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日常から非日常へ。  作者: 稲平 霜
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1人の足跡

65話




あれから1ヶ月が経った。僕は不意に故郷の事を思い出す。その事に僕は嫌気がさした。そこにヤカナノの声が聞こえた。

「もう一度試すの?」

「ああ。もう一度。この海を超えるために。」僕はそう言って鬼神の力を解放して、海へと飛んだ。そして、僕を逃がさないために黒い手が現れる。僕はニヤリと笑い、黒い手を破壊した。

「行ける...!」僕がそう言った瞬間、黒い手が1つではなく、いつも以上の多さの黒い手が僕を襲いだした。僕は握られる前に鬼神の黒い稲妻で全てを破壊する。しかし、手は次々と現れ、一瞬後ろを見ると既に島の近くになっていた。僕は諦めて力を解除する。それと同時に無慈悲に手は僕を握りつぶし、投げ飛ばされた。

「やっぱり無理だったか。」僕はそう言って土を舐めていた。

「なんか、少しごつくなってない?」ヤカナは僕を覗き込み、話してきた。

「そうかもしれないな。冒険者っぽくなったかな?ようやく。」

「でも、この大陸からは逃れられない...と。残念でした。また1ヶ月修行でもやってく?」ヤカナはそう言って寝転がっている僕の頭の横辺りに腰を着く。

「ま、頑張るかな。」僕はそう言って立ち上がる。

「そろそろ、今日の食料のお出ましだしな。」僕はそう言ってヤカナの目の前に手を差し伸べる。

「じゃあ、ちゃちゃっと終わらせよ。」ヤカナはそう言って僕の手を掴んで立ち上がる。


そして、地響きが起こる。それを感じ取った僕達は笑って、同時に空を飛んだ。

「喰らえ!」僕はそう叫ぶと同時に黒い稲妻を雨のように降らせた。すると、無数とも思われる群れは全て黒い煙を出しながら倒れていく。

「どう!?」ヤカナは僕に続いてそう言い放った。それと同時に全部の群れの頭上に真っ赤な玉が現れる。そして、赤い玉から下へ真っ赤な針が生きている群れ全てに串刺しになる。群れは血を失うように倒れていった。

「やっぱり強いな。」僕がそう言って地上に降り立つと、既に群れの1匹づつを吊るして集めていた。

「さすが...。」僕がそう言って見ているとヤカナは僕を見て。

「手伝ってくれないと、ご飯抜き。」そう言った。ヤカナのその言葉に僕は圧を感じ、すぐに群れの回収を始めた。


ヤカナの狩った獲物は全て血抜きされていて、すぐにでも焼いて食べれそうだった。その点、僕の狩った獲物は全て焼けていて、今すぐ食べなければいけないような状態だった。

「ちょうど昼位だし、食べましょ。」ヤカナはそう言って僕の狩ったモンスターを切り刻んで串に刺して食べやすくしてくれていた。僕はその串を持って口に頬張った。


「そろそろ、味が飽きてきたな。」僕が食べ終わったあとにそう言うとヤカナは群れの肉を干してから言葉を放つ。

「じゃあ、塩でも取りに行く?」ヤカナは僕の前に立って言った。

「どんなやつだ?」僕がそう聞くと、ヤカナはニヤリと笑い。

「付いてきて。」そう堂々と言った。そのヤカナの顔を見て、僕も釣られて笑い、歩くヤカナに付いて行った。


「ここよ。」ヤカナはそう言って坂になっている部分に足をかけた。ヤカナがいた場所に中心が窪んでいる所に白い岩があった。

「これが、塩?」僕がそう聞きながら白い岩に触ろうとした。

「待って!貴重だから少ししか持っていっちゃダメ。」ヤカナはそう言って真っ赤なナイフを手元に生成して白い岩を少しかけさせて、布に包んだ。

「よし、じゃあ、帰ろう。」ヤカナはそう言って僕の肩を掴んでヤカナの前を歩かされた。なんか妙な感覚だ。


拠点に戻ると吊るしていた肉が幾つかなくなっていた。

「動物にでも取られた?」ヤカナはそう言って地面を確認する。そして、ヤカナは続けて口を開く。

「これは人の足跡?」そう言ったヤカナの視線の先には人の足跡が島の外へ向かうように続いていた。

「誰か他に人がいると考えていいかもしれない。」僕はそう言って足跡のある方角へ歩くことにした。ヤカナは僕の後を追って来ているようだった。


僕らは岩の隙間から足跡の主をみる。この島にも少なからず海岸があるようで、足跡の主はその岸に島を背にするように立っていた。

「あそこで何してると思う?」ヤカナは僕の背に手を添えて言った。

「多分抜け出そうとしてるんだろう。」僕はヤカナの言葉に返答した。足跡の主は生の肉を食べていた。僕らの狩った肉だろう。そう、観察していると足跡の主は唐突にこちらを向く。

「誰だ?」そう言って足跡の主は近づいてきた。

どうでした?

面白かったら良かったです!

次回も読んでくれると嬉しいです!

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