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日常から非日常へ。  作者: 稲平 霜
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世界の正義

88話




私はヤーズ。今私はレイドの生まれであると言われるコセトマという村に来ている。村なのに何故ここに船が止められるのか考えると、恐らくこの村が1番近い陸地だったのだろうと自分で解釈し納得する。そこに罵声が聞こえた。

「おいおい!なんだこの貧相な村はよ!」そう言って1人の男はテント前で座っている青年に肩を組んだ。

「やめてくれませんか....?」青年はビクビクしながらも発言していた。しかし、男は組んだ肩を離すことはなく口を開く。

「なんか言ったか?首折られたいのか?」男はそう言って肩を組んでいた腕が青年の首辺りに移動する。

「ほら、ここ。少しでも力を加えればすぐに死ねるぞ?」男はそう言って怯える青年の首を何度も絞める真似をする。そして次の瞬間男は躊躇なく青年の首を折った。青年の首はあらぬ方に曲がっていて男に投げ飛ばされた。それと同時に巻き起こる悲鳴。逃げ惑う住居人。私は耐えきれずその場に身を乗り出す。

「やめませんか?そういうの!」私は単に正義感で動いていた。

「あ?」男の目つきは私を威嚇しているようだった。それと同時に私は弓を構えていた。弓を構えるとどうしても身体の体温が上がり、痛みが伴う。焦げるような痛さは私の心を蝕むようだった。今ソリドスに身体を預ければ熱さは消えるかもしれない。でも、今それをしたら私の身体は壊れてしまう。だから弓を構えるので私は精一杯だった。

「いやいや、俺はただ遊んでるだけだって。」男はそう言って笑う。私がムッとして言葉を放とうとすると横から衝撃が走った。

「今のはさすがに見過ごせないよ。」ルルハはそう言ってルルハの身長を越す長さのハンマーを地面に叩き付けていた。その横に銃を構えるメアルがいた。

「そうそう。おれたちの前で人を殺すならそれなりの罰を受けてもらうよ!」メアルがそう言い放った瞬間銃声が轟く。気づくと男の肩は破裂し、腕が地面に落ちていた。

「はぁぁぁああ?これ!なんだよ!お前ら!」男は血を流しながらも威嚇することをやめない。

「僕達は世界の犯罪者を1人残らず排除する者。」

「おれ達の前で殺人を犯したのなら尚更見過ごす訳にはいかない。お前を」

「あなたを」

「「処罰する!」」

「何言ってやが....ッ!」男がそう発言している途中にルルハが一瞬で男の真上に移動し、ハンマーを素早く地面に叩きつけた。男は案の定ハンマーの餌食にされ、潰れて死んだ。

ハンマーのヘッドが自分の上半身位の大きさなのにも関わらず軽々しくハンマーを振り回す姿は化け物だと思った。

辺りは静寂に包まれていて住居人が私たちを見ていた。しかし、私たちが住居人を見ると住居人は目をそらす。確かに急に現れたから怖いだろうけどそこまでかな。

「じゃあここから王都に向かうぞ!」そう言ったのはメアルだった。メアルの笑顔はまるで今の処刑が無かったようになっていて、私含め住居人は困惑していた。

「あれ?行かないの?ほら、行こうよ。」ルルハのその問いかけが今の私には恐怖でしかなかった。


「そういえばその弓何かの骨みたいだけどなんの骨なんだ?」メアルはそう言って私の背負っている弓を指さした。

「これはドラゴンの骨ですね。この弓はもう何年も使っていて愛着持っているので新しい弓を買ってもこれを手放せなくて。」私は笑顔でそういった。

「かけがえのないものになってるわけなんだね。」隣からルルハが言葉を放つ。ルルハの持っていたハンマーは異空間収納を使っているらしく、すぐに使いそうも無いものはほとんど異空間収納に入れているらしい。


「ルルハさん。どうやってあんなに早く動けるんですか?」私は唐突にそう聞いた。それは疑問に思っただけの質問だった。

「あぁ、これはね。僕の能力さ。戦闘や採集などを繰り返すうちに僕には経験値が溜まっていくんだ。その経験値は僕の身体能力に全振りしていて、しかも、経験値は何度もやり直せるんだ。例えば筋力を上げたかったのに素早さを上げてしまったり、するとやり直して筋力に付け直すことが出来る。だから僕は移動の瞬間に素早さのみを上げ、攻撃する時に筋力のみを上げ直す。攻撃を喰らいそうになれば防御をあげる。ここまで精密にするまで3年位はかかったね。」

「逆に3年で済んで良かっただろ!」ルルハが笑いながら話していると横からメアルが会話に入ってきた。

「まぁそうかもね。」ルルハはそう言って笑っていた。

「あ、そうだ。折角だしおれの話も聞いてくれよ。俺のこの銃。小さいだろ?だからこそ警戒されにくい。しかもこの銃は持ち主の思った通りに銃弾を放出させることが出来る。と言っても銃弾は持ち主の魔力を組んで作られたものなんだ。だから、持ち主の魔力が尽きるまでこの銃弾が切れることは無い。」ドヤ顔して話すメアルに私は納得の声しか上げなかった。

どうでした?

面白かったのなら良かったです!

次回も読んでくれると嬉しいです!

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