表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
日常から非日常へ。  作者: 稲平 霜
60/288

乗っ取り

59話




「お前を乗っ取り、全力を出す事。それこそが私の生きる意義だ。」ドラゴンはそう言って飛び上がる。風が私を包み込む。熱い。皮膚が溶けそうで火傷が既に出来ている。

「ここで何とか勝たないと!」私はドラゴンの骨の弓をドラゴンに構えた。


勝負は一瞬で終わった。私の撃った矢はドラゴンの皮膚に弾かれ、私はドラゴンの口から放たれる火のブレスによって、燃え尽きた。




「目を覚ましましたか?」女王アクアルはそう言ってこちらを向く。

「ああ。」俺は素っ気なく返し、続けて話す。

「そうだ。今日からここは海底火山になるからよろしくな。」俺はそう言って立ち上がった。

「何を言っておられるのですか?」女王アクアルがそう言ってきた時には遅い。その場の水は全て蒸発し、俺の皮膚は元の皮膚より硬くなっている。

「これが本来の俺の力だ!」俺はそう言って垂直に飛び上がる。そして、口の前に赤と黒の炎を溜め海面に向かって放出した。すると、海面は広範囲を蒸発させ、一瞬海底王国を丸見えにさせた。

「さすが俺の骨をずっと使ってきた体だ。使いやすい!元の自分の体の様だ!」俺はそう言って違う場所に飛び出す。

「見ていろ人間ども。俺が...?あ.....。」俺は急に不安定になる体に疑問を覚える。ダメだ。そう思った瞬間に俺の体は地面に落ちた。




目を覚ますとそこは海底王国ではなかった。そして、私の周りは大きな焦げ後が地面に出来ていた。そして、私の腕も同じように焦げていた。ただ、指の関節までしっかり動くような状態だった。立ち上がると同時に物音がした。

「ドラゴンが起きたぞ!逃げろ!」麦わら帽子を被った男はそう言ってクワと共に走り去って行く。

「ドラゴン?」私は男の口から飛びでた言葉に疑問を抱いて復唱し、男が走り去った方向に足を進めた。


村に着くと村人はザワザワしたあと男の声がする。

「みんな隠れろ!ここは俺が!」先程の男がクワを持って私に向ける。

「私なにかしましたか?」私は疑問をそのままぶつける。しかし、男は警戒心を解かず、さらに警戒心を激化させる。

「ふざけるな!さっき笑いながらこの辺りを燃やしたじゃないか!」男はそう言って先程の焦げた地面を指さす。そして、続けて話す。

「村に火が来なかっただけマシだ!」男の怒号に私は惚けた顔で突っ立っているだけ。私がその場に一定時間立ち尽くしていると、男が顔を歪めて私の胸をクワで抉るように刺していた。痛いという感情では無い。痛くないのだ。そして、男はクワを私から抜く。しかし、私には外傷が全くない。クワが刺された私の胸からクワの溶けた金属部分が地面に垂れ落ちた。その金属はしばらくして蒸発する。

「なに?これ。」私は驚愕の声をか細く放つ。体が熱く、植物に触れればたちまち燃える。認めたくはない。そこで私は近くの川に走る。しかし、川の水は私のいる周辺で蒸発する。これを意味する事は、私は生きれるのかそれすら分からないということ。この意味不明な力をコントロールできるようにならなければ、私は食事もできず、飲み物も飲めず、栄養が足りなくなって死んでしまう。どうすればいいか分からない時。声が聞こえた。

「こっち....」そのか細くも可愛らしい声に向かって私は歩みだした。背景には村の人々の罵声。しかし、不思議と村の人の声は聞こえない。


歩きに歩いて着いた場所は洞穴だった。私がその洞穴に入ると足の着いた場所から洞穴が奥に向かって光る。

「ここは一体どんな所なんでしょう。」私はそう呟きながら壁を伝って歩いていく。


洞穴の最奥にはひとつのベッドがあり、そのベッドは少し膨らんでいた。そのことから、誰かが眠っていると推測される。私は恐る恐るベッドに触れる。するとベッドの中から笑い声が聞こえた。

「ふひ...っ!」その声が聞こえた後、掛け布団が勢いよく 跳ね除けられる。掛け布団がはだけたそこには私よりも年の離れているであろう少女がいた。

「君が私を呼んだの?」私がそう聞くと少女はベッドから降り、両手を腰に当てて。

「そうなの....。ワタシがあなたを呼んだの....。」格好は溌剌そうなのに声は垢抜けた声でのんびりと話していた。

「えっと、君はなんで私を呼んだの?」私は疑問をそのままぶつけた。すると、少女は一瞬困った顔をして。

「ワタシがあなたを呼んだのは、そうするように言われたから...。まずは、あなたのしてきた事を今から言うね....。」少女は元気のない声をだして、頭を傾げた。私の知らない事が多い。その事を教えてくれると言うのなら私はこの場所で少女の話を聞こうと思った。

「じゃあ、この宝石に触れて...。」少女はそう言って宙に浮いている宝石を私の前に移動させた。

「わかった。」私はそう言って恐る恐る宝石に触れた。

どうでした?

面白かったのなら良かったです!

次回も読んでくれると嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ