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日常から非日常へ。  作者: 稲平 霜
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不幸という名の怪物

76話




「結局私はどこに行ってもダメでした....。全て崩れ落ちる。」使用人は下を向いて言った。使用人の言葉には辛さの色を感じ、本音だとわかった。続けて使用人は口を開く。

「少し昔話をします...。私はとある一般的な農村で生まれ育ちました。その村の名前はコセトマ。1か月前、レイドという犯罪者の話を聞かせましたね?その犯罪者の生まれ育った故郷でもあります。私はレイドという名前を聞いた事がなかったので私より歳下なのは分かっていました。私がいた所は全て不幸になります。そうは思いたくありませんでした。今も私は不幸に見舞われています。私は昔村で探険をしていました。しかし、私が村だと思っていた所は既に森の中で空は暗くなっていました。そこで私は泣き崩れました。辺りからモンスターが近寄って来ているのも分かってしまっていて、そんな時私の元に来たのは父でした。父の背中は大きく逞しかったのですが、私のある行動で不幸にしてしまいます。それは既にこの世を去った母への贈り物として小さな花を摘んだ時です。私は目の前にいるモンスターに気付かず摘んだ花を握りしめていました。モンスターは容赦なく私に襲いかかってきました。しかし、私には痛みはなく、水がかかるような感覚に見舞われたことです。目を開けると父の腕が噛みちぎられていて膝を着いていました。私は父の残っている腕を掴み帰ろうと言いましたが、父は私の腕を振り払って言いました。村へ走れと。私は涙を流しながら走りました。指を指された方向へと。無事私は村に辿り着きましたが、私は親戚の家に住まわせてくれるようになりました。しかし、その1週間後その家は火事になりました。私が魔法を学んでいたからです。私はその後、家から追い出されました。火事の事が村中に周り、やがて私は外で過ごす事が多くなりました。外で過ごす事は私にとって、とても都合がよかったのです。それは何故か、外に入れば火事なんて起こらないし、誰にも迷惑をかけないから。私は村にいるようで居ない状況が2年続き、私は11歳になった時です。村の家全てに侵入し、食料と護身用のナイフを持って村を出ました。しばらく歩くとようやくもうひとつの農村クネゴボ。を見つけました。その農村は私を歓迎してくれていて、停滞していた私の心は揺れ動きました。そのまま私は村の一員になっていきました。しかし、その1ヶ月後、私はまた不幸を呼び寄せてしまいました。村は急激に作物が育たなくなりました。私が耕したからです。そのまま月日は流れいつの間にか私はこの城の使用人として生きていました。私が仕えたからここが焼け落ちるのです。私がいたから....。」段々と卑屈になりながら話す使用人に私は声をかける。

「そんなに卑屈になるな...。私はあなたといれてとても楽しかったぞ。」私がそう言うと使用人は涙を流した。

「わかったような口で同情するな!」使用人は涙を流しながら叫んだ。そこには使用人の本性が現れた気がした。続けて使用人は口を開く。

「どうせ、このまま不幸が続いて嫌な気持ちに不幸にさせる位なら、私は悪魔に魂を売って私を産んだこの世界に復讐してやる....!私がこの下らない世界を.....!」使用人がそう叫んでいる時に私は横槍を入れた。

「やめろよ!私はこの世界が憎いとかそういうのは知らない!でも、それでも私は私を待ってくれている。期待してくれている人に幻滅なんかもう、させられない!もし、悪魔に魂を売るなら私があなたを殺す...。」私は敵意を剥き出しにして使用人を睨んだ。使用人はクスクス笑う。

「もう、おしまい。私は既に悪魔に魂を売っているのだから。」使用人はそう言いながら服を全て脱ぎ捨てた。使用人の身体中の皮膚には黒い斑点が出来ていて、胸には黒い斑点の集合体が円のように広がっている。段々黒に侵略される使用人の身体はやがて真っ黒になってしまった。そして、私の目の前に現れたのは虫のような羽に、真っ黒になった身体に装甲がつき、目は6つになり真っ赤に染まっていた。

「私はもう。戻れない。全てを壊して、私も死ぬ。」使用人の形を残していない身体は執念に突き動かされているようだった。

「じゃあここで止めるまでだ...。」私はそう言って刀を構えた。使用人は口角を上げ笑っている。

次の瞬間、町中に蔓延っていたハエが使用人の周りに集まる。

「私は全てを殺す。壊す。」使用人はただそう言ってずっと、多くのハエと共に私を見つめる。

「私は苦しみなんて知りたくない。痛い事は嫌だし、したくもない。でも、あなたを止めなければならない。」私は使命のように発言した。本来ならここで私は逃げるべきだ。それでも今はここで仕留めなければならない。そう思った。私は刀に黒を纏わせ、目を大きく開いた。

どうでしたか?

面白かったのなら良かったです!

次回も読んでくれると嬉しいです!

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