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日常から非日常へ。  作者: 稲平 霜
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海底裁判所

61話




私は自然と涙が溢れた。ドラゴンが人間が嫌いになっている理由。私の使っていたドラゴンの骨の弓は少年を守るために自分を犠牲にしたこと。しかし、腑に落ちない点が1つ。なぜそこまで人間を憎み、破壊を推進するドラゴンになってしまったのか。私はその事だけが気になった。そこに少女が声をかけてくる。

「自分のした事は見えましたか...?」私はその少女の問に疑問を抱く。なぜなら、私が見たのはドラゴンの記憶だったのだから。私は首を横に振り。

「ドラゴンの記憶しかなかったよ。もう一回触れます。」私は涙を拭ってから言った。そして、私はもう一度宝石に触れた。


それからはさっきの残虐な光景が流れるだけだった。


「もう終わりだよ...。じゃあ、今からあなたの心の中の存在に火を灯すね....。」少女はそう言って私の 胸の上辺りに手を添える。突如として体が全身熱くなる。 私は、まるで火に抱かれるように視界を失った。



ここは私の心の中。そう認識出来たのは自分が落ち着くと思ったからだ。そして、私の視線を向けた先にはもう1人の私がいた。

「あなたは私じゃないですよね?」私がもう1人の自分に言った。すると、もう1人の私はクスッと笑って口を開く。

「私は私ですよ?」もう1人の私はそう言って微笑む。しかし、次の瞬間もう1人の私は紅蓮に包み込まれ、後、出てきたのは皮膚が硬く、羽が生えた人型のドラゴンのような私が出てきた。そして、もう1人の私は炎を手に宿しながら口を開く。

「これは俺の体になった。お前は必要ない。」もう1人の私の発言で、今話している相手が自分では無いことに確信を得る。

「どうすれば私はここにいてもいいですか?」私は淡々と聞いた。すると、もう1人の私は目を大きく開けて。

「だから、お前は必要ないって言ってるだろ?」そう発言された瞬間。私は自ずと体が痺れる感覚が私を襲う。

「そう。じゃあ、私が自殺行為をすれば、あなたは消滅する事なんですね?」私はそう言って首元に手を添える。それを見たもう1人の私は止めに入ってきた。

「殺らせない。」もう1人の私がそう言って、私の腕を潰す勢いで掴んできた。そして、次の瞬間真っ赤に染まった鎖が私を縛る。

「これは...!?」私が驚いた顔と声でもう1人の私がニヤけて口を開く。

「お前は俺の依り代として!ここに縛られ囚われ続ければいい!」もう1人の私はそう叫ぶ。私はその言葉に一言言い返す。

「私は負けない。」私は手足を縛られたままそう言ってもう1人の私を見る。私はそれから暗闇に堕ちた。



「大丈夫....?」少女はそう言って顔を見てくる。

「うるせえ。消えろ。」俺はそう言って少女の顔前に掌をもっていき、炎を放出した。少女の顔は焼失し、体はその場に倒れた。俺はその死骸を蹴飛ばし、飛び立とうとする。すると、誰かの声が聞こえた。

「悪しきドラゴンに鉄槌を下しましょう....。」その声は海底王国の第一位女王であるアクアルが宙に浮いていた。よく観察すると周りにも何人か海底人がいた。そして、その周りに浮いている海底人が何人か話し出す。

「海底神殿の第三位神官。サルドラド。ワシがお主を葬ってやりたいところだがのう?アクアルが聞かんものでな。わしは海底神に祈る事しか出来んが、ただの老いぼれとは思うでないぞ?」サルドラドと名乗る老人は片目を大きく開けて言った。その後に女王アクアルを挟み、話す海底人が2人いた。

「うるさいよ。じーさん。」

「ダメだよそんな言葉遣い。ごめんねおじーちゃん。」

「ちょっと黙ってくれる?」

「そんな事より、自己紹介しないと。」

「ふん。私の名前はシー。海面の守護者第四位責任者よ。」

「どうもこんにちは。僕の名前はサイド。同じく海面の守護者第四位責任者の補佐です。」シーと名乗る少女はキツく。サイドと名乗る少年はやんわりと言った。

「では、今から悪しきドラゴンに鉄槌を下します。」女王アクアルは再度そう言って両手を上に掲げる。続けて女王アクアルは言葉を放つ。

「海底の裁判。」女王アクアルがそう言うと同時に周りに水の人形が大量に座る。眼前には女王アクアル。他にサルドラドとシー、サイドが座る。


カァン....!

木槌の音が開廷の合図を知らせた。

「これより、悪しきドラゴンが負うべき罪を定めようと思います。まず。貴方の名前を教えてください。」女王アクアルの言葉に逆らえないようになっており、俺は勝手に動く口を止めることが出来なかった。

「名前はソリドス。」俺は勝手に動く口を塞ぐ。そこに女王アクアルは間髪入れずに話し出す。

「なぜここにいるか分かりますか?」そう聞いてきた女王アクアルに対し、俺はきつい言葉で返そうとすると、また口が思うように動かない。そして、また勝手に話し出した。

「わからない。」俺が勝手に動く口がそう言うと、女王アクアルは難しい顔をして。

「本当に分からないのですね?」そう言って俺を見てくる。俺は無意識に頷く。

「ここは、事実を突きつけてしまうしか、ないであろう?」サルドラドはそう言って俺を睨む。女王アクアルはため息をついて。

「いいでしょう。貴方のした事を全てお話しましょう。」女王アクアルはそう言って両手を横に広げた。

どうでした?

面白かったのならよかったです!

次回も読んでくれると嬉しいです!

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