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日常から非日常へ。  作者: 稲平 霜
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ドラゴンの生命力

93話




「.....あっ!」私はホエレルドンに振り落とされた衝撃に耐えれず声が溢れ出た。そして、私のすぐそばにホエレルドンが着地した。

「いやー!それにしても強いな!人間だからすぐ死ぬと思った!ははは!」ホエレルドンは愉快にそう言うが私はそうも言えないほど身体中にダメージが入っていた。そんな時ホエレルドンが私を心配してきた。

「あれ?やり過ぎたか?ちょっと痛いかもしれないけど、我慢我慢!はは!」ホエレルドンはそう言った。そして、次の瞬間私の身体に電撃が走った。その電撃によって私は意識を失うが、再度流された電撃によって私は意識を取り戻した。

「ゲホッ!はぁはぁ....。」私はまるで遠く彼方から走ってきたような息遣いになっていた。しかし、痛みはなくなっていた。

「どう?我の蘇生術!」ホエレルドンはそう言って満面の笑みを浮かべた。

「せめて説明して欲しかったです....。」私は力なくそう言った。


「本当に何をすればいいのだろうか。俺もヤーズと戦えばいいのか?」ソリドスはそう言って腕を動かしていた。

「どうだろうな!でも折角だし戦ってみたら?ヤーズが死にかけたら我が治せるし!」ソリドスの言葉にホエレルドンは同調する。そして、二体の人型のドラゴンは私を見やる。

「え、もしかして、今から戦うつもりですか....?」私は怯えながらもそう聞くと二体のドラゴンは同時に頷き、言葉を放つ。

「「もちろん」」二体のドラゴンのその言葉は私を死へと誘っている気がした。


「さて!ソリドス準備はいい?」ホエレルドンが私とソリドスに挟まれるような立ち位置で口を開いた。

「もちろんだ。」ソリドスはそう言って人型の身体の背中からドラゴンの羽を生やしていた。

「さぁ!ヤーズ準備はいい?」ホエレルドンはそう言って私を伺う。

「もちろんです!」私は決意を露わにして力強く言い放った。

次の瞬間辺りは紅蓮に染まり、私の全身から汗が吹き出る。

「やっぱり強いですね。ソリドス。」私はソリドスの力に惚れ惚れしながらもそう言い放った。

「そうだろう。俺は手加減しない。負けないぞ。」ソリドスはそう言って私を完膚なきまでに倒すという宣言をしてきた。

「確かに強いです。次は私の番です!」私はそう言って先程と同じように魔力を私を中央で爆裂させ、散った魔力の欠片をさらに爆発させ、ソリドスへと爆発が及ぶ。しかし、ソリドスはその一瞬でドラゴンの姿になり、私の連鎖する魔力を一口で食べた。

「そのまま返すぞ。」ソリドスはそう言って口を大きく開け、高熱の炎が真っ直ぐに私に向かってくる。高熱の炎は進むごとに小さな爆発音を発し、当たれば大きな爆発を生みだされる事など予想できる事だった。私がその場から動こうとすると足が動かなかった。

「これは....。これは予想できてなかったです!」ヤーズの靴は熱で溶け、地面に張り付いていた。次の瞬間私の顔から順に皮膚が溶け、弾けていく。それでも私は諦めず、最後の魔力をソリドスへと素早い一撃を与えた。もちろんソリドスにはダメージが入っていない様子だった。



その時、とある記憶が私の脳を駆け巡る。


「ねぇねぇ....。もしも私が死んだら...。ヤーズ。あなたが私の事を....。ずっと......。紡いでいて....。」誰かの声は聞き覚えのないようであるようなもので、しかし、私の忘れている記憶の気がした。

「うん。わかったよ。」私の冷たい声が響き、先程の声の持ち主が笑い、口を開く。

「ありがと....。ヤーズ...。」そう言って私の目の前でどこかで聞いた事のある声の持ち主は事切れた。



「んん...。」私は声を小さく出しながら起きた。

「お!起きたみたいだな!....って、なんで泣いてるの?」ホエレルドンは挨拶した後にそう聞いてきた。私は自分の頬に触れると水滴が付いた。

「なんで涙を流してるんでしょう?」私はそう言って涙を拭った。

「あ、そうだ!今ちょうどソリドスにやり過ぎって説教してた所なんだ!良ければソリドスの事、一緒に責めない?」ホエレルドンは満面の笑みでそう言い放った。ホエレルドンの目の前には反省して座っているのはソリドスだった。

「やっぱり、自分の居場所はヤーズの中だからしっかりしてもらおうと思ってな...。」ソリドスは反省しながらも自分の考えていた事を言い放った。

「それでも死ぬかもしれない所までやるのはやり過ぎだと思うな!」ホエレルドンはそう言って腕を組む。

「まぁでも、お陰で魔力の調整も精密にできるようになったから別にいいですよ?」私はソリドスを庇うように言った。

「ヤーズ。お前本当にいい人間だな。」ソリドスはそう言って私に視線を送ってくる。私はソリドスの送ってくる視線を逸らした。

「どうしましょう。」

「どうしようか。」

「どうする。」私、ホエレルドン、ソリドスの順番で言葉を放つ。3人は途方に暮れ、恐らくもう3時間は優に経ったと実感した。

「あ、そうだ!我の力も貸す!その方がソリドスもいるし退屈しないしな!」ホエレルドンはそう言って笑う。

「そういえば、ホエレルドンは骨だけしか残ってなかったのにどうしてここにいれるのでしょう?」私がそう聞くとホエレルドンは笑う。

「そんなの簡単だな!骨が光ってなかったか?その光は我の意識だ!だからヤーズの心に入れたんだ!」ホエレルドンはそう私の納得出来ることを言った。

「ドラゴンは実は生命力が高いからな。骨になっても生きれるドラゴンはいる。ま、それも長く生きたドラゴンが多いがな。」ソリドスは手をヒラヒラさせながら言い放った。

その次の瞬間、光が瞬く。

「これは....!」私だけに包まれる光でわかった。

「現実に戻れるんだな?」ソリドスは安心した顔で言った。私は小さく頷いて、上を見上げた。

どうでした?

面白かったのなら良かったです!

次回も読んでくれると嬉しいです!

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