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日常から非日常へ。  作者: 稲平 霜
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ナアラという少女

54話




無意識に聞こえる声は俺を嘲笑っていた。無意識に俺は目を開いていた。視界には見慣れない少女とヴァイルがいた。代わり映えのない景色は一瞬にして代わり、俺のいる場所は屋根のある家だった。そこに少女の声が聞こえた。

「大丈夫?獣道で倒れてたけど...。」少女はそう言って俺の手に触れる。そんな少女の言葉あり、俺は気になることがあった。それはヴァイルが横にいるという事だ。どう考えてもおかしい、屋根のある家なのに、さっき倒したばかりなのに、なぜここにいるのだろうか。俺はそんな疑問を脳内で考えながら体を起こした。俺が身体を起こすと同時に、少女は俺の背中に手を添えた。

「なあ、どうしてお前がここにいるんだ?」俺はヴァイルに向けて、そう言った。すると返答はヴァイルではなく、少女が答えた。

「ヴァイル?誰ですか、それは?ここには、あなたと私しかいませんよ?」少女はそう言って背筋を伸ばす。少女の、その言葉に俺は困惑する。

「えっ、だってそこにいるじゃないか。」俺がそう言うと少女は両手を抱き寄せて。

「何を言っているんですか?怖いこと言わないでくださいよ。」そう言った。俺は幻覚なんだろうと、そう思いヴァイルの存在を無視した。


「所でここは?」俺がそう聞くと少女はムッとして。

「そんなことよりも、まずは自己紹介です!まず、あなたこそ誰ですか?」少女は元気にそう言った。俺はその言葉に困惑してすぐさま言葉を放つ。

「俺の名前はラフノ。...旅の者だ。」俺はそう言って自己紹介をした。それと、少女の、続けて、自己紹介をする。

「私の名前はナアラ。旅の先々でいろんな人を治療している者です。よろしくお願いしますね。」少女は丁寧に自己紹介をした。続けて少女が話す。

「そして、ここは“ ユスルト”という町です。ここは私の別荘です。」少女はそう言った。


「そうだ、せっかくだからこの町を案内しますよ!」少女は手を叩いて、そう言った。俺は少女のその言葉に誘われて町へいざなわれた。家を出るとまず先に見かけたのは魔方陣だ。水の入った革袋に魔法陣が張り巡らされている。なんだろうと、そう思って聞こうとすると、少女が先に答えた。

「あれは特殊な魔力が含まれた魔法陣で、あのー、革袋の中に水を入れると、永久に水が出てくるというものです。画期的ですよね!」少女は張り切ってそう言った。俺は少女の張り切った姿を見て気が楽になった。

「あっ、あれ、あれがこの街の一番の目玉ですよ!」少女はそう言って指さす。少女が指した方向を見ると、そこには空中に浮く農園があった。農園の下には当たり前のように影が出来ていたが、町の人はみんな気にはなっていないようだ。農園の側面、下には全て魔法陣が貼ってあり、風の魔法でも噴出しているのだろうか?そう疑問に思った。それから、町を次々見ていくね、すべて魔法陣で張り巡らされているものが多かった。しかし、その反面1部貧困に悩まされているようなところもあった。しかし、その部分は、ナアラは紹介してくれなかった。


「いやー、疲れましたねー!」ナアラはそう言って一緒に腰をつけた。そして、ナアラは、続けざまに話す。

「ところで、その腰につけた剣は何のための剣ですか?」ナアラは疑問に思ったのか、俺の剣について聞いてきた。俺は腰にかけていた剣を手に持ち、言葉を放つ。

「これはモンスターはわかる時に使うのが大体だな。」俺がそういうとナアラは口を縦に広げて頷いた。そして、ナアラは目を輝かせながら口を開いた。

「どんなモンスターを今まで倒してきたんですか!?」ナアラはグイグイと俺の方に近付きながら聞いてきた。俺はナアラの体を押しのけて。

「今まで一番すごかったのは、オーガ族のモンスターだな。牙は口から出ていて、おでこからは角が2本生えていた。力も強く、到底かなわないと思っていたな。」俺はそう言ってナアラの要望通りモンスターのことを話した。そうでも俺の話を聞きながら目を輝かせていた。続けて俺は話す。

「こんな話聞いて楽しいのか?」俺がそう聞くとナアラは大きく頷いて。

「はい!」にこやかに笑った。


「今日は悪かったな。じゃあ、ここらでおいとまさせてもらうよ。」俺がナアラにそう言うと、ナアラは俺の腕を掴み言った。

「もう一晩泊まっていったらいいですよ?」そう言うナアラの顔を見ると、目をキラキラさせていた。俺は少しため息をついて、その場に腰を下ろした。

「わかった。あと一晩だけだぞ。」俺がそう言うとナアラは嬉しそうな顔をして。

「もう一晩よろしくね!」そう言って満面の笑みを浮かべた。

どうでしたか?

面白く読めたのなら良かったです!

次回もぜひ読んでください!

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