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日常から非日常へ。  作者: 稲平 霜
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ヴァイルの力の目覚め

82話




救わないと。助けないと。早く早く。助けて。救ってくれよ。

声が聞こえる。これは他でもないヴァイルだと知らされる。俺は思い出したんだ。ヴァイルが死ぬ原因と死ぬ場所を。それはモンスターの大群が攻めてくることが原因だ。町の人はほとんど外に出て助かるが、ヴァイルは呪いで外に出られないから追い詰められて死んだんだ。モンスターの襲撃が終わり、逃げきれた人々は町に戻ってきて何とか町の活気を立て直した。その後、死者の埋葬が行われた。俺はその時辛くて泣いていたっけ?そして、その翌朝俺は冒険者として旅を始めたんだ。



「これでどうだ!」ヴァイルの力の入った声が弾ける。俺は呆気なく躱し、ヴァイルに木剣の柄で攻撃を与える。

「またまだだな。」俺は嘲笑しヴァイルを見下す。

「何を...!」ヴァイルは俺の挑発を受け、さらなる攻撃を仕掛けてくる。俺は余裕に躱せると軽く身体を動かすと、俺は攻撃をモロに喰らった。

「グァッ!」俺は地面を擦りながら飛んでいく。そして、すぐヴァイルを見ると勝ち誇った顔だった。

「ほれ見ろ!余裕ぶってるからだぜ?」ヴァイルはそう言って木剣を肩に担ぐ。

「誇らしげだがまだ1回だぞ。」俺はそう言って木剣で叩かれた部分を押さえながら起き上がった。

「この1回が大事なんだぞ!」ヴァイルはそう言って木剣を振る。

「まぁいいや。じゃあ、俺も少し本気になるぞ?」俺はムキになってそう言った。

「あぁ!いいぜ?今のオレは負ける気がしないからな!」ヴァイルはそう言って張り切っているようだ。俺はそのヴァイルの背後に光魔法で瞬間移動し、そのままヴァイルの腰に木剣を当てた。

「参った?」俺はヴァイルの腰に木剣を当ててそう言った。

「参った....。」ヴァイルは木剣を手放しそう言った。


「というか、お前強すぎる。どうやってそこまでできるんだよ。」ヴァイルは持ってきていたサンドウィッチを頬張って聞いてくる。正直に言っても信じてくれないだろうけど、面白い反応しそうだから本当の事を言ってみるか。

「今、俺がここにいるのはタイムスリップみたいなもので、この後死んでしまうお前を助けるためにここに来た。つまり、俺が強いのは経験が積まれているからだ。」俺がそう言うとヴァイルは目を瞑る。

「オレは死ぬのか。それを阻止するためにラフがここに戻ってきたということなんだな。」ヴァイルは思った以上に信じやすく、俺の言ったこと全て信じ、納得していた。


まずい。なんか、やばい事をしてしまった気がする。大丈夫か?俺は不安になりながらも考える。そういえばここは俺の心の中だったな。じゃあ、大丈夫か。

俺は自分で納得して話を続ける事にした。


「その通りだ。俺はお前を強くして生き残らせようと考えている。」俺は淡々と言い放った。それにヴァイルはやる気を出したようで木剣を構えた。

「じゃあこんなことしてる場合じゃないな!さぁオレを鍛えてくれ!」ヴァイルは元気よくそう言った。

「わかった。」俺はそう言って再度ヴァイルの強化を始めた。


夕暮れになった頃にはヴァイルに続き、俺も倒れていた。

「ほら、やれば出来るじゃねぇか。オレ。」ヴァイルはそう言って目を瞑る。

「1日もなかったのにこんなにもできるようになるのは凄いぜ。」俺はそう言って地面を見る。地面は抉れ、砂埃が立っていた。そう。これがヴァイルの力なんだ。ヴァイルの力は執念。執念が強ければ強いほど成長が早くなり、筋力も上がる。

実際、ナアラとの戦いの時、魔法を扱うやつに互角に戦っていた。いずれ剣を無数に出現させる事もヴァイルにできるようになるのだろうか。

「じゃあな。」俺はそう言って家に帰る。


今日は凄かった。そこで辻褄が合った事がある。俺がタンコの小屋から出て少し経った後、ヴァイルがアンデットとして現れた時「オレもあらから頑張った。」という言葉だ。実際にはもう少し違う言葉だろうが、細かいことは覚えていない。その頑張った結果、ヴァイルは力に目覚めたのかもしれないな。だとしたら今日、力に目覚めたのは良い傾向だった。俺は関心しながらうなづいていると横から声がした。

「ラフ...。なんで1人でうなづいて誇らしげなんだ?」父の声だ。

「別に....?」俺はニヤけながらもそう言った。父にはキモがられていたが別にいい。俺は明日の事について考えるのに忙しい。



ほらオレもやればできるだろ?このままもっと強くなってやる。明日が楽しみだぜ。いつもよりベッドがふかふかに感じる。疲れているからかは分からないけど、今は嬉しくて嬉しくて仕方がなかった。

どうでしたか?

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次回も読んでくれると嬉しいです!

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