだろう」


「見てみませんと」


「心配してもしょうが無いか。大物からは逃げよう。幸い機関は絶好調だ」


「水雷が文句を言ってきそうですね」


「やり直しは効く。後で撃たせる」


 20分くらい直進した頃だ。


「3時、水平線に煙」

「煙だと」

「方位86、距離不明」

「面舵」


「全艦、接敵した。これより戦闘を開始する」


 船体は設計通りの性能を発揮しているのか切れが良い。30度変針した後ですぐに定針に入る。

 双眼鏡で見るが微かに煙が有るような気がしないでも無い。手持ちの双眼鏡と、艦橋据え付けの双眼鏡では見え方が違うしな。


「先任、あの爺の言葉を信じて良いならこちらに近づいてくるよな」

「そうですね。ああ、見えました。排煙ですね」


「8時、水平線に煙」

「何?」

「方位260度、距離不明」


「艦長、寄ってくるは信じても」

「そうだな。まあ近い方からやろう」

「前方の目標を甲、後方の目標を乙とする」


「甲、方位50、マスト見ゆ」

「進路このまま。右砲雷戦用意」

「甲との距離、1万8000」

「砲術、8000で撃ち方始め」

「8000で撃ち方始め。了解」

「艦長、水雷です」

「水雷は待て。相手が多い。ここぞという時に撃つ」

「発射機会を待ちます」


 そう言えば機銃員は砲戦には無用だし被弾で怪我されても困るな。夜戦でもないしな。


「機銃員は艦内退避、探照灯員もだ。被弾時には復旧作業を担当せよ」


 その後、2隻を沈め3隻目と4隻目を同時に相手したのだが記憶が無い。結構えらかったなと思うのだが……















評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ