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日常から非日常へ。  作者: 稲平 霜
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灰の世界

97話




骨だけになった。それでも意識があると言うことは僕はまだ生きているという証拠だろう。そうだ。ヤカナの力も使えるのか。僕はそう考えて目を先に再生させた。辺りは灰だらけになっていてそれ以外のものはない。

血が足りない。これ以上再生出来ない。僕がそう悟った時、誰かの足音が聞こえた。

「お前がレイドか?」銃を僕に向けて構えている人がそう聞いてきた。僕はその声の方に目を向ける。しかし、口がないので応えることは出来ない。

「仕方ないね。」もう1人の男がそう言い放ち、回復してきた。僕の顔だけ修復した男はもう一度口を開く。

「君はレイドかい?」冷徹な声を前にして僕は口を開く。

「そうだ。」僕は正直にそう言った。その瞬間僕は蹴飛ばされる。

「死刑だ。」銃を構えている人はそう言って銃を構えたままだ。

「その前に問おう。なぜここは灰しかなくて、なぜ君は人を殺したのか。」男はハンマーを構えて聞いてきた。

「教えよう。僕は17歳の頃村を出た。コセトマという農村だ。冒険者になるために僕は村を出た。最初に着いたのはクネゴボという農村だ。その村では盗賊が現れているらしかった。僕なら何とかできると思って宿屋で眠った頃だ。爆発音が聞こえて外に出ると多くの盗賊が暴れていた。僕は頭を殴られその場に倒れていたが、目を覚ますと既に村は助かっていた。王都からの騎士団が来てくれたお陰だ。その騎士団に村の人達と僕を含めて全て保護すると言われ、王都に言った。王都に着いて冒険者登録を済ませた頃だ。依頼を受けようとするとグランドという冒険者が突っかかってきた。僕は避ける事だけを考えていた。しかし、僕は死んだ。」

「死んだ?死んでいないだろ?」僕が話している時に横槍を入れてきたのは銃を持った人だ。僕は少し間隔を開けて話し出す。

「僕は死んだ。しかし、目を覚ますと僕は生きていて、グランドという冒険者は死んでいた。他の人が言うには僕がグランドを殺したように見えたそうだ。僕は依頼を受けるための場所から外に出ると騎士が待っていた。騎士は僕が人を殺したからと牢へ連れて行った。その場で俺が親しみを持っていた騎士の口から僕に屈辱感を与える言葉を投げかけてきた。僕はその夜泣いた。その後。僕は死刑で、民衆の前て首を斬られて死ぬはずだった。でも僕はしてなかった。僕の斬られたはずの首はくっついていて僕の首を斬った騎士が首を斬って倒れていた。僕はその時叫んだ。すると人はみんな逃げていく。僕はそこで殺人鬼にでもなったのかもしれない。」

「じゃあこの地域の灰は一体?」銃を構えて聞いてきた。

「魔王だ。魔王が僕らを殺した。僕は死ねなかった。仲間と死ぬことさえ僕は許されていないのか?あ、僕を殺さないでくれ。お前たちが死んでしまう。」僕は俯いてそう言った。

「いいだろう。今は見逃そう。しかし、罪が消えた訳じゃない。罪人にこれを言うのもあれだが、生きて魔王を倒してくれ。そして、死ね。」ハンマーを持った男はそう言って僕の身体を修復した。そして、去っていった。


僕は燃やされた仲間を見に行った。もちろん骨さえ残っていない。僕の身体は弱々しく細くなっていて、体さえも燃やしたのだとわかった。

「これからどうすればいい?仲間を失った。また...

。僕のせいで....。」僕はそう呟きながら膝をつく。

「もういいよ....。」僕がそう呟いた瞬間現実から引き剥がされる。


「ここは、灰に覆われている?」ぼくの言葉で灰で出来た塔が崩れ落ちる。塔が崩れて灰が辺りに風により砂埃の如く散る。僕はその風を受けて倒れる。顔に灰がかかっても目に灰が入っても物応じない。ここからどうすればいいのか分からない。雨のように絶え間なく降る灰を僕は眺めている。光が失われる。僕は視界を塞いだ。何も見えないこの場所でずっと眠ってしまいたい。僕はそんな事を考えて眠りについた。


ーーーー〜ーーーー〜ーーーー


「起きろ。」1人の少年の声が響く。

「ここは?」ラフノはそう言い放つ。その言葉に続いて他の2人。ハルとヤーズが起き上がる。

「ここは一体どこなんでしょう?」ヤーズはそう言って弓の破損がないか見る。ハルは怪我した部分を巻き戻している。そこで少年は話し出す。

「僕の名前はラナ。この世界の持ち主とでも言っておこうか。」ラナと名乗る少年はそう言ってラフノ達を見下す。

「俺たちをここに呼んで何がしたいんだ?」ラフノは躊躇なくそう聞いた。

「それはもちろん魔王を倒してもらうためだよ。」ラナはそう言ってラフノたちの周りを飛び回る。

「魔王には勝てない。あのレイドさえ無理だったろう。俺達は足でまといだったのかもしれない。」ラフノはそう言ってあからさまに俯いた。

「聞きたい事あったんだが、聞けなかった。」ハルはそう言って俯く。

「もしかしたらもう魔王を倒しているかもしれませんし、戻らせてもらってくれませんか?」ヤーズは笑いながらラナにそう言った。

「いや、あいつは死んでるよ。」ラナは淡々と言った。そのラナの言葉にラフノ、ハル、ヤーズは驚きの顔を隠せていなかった。

「聞かせてあげるよ。今のあいつの状況。」ラナはそう言って再びラフノ達を見下した。

どうでした?

面白かったのなら良かったです!

次回も読んでくれると嬉しいです!

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