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日常から非日常へ。  作者: 稲平 霜
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何をすればいい?

92話




ソリドスの視界を共有し、私はソリドスの見ているものを見ている。


「ここに来るのは何年ぶりだ?」ソリドスが何も無いところでホエレルドンの骨を地面に突き刺して、対面するように話す。

「もう話せるとは思っていない。だが、勝手に話させてもらうぞ。」ソリドスはそう言って話を続ける。

「俺がお前と会ったのは今から49年程前か?あの時はまだ俺も未熟だった。お前は俺の良き友であり良きライバルのような立ち位置で、俺はここにいる間、実に有意義な時間を過ごしたと思っていたぞ。お前がどう思っていたか知らんがな。」ソリドスはそう言って下に俯く。

「このような感情は感情豊かな人間だけだけが持つものだと思ったが、一概にそうとは言えないらしいな。 俺はお前が死んだ所を見たことがない。今思えばあの商人が殺せるわけもない。ただ、お前が死ぬことは俺には想像出来なかった。短い時間だが、別れの挨拶を言わせて貰ったぞ。」ソリドスは短い言葉を最後に付け加えて言い放った。


「悪かった。もういい。」ソリドスは私に言い放つ。

「心の中とはいえ私を1度燃やし溶かしましたね!?」私は激怒してソリドスに言う。

「それは本当に悪かったと思っている。」ソリドスはそう言うが、私は怒りが冷めやらなかった。


「もう!久々に腹たちました!」私は1人でそう言ってホエレルドンの骨に触れた。その瞬間私の身体全身に雷撃が走る。

「こ.....れはぁっ.....ぁあっ!」私は身体を走る雷撃に耐えきれず、声が溢れ出た。そのまま私は意識が途絶えた。



「また、お前と話せるとは....。」ソリドスの驚きの声。

「はっはっは!我も驚きだ!ところでここは?」もうひとつ聞きなれない声が聞こえた。

「あぁ、ここは...。ん?あいつの心の中みたいだ。」ソリドスはそう言って私を指さしてきた。

「あのー。誰ですか?」私は多少躊躇しながらもそう聞いた。

「あー。君がここの心の持ち主かな!?我の名前はホエレルドンだ!ソリドスとは親密な中でもう昔から仲良くさせてもらって!いやー。あの時は楽しかったな!あ、ところで君は?あ、君の名前の事だよ?」ホエレルドンは饒舌にそう聞いてきた。

「あ、私の名前はヤーズですよ。」私は顔が引きつきながらもそう言った。

「ところでどうして我を呼び覚ませたんだろう?生身の人間が我の骨に触っても何も無かったのに、どうして君だけが我を呼び覚ませたのだろう?」ホエレルドンはそう疑問を話していた。

「分からないが、恐らく俺が適応出来た身体だからだろう。」ソリドスは顎に手をつけて言った。

「確かにそれなら言えるかもしれないな!ははは!今はそれ位しか言えなさそうだしな!」ホエレルドンはそう言って笑う。

「で、一体ここで私に何をしろと?」私は真顔でそう言った。



これはとある本の物語。

『昔々ある所に男の子2人が木の下にいました。2人の男の子はそれぞれ特徴があり、1人は口数が少なく、口数とは打って変わって気性の荒い男の子。1人は口数が多く、人をよく騙して自分の良い方向にいくように喋る男の子でした。2人の男の子は木の下で毎日会って楽しく話していました。しかし、その幸せは長く続かず、口数の多い男の子は死んでしまいました。原因は木から降っている胞子のようなものでした。口数の多い男の子はよく喋り、息を多く吸っていたので死んでしまったのです。しかし、口数の少ない男の子はなぜ口数の多い男の子が死んだのか分からなかったのです。口数の少ない男の子は嘆きに嘆いてもう1人の男の子の事を忘れることにしました。』この物語はあまり世には出回らず、廃れた作品というレッテルを貼られていた。だからこの物語の題名は誰にも知られていない。



「どうしようか?」ホエレルドンは困惑の声を放つ。

「確かにずっとこのままだと私は身体の状態を保てず死んじゃいますし....。」私はそう言って本気で悩み出す。

「あ、そうだ!君さ、我と戦ってみてよ!」ホエレルドンは私に向かってそう言った。

「え、いいですけど、殺さないでくださいよ...?」私は念を押して同意した。


「じゃあ、お願いします!」私はそう言って弓を構えた。

「ははは!行くよ!」ホエレルドンはそう言って移動を開始した。ホエレルドンの移動は予想通り早く、その速さは雷撃の如くの素早さだった。私はその速さに対応し切れないとそう思われたが、私は既に光の矢を放っていた。そう。素早さを生かした戦いだろうと予想出来ていたのだ。しかし、私の放った矢は虚しく消え去った。

「そんな弱い魔力だと、我に吸収されるだけ!」ホエレルドンはそう言って私の矢を身体に吸い込んだ。

「一筋縄じゃいきませんよね!だから、対策しておきました!」私はそう言ってニヤけた。私がそう言った次の瞬間ホエレルドンの左腕が破裂した。

「お...!意外とすごいな!」ホエレルドンはそう言って笑う。

「魔力を一部に留めるようにして、魔力のキャパオーバーで破裂させたか。」そう解説したのはソリドスだ。

「解説ご苦労さまです!」私はそう言って高く飛び上がり、矢を地面に向けて放った。私の放った魔力矢は光を放ちながら落ちていく。そして、地面に矢が着いた瞬間、周りを爆破させた。

「うん!もう終わらせようか!」ホエレルドンはそう言って私の攻撃をものともせず、私の足を掴んで下に振り落とした。

どうでした?

面白かったのなら良かったです!

次回も読んでくれると嬉しいです!

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