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日常から非日常へ。  作者: 稲平 霜
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自らの戦力外通告

84話




巨大モンスターは俺が構えたのを笑い出す。

「おれが本気だと思っているのか?」俺はその言葉に危機感を感じる。なぜならさらにモンスターの身体が大きくなるならこの町は交戦する以前に崩壊するだろう。俺はそう考え木剣を手放した。なぜ手放したか。それは手放しても回避行動は取れるし、落とした木剣を拾ってからでも攻撃できるからだ。

「はっはっはっは!バカが!おれの勝ちだああ!」モンスターはそう言って拳を振り下ろしてくる。俺は当たり前のように避け、速さに任せた攻撃をする。するとモンスターはよろける。そりゃそうだ。光の速さに耐えれる生き物はあまりいないからだ。今の俺は全てを照らす希望の光だと、そう言い聞かせた。

「さ、話し合いしている間にお前の周りの子分はいなくなったみたいだな。」俺に続きヴァイルがモンスターの血だらけになった右腕を振ってから口を開く。

「後はお前だけか!」ヴァイルはいつもの調子を取り戻していて元気よくそう言った。俺とヴァイルの声を聞き、巨大モンスターが口を開く。

「お前らは追い詰められてるのを知らないのか?」巨大モンスターがそう言った瞬間巨大モンスターの身体は小さく萎む。次の瞬間俺達の周りに大量のモンスターが出現した。その殆どがカエルのようなモンスターで巨大モンスターと似ている気がした。

「驚いたか?おれの名前はフログン。この世界の支配者だ。」フログンと名乗る元巨大モンスターはそう言って再び身体を膨らませた。

「どうすればいい!ラフ!」ヴァイルはそう言って俺の背後に移動する。

「恐らくこのまま全てと相手しても体力が消耗するだけだ。だから魔力量の余裕ある俺が周りのモンスターを全て殺す。だから、頼んだぞ。あのフログンというモンスターはヴァイル、お前に任せた。」俺が背中越しに言うとヴァイルは小さく頷き。

「任された!」ヴァイルはそう言って地面に多数の木剣を出現させ、俺はその木剣を2本地面から抜き、光を宿す。

「光炎の双剣!」俺はそう言って木剣に宿した光をヴァイルに当たらないように飛ばした。その時点でモンスターの半分が削れるはずだったか、読みが外れた。モンスターは数体しか倒れておらず、ニタニタと笑っていた。


「ラフに任されたんだ!だから、負けない!」ヴァイルはそう言って地面を蹴る。ヴァイルの身体は宙に浮き、フログンの顔面を執念の力で潰した。一撃で大ダメージを与え、気絶はさせたかと思うと次の瞬間霧のような物が顔面のあらゆる所から噴き出し、フログンから噴きでた霧が地面についた瞬間大量のモンスターが現れ、フログンの顔が元通りとなった。

「今のオレには、勝てない。」ヴァイルは露骨に自信を無くし、希望を無くした。なぜなら攻撃すればするほどモンスターが現れ、 さらにそのモンスター一体一体がの装甲が硬く、破れずダメージを与えられない。それはラフノを見ていれば分かる。ラフノが倒せないモンスターなんてオレには倒せない。そう決めつけているだけにも関わらず、オレは動くことをやめない。死にたくないからだと思う。

「クソ....ッ!」ヴァイルはそう叫んで避ける事しかしていなかった。


ゴッ!鈍い音が俺を襲う。

「よそ見してないで戦えってことか?」俺はそう木剣を2本構えて言い放った。ヴァイルは避けることしか出来なくなっている。モンスターを出させないためだろう。しかも、物理攻撃は効かないとみた。でも、俺の読みだと、ヴァイルの攻撃なら一撃で終わるはずだったんだがな....。いや、これはもう言うしかないな。出し惜しみなんてしている状況じゃない。

「ヴァイル!お前の持つ力は執念だ!その目の前のモンスターを倒す事だけ考えろ!一撃で倒せると!そう思い込んでみろ...!」俺がそう叫ぶとヴァイルにモンスターの攻撃が当たる。ヴァイルの頭から血が垂れる。俺は見ていられなくて目をそらす。そして、もう一度言葉を放つ。

「頼んだ!」


ラフノの言葉でオレは我に帰る。

「なら、やってやるよ。不可能かもしれないけどそれでも!頼まれたぞ!」オレはそう言い放った。

「おいおい。負け惜しみかなにかか?ん??」フログンはそう言って顔を近づけてくる。オレは躊躇なく、まず、一撃を与える。フログンの顔は凹むのではなく、抉れた。フログンは顔を修復するが、霧のようなものは噴出しなかった。

「ふざけるなよ!がきがァァァァ!」フログンの怒る声が町全体に響く。空気が緊張に包まれ、周りのモンスターも数体倒れた。その点に関してなら、オレたちが倒れないのは凄いことだと思う。


フログンが叫んだ瞬間。俺は動いた。もう一度光の斬撃を全体に放った。すると、モンスターの大群はまるで砂人形のように崩れていった。

「やっぱりか。」俺はニヤリと笑い続けて呟く。

「フログンは自分の身体能力を移動できるんだ。だから今、フログンの本体に力が集まっている。身体を修復するために必要なことだからだ。待てよ?じゃあ、今、フログンは石よりも硬い装甲で、この場にいたモンスターよりも攻撃力が高くなっていることか...?」俺はそう気づいた瞬間ヴァイルに下がるように言おうとした。しかし、一歩遅く、俺の目の前でヴァイルは潰された。

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