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日常から非日常へ。  作者: 稲平 霜
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光り輝く自分

56話




俺は剣先をボルソに向け、走り出す。俺の足が着いていた地点は勢いにより土が抉れる。そして、あっと言う間に俺はボルソの眼前に移動し、剣を勢いよく振り上げる。俺の振った剣は風を斬り、地面までも斬っていた。しかし、ボルソは俺の目の前にはいなかった。

「どこに!?って大体背後だよな!」俺はそう言って剣を背後に振る。

「残念だが、お前に我は倒せんよ。どうだ?一撃与えてくれても構わんぞ?」ボルソは俺の背後から言った。

「.......ッ!」俺は歯ぎしりをして剣に光を宿す。光を溜めながら俺は話す。

「ご希望通り....。斬ってやる!」俺はそう言い放ち、次の瞬間辺りが光に包まれる。光の斬撃は地平線の彼方へ消え失せる。

「それが今放てる最大の力か?」ボルソは斬れた等身を溜めていた力で繋ぎ止めながら言い放った。ボルソの言葉には重みがあり、そして、怒りも含まれている気がした。俺はボルソの言葉に打ちのめされた。傷を与えられたとしても、ダメージが入らなければ意味の無いことだからだ。

「教えてくれよ。お前を倒す方法を...。」俺は膝を地に着けて言った。しかし、ボルソは無慈悲に俺の頭を蹴り飛ばした。力なく俺は遠くに飛ばされる。

「弱い者は醜い。惨めだ。我を倒したいのなら力を付けろ。雑魚。」ボルソはそう言って宙に浮かせた土を全て解除し、俺は土と同時に力なく落ちる。下に待ち受けているヴァイル。俺を軽蔑した目で見下げるボルソ。そして、遠目に見える人影はナアラだと分かる。でも今はどうでもいい。そんな感情が全てを投げ出してしまいたいという感情は、俺を更に貶める。

「もう、どうでもいいや....。」俺はそう口を動かす。視界の上端に少し見える髪が何時もより光っている気がする。太陽の光に反射している訳では無い。髪が輝いている。目が熱い。視界が光に包まれる。何も見えない。剣が手から離れる。口に金属が触れる。喉に金属が当たる。後頭部から金属が突き抜けているのが分かる。冷たくて痛い。なのに、力が溢れる。

「全部....。全部...。全部、無くなってしまえばいい。俺の光によって。」俺は錆びた剣を咥えてなお言い放った。突如世界は光に包まれる。アンデッドが消失していく。視界は見えないが分かる。

「ざまあみろ。」俺はそう言って口に咥えた金属を抜く。血が吹き出す。どうでもいい。


やがて視界が晴れる。俺が見ているのはボルソとナアラ、そして、ヴァイルが俺の前に突っ立っていた。

「どうして...!」ナアラは身を乗り出して言った。

「.....。」無言のボルソは俺が生きている事に驚いている様子だった。

「次こそお前に勝つ!勝ってやる!」ヴァイルは拳を構えて言った。俺はどうでもいいという感情をナアラ達にぶつける。

「黙れよ。俺は勝てない。そんな事分かりきっている。でも、負けやしない。」俺の力強い言葉はナアラ達を一瞬怯ませる。俺への攻撃。錆びた剣で貫かれた傷は全て光の糸で修復されていた。俺は地面に落ちている自分の愛剣を持ち、構える。自然と宿る光は俺の眼光を強める。服はボロボロになり、全身が光る。何が起きているか整理出来ない。それでも俺は体を動かした。

「じゃ、手始めに...。」俺はそう呟いて砂埃を立てず一瞬でナアラの前に移動する。俺の剣がナアラの首筋に当たる時ヴァイルとボルソが俺の剣を止めていた。

「お前の相手はオレだ。」

「さっきよりいい戦いが出来そうだな。」錆び付いた剣と地面から岩が突き出して、俺の剣を止めていた。

「もうどうでもいいだろ?」俺はそう呟いて剣をその場から振る。俺の振った剣はヴァイルの腕を切り落とした。

「.......ッ!ぁぁぁぁぁぁあ!あ?痛くねぇ...?」ヴァイルは1度騒いだ後疑問を抱く。アンデッドだから痛みなんかないはずなのに。そんな事を考えていると目の前から火の玉が飛んでくる。

「お前の相手は我だ。」ボルソはそう言って天に無数の火の玉、水の玉、風の玉を用意していた。そして、その無数の玉は俺の頭上に落ちてくる。俺は全ての攻撃を瞬時に見極める。しかし、捌ききれないそう考えた俺は地面に剣を突き刺し、剣先に光を宿す。全身の光が剣に集まり、放出。光は地面から爆発の様に吹き出し、全てを壊そうとする。

「いい....。いいじゃあないか...。そうでなくてはな!我と互角に戦えるやつがまだいただけでも嬉しいぞ!」ボルソはそう言って先程の攻撃の比にならないほどの無数の火球を天に集める。

「ちょっと!守ってよ!」ナアラはボルソの背後からそう言い放った。ボルソはナアラを睨み。

「今、我はアンデッドだからお前を殺さないが、アンデッドでなければすぐにでも捻り潰す。この戦いが終われば一瞬で終わらすから待て。」そう言ってボルソは俺に向き直った。

「さぁ、やろうではないか。」ボルソは片眉を上げてそう言った。

どうでしたか?

面白かったなら良かっです!

次回もまた読んでくれると嬉しいです!

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