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日常から非日常へ。  作者: 稲平 霜
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アンデッドの大群

55話




 今の俺の状況はよくわからないことになっていた。それは、ベッドでナアラと添い寝状態になっていることだ。ベッドが一つしかないということで、このような状況に陥ってしまった。それにしてもナアラの寝息が俺の首筋にかかる。ナアラの体がくっついてくるので少し寝にくい。そんな時でも俺は疲れへの欲求が強く、眠りについた。


 翌朝。目を覚ますとベッドには俺だけが寝込んでいる状態だった。

「どこ行ったんだ?ナアラは。」俺がそんな事を呟きながら起き上がると、その目の前にはパンの入ったかごを持っていた。

「あ、起きた?これ、パンを買ってきたよ!」ナアラはそう言って俺の近くに寄り、パンを渡してきた。

「これでお別れなんだね。また会えると...。」ナアラが話しているときに俺が横槍を入れる。

「待て待て。気が早いぞ。」俺がそう言うとナアラは慌てて。

「ご、ごめんね。朝早くに出ていくと思ってたから...。」ナアラはそう言ってパンの入った籠を激しく揺らしていた。さて、食べるか。俺はパンを頬張って飲み込んだ。久しぶりかと思われた食事は俺の食欲を満たしてくれたように感じた。


「じゃあな。また会えたらいいな。」俺はナアラにそう言い放つ。するとナアラは微笑んで。

「うん!じゃあね!」そう言ってナアラは俺の背に向かって手を振っていた。それはそれを横目で見て、家から去って行った。


家を去ってそのしばらく経ったあたりで俺は違和感を感じる。背後にヴァイルがいる。そう、感じとれたのはヴァイルだけではない。俺の周りには何時しか、アンデッドが多く蔓延っていた。ところで俺はどこに向かおうとしている?そんな疑問は首を振って有耶無耶にする。

「今はこの辺りにいるアンデッドの群れを排除することだけを考えろ。このままだと近くの町にも影響でそうだしな。」俺はボソボソと呟きながら剣を抜いた。そして、その直後全方位からアンデッドがとてつもない勢いで突進してきた。元々アンデッドの多くは動作が遅いはずだ。つまりこの素早さで分かることは何者かに操られている可能性が、高いということだ。俺は一瞬にして考察。そして、光の帯びた剣を全方位に斬り放った。円状に広がる光の斬撃は半分以上のアンデッドを斬り倒した。

「もう一度撃てば、終わるだろう...。」俺はそう言いながら力を溜める。しかし、俺の気づく速度よりも早く視界が歪み、気付いた時には宙に舞っていた。

「は?」俺は意図せず口から声が零れた。そして、その真下にはヴァイルが錆び付いた剣を天に向け、ニタニタ笑っている。俺が落ちてくるのを待っているようだ。というか、なぜこんなに滞空出来ているんだ?俺がそう疑問に思った瞬間。真横にいる存在に気づく。

「我は死に、そして蘇った。生きている時よりは魔力も減少したが、我には関係の無いこと。」傲慢な態度の男は葉っぱの茎を持って、クルクルさせながら話していた。

「誰だ?」俺が男にそう聞くと男は葉っぱを燃やし、塵にした後口を開く。

「我の名は、“ ボルソ・ライトス”。この世の全ての魔法を極めし者。そして、お前の命を握っている者でもある。」ボルソと名乗る男はそう言って、手のひらの上に自然の力を溜める。俺はその力を最後まで溜める前に手を打った。剣をボルソの喉元に当てた。そして、さらに突き刺し、掻っ斬った。すると、ボルソは口から血泡を吹き出し、藻掻く。しかし、ボルソは儚く散った。

「なんてな....。我は自然が世界に有る限り、何度でも甦る。」ボルソはそう言って俺の背後に浮いていた。続いてボルソは話す。

「どちらにしろ、お前が我を殺したとしてもお前は死に去る。だからと言って、我を殺さなければお前は死ぬ。さぁ、どうするつもりだ?」ボルソはそう言ってまた大胆に両手を大きく広げる。ボルソは自然がある限り生き続けると言った。なら何故、死に蘇ったのか。そんな疑問を抱きながら俺は剣に光を宿す。緊張と理解に脳が追いつかず自然と汗が滴り落ちる。汗の落ちる先はヴァイルだ。汗の落ちた音が聞こえない事でいつ死んでもおかしくない事を告げる。

「なぁ、お前は俺に合わせる気はないか?」俺はそう言って剣に宿していた光を振り払い、納める。続けて俺は話す。

「お前は強くて俺じゃ到底勝てない。さらに俺は宙に浮いた状態。これだと俺が不利だ。まともな戦いが出来ない。それとも、負けるのが....殺されるのが...怖いのか?」俺は攻撃される事を覚悟して片眉を上げて言った。すると、ボルソは1度目を閉じ、言葉放つ。

「いいだろう。地に足が着いたとて我に不利になる事はないだろうからな。」ボルソは傲慢にそう言った。そして、ボルソは地面の1部分を浮かす。そして、その地面は俺とボルソの間合いが十分に取れる位の大きさだった。そして、俺は地に足が着く。そこにボルソの声が聞こえる。

「さぁ、命をかけて戦おうではないか。」ボルソほそう言って手のひらに自然の力を溜めだした。

どうでしたか?

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