剣術修行資格
どうぞ!楽しんでください!
46話
「えっと、なんでまだいるの?」私は少し苦笑いしながらエールトに言った。するとエーリトはベッドでくつろいで本を読みながら。
「いやー、お嬢様の時は怖くて出来なかったんですよねー!1度やって見たかったんですよ!お嬢様のベッドでくつろぐの!エールトはそう言って足をプラプラする。私は少し呆れたような顔をして。
「くつろいでもいいですけど、洗濯大丈夫なんですか?」そう丁寧語で答えた。するとエールトがベッドから起き上がり。
「そうだった...。怒られる前にやっておかなきゃ!お邪魔しました!」そう言いながらドアから去って行った。
「そう言えば何の本読んでたんだろ。」私はエールトが置いていった本を開いた。
「ドラゴンの巣?ドラゴンもおとぎ話のモンスターだけど、何でこんな本を読んでるんだろう。」私はそう呟きながらページをめくる。
『ドラゴンは何時も洞窟の洞穴に住んでいる事が多い。ドラゴンは冷徹で無慈悲だ。他の生き物を見ると巨大な足で潰し、食らう。ドラゴンは自分の領域に入らない者には特に何もしないが、気が立っている時は近くの森や町は全て焼き尽くされるらしい。ドラゴンに近づいたらまずは岩陰などに身を隠しましょう。』序盤の書き方はまるで本当にドラゴンがいるみたいな書き方だった。
「なんでこんな本を?冒険者でもめざしてるのかな?」私はそう呟いて本を机に置いた。にしても暇だな。何もすることがない。そういえば剣の訓練してくれる筈なのにまだ声がかからない。早く強くなりたいのにな。そんな事を思っているとドアがノックされる。少し経って声がする。
「失礼します。」現れたのはエールトだった。
「いやぁ!忘れてた!本は...と。ん?読んだのか?」エールトはそう言って本を手に取る。
「はい。読みましたよ。序盤のみ。」私がそう言うとエールトは目を輝かせて。
「いやー!ドラゴンってかっこいいよな!この本を読んでると本当にドラゴンがいるのかって思ってしまうよ!だから読んでいるのだけど!」興奮した様子で口が早く動く。私はその興奮状態の時に話を切り出す。
「あの、剣術の訓練してくれる約束が...。」私が恐る恐る聞くと、エールトはにやけて。
「そうかそうか。お前が新しい玩具か。じゃあ夕飯まで、少し見てやろう...!」エールトはそう言って私の手を引く。そのまま私は部屋から出る。
着いた場所は城の中庭みたいな所だった。
「この木剣で現段階の実力を見せればいいんだよな?」私はいつもの口調に戻って話した。
「そうだなー!私も木剣を持っているから全力でかかってきていいぞ!勿論その内に秘める力もな...。」エールトはさっきと雰囲気が違い、真剣な表情を浮かべた。私はそれに応えるため、鬼神の残力を使う。すると木剣が黒く染まり、周囲にも黒が舞う。
「これはどうだ!?」わたしはそう言って黒の斬撃を飛ばした。しかし、その斬撃はエールトのただの木剣によって弾かれた。
「今のが本気とか言わないでね...?」エールトはそう言って木剣を構える。私は今の状態を見て、本気で斬る事にした。黒色を全て剣に込め、放った。しかし、エールトは木剣で全てを弾き返した。
「....っ!」私の今出来る最大の攻撃を返した。そのことに私は痛感の声を上げる。そこでエールトは話し出す。
「いや、今のは現実じゃないねー!残念だけど、教えることは特になさそうだねー!」エールトはそう言って私の眼前に剣を向けた。一瞬にして私の目の前に着いた。そして、エールトは剣を下から斜め上に切り上げた。私は為す術もなく、そのまんま直にダメージを受けた。
「冒険者らしいから期待してたんだけどなぁ...。なんか損した気分。じゃ。あっ、そうだ。せっかくだし、この1ヶ月の間に私の頭に木剣を叩きつけれたら、もう一回位戦ってあげる。」エールトは木剣を手放しそう言ってどこかに去っていった。
どうすれば勝てるだろうか、そもそも勝てないから戦いは挑んだのにどうすればいいんだろう。こうして今日の夕方からエールトの観察が始まった。まず、初めに隠れる技術を学ぼうと思った。しかし、先に見つかってしまいすぐに仕返しをされた。私は強行突破で奇襲をかけることにした。しかし、エールトはそれを見破り私の木剣を握り、すぐに反撃してきた。
夕ご飯だ。私は目を凝らしながらご飯は食べた。背後にいるエールトには全く隙がなかった。そんな挙動不審な私を見ていたのは、王様だった。王様は私の挙動不審にご飯を食べる様子を見て、少し不安がっていたようだ。このことは部屋に戻ってからしよう人に言われたことだ。そして、その部屋にはなんとエールトがいた。
「ずっとそのドラゴンの本を読んでいるつもりですか?」私がベッドでくつろぐエールトに聞くと、エールトはビスケットを食べながら。
「いやいや、ここでぐーたらするのが楽でしょうがないし、それに隙も大量にできるでしょ?」エールトはそう言って本を読みながらビスケットを頬張った。
どうでしたか?
面白く読めたのなら良かったです!
次回も読んでくれると嬉しいです!