協力的です
どうぞ!楽しんでください!
45話
部屋に着くと11時くらいになっていた。
何とか隠し通せた。流石にエリスタの名前を出すのは地雷だったみたい。言葉使いは何も言われなかったからこのままで大丈夫なんだろうな。そう言えば戦わない日ってあまりなかったから落ち着かないな。このドレスも動きにくいし、化粧なんて高価なものしたくない。というか全体的に高価なものは嫌いなんだ。まぁこれは偏見みたいなものなんだろうけど。毛嫌いしているだけだよ。多分。
「そう言えばレイドの情報集めなきゃいけないんだった。」私はそう呟く。ちょうどベッドの屋根を見るとそこにはある絵が描かれていた。
「天...使...の、絵?」私はベッドの屋根に描かれた天使のようなものが見えた。私はベッドから起き上がり、机の横の本棚を調べる。
「これは、?」私が手に取った本は絵本だ。題名は« 惨めな天使»。
「エリスタは天使が好きなのかな?いや、今は本を、読んでみよう....。」私はそう呟いて本を開いた。
『これはある天界の話です。ある日ある所に翼の生えた人間がいました。その翼の生えた人間は地上の生き物全てに施しをするというのが、毎日の仕事のようなものでした。その中、人り張り切っている少女。“ マナ”がいました。マナは何時も元気で活発な少女でした。しかし、ある日。翼を失い。誰一人助けることの出来なくなってしまいます。少女は何時しか生きる活力を無くし、そのまま朽ち果てるのでした。』本はここで終わっていた。
「子供に読ませる本なのにこんなバッドエンドの本がどうしてここに?エリスタは天使が好きだけど、まさかこんな人だったのか?エリスタは...。」私は本を閉じて本棚に閉まった。
私がベッドでくつろいでいるとドアがノックされた。
「どうぞ。」私がドアに向かって言うとドアはゆっくり開かれ、使用人がお辞儀をする。
「昼食の用意が出来ましたのでお呼びに参りました。どうぞこちらへ。」使用人はそう言って私を誘う。
「どんな感じに食べるのですか?」私が口調を変えて言うと、使用人は歩きながら。
「長い机に国王様と貴方様が座って頂いて、その座った場所にお食事をお運びする流れでごさいます。」使用人はそう答えた。
「待って。大きい長机に2人だけ?」私が疑問に思って聞くと、使用人は口を開いた。
「はい。」そう歩きながら言った。それから私は無言で使用人について行った。
「着きました。ここがお食事場所です。」使用人はそう言ってドアの横に立つ。私は恐る恐るドアを開くとそこには使用人が言った通り長机があり、その1番先に王様が佇んでいた。私は入って1番近い椅子に座った。
しばらくすると食事が目の前に置かれる。料理からは湯気が上がってより美味そうに見える。料理はパン、ステーキ、野菜が置かれた。その横から陶器で作られたティーカップを置かれ、その中に赤透明な液体が注がれ、白い粉を入れてかき混ぜた。私はおもむろにティーカップに手をやった。そして、そのまま口に運ぶ。赤透明な液体を1口飲むと甘みがほんのりあり、飲みやすかった。私はそのまま一気に飲んでしまった。その私の行動を見た使用人と王様は少し驚いた顔をして。
「変わりませんね。お嬢様。」使用人は私にそう言って微笑んだ。王様も微笑んではいたが声は出していなかった。 私はもう一度ティーカップに赤透明の飲みものを注がれるのを見ると、直ぐに飛びつき、飲む。なんて美味いんだ。私はそう思った。
「では、お皿をお下げ致します。」使用人は目を瞑りそう言って食器をトレイの上に乗っけてどこかへ持っていく。
「エリスタよ。私はずっとお前を蔑ろにしてきてしまっていた。でも、もうお前から目を離さないつもりだ。」王様はそう言って微笑んだ。私は頷いてその場を後にした。
「どうされました?」使用人が歩きながら聞いてきた。
「いや、よく考えたら王様の目の前で色々無礼だったかもと思って...。」私は腕を組んでそう言った。
「いいえ、とても子どもらしくて国王様には刺さったようですよ。」使用人はそう言って私の肩に手を添えた。
「じゃあ、いいように演じれたみたい?」私がそう疑問を言うと使用人は一言言った。
「ええ。とても。」
部屋に戻ると私が今まで着ていた服が消えていた。
「あれ?どこにいったんだろ。私は動かしてないしな...。」私がそう呟いていると、部屋の隅から物音が聞こえた。私はすぐ音の鳴った方に向き、鬼神の残力を使う。すると私の周りに黒色のオーラが纒わり付く。私は瞬時に手を水平に構える。すると物音のした所から人が出てきた。
「すみません''!す''み''ま''せ''ん''...噛んじゃい''ま''し''た''.....。」メイド服の少女は半泣き状態でそう言った。
「あの、落ち着いたらでいいのでどうして私の部屋にいるのか教えてください。」私はメイド服の少女の背中に手を添えながら言った。
しばらくするとメイド服の少女は腰に手を当てて、胸を張って声を出す。
「落ち着きましたー!ありがとうございますね!おじょー様!私がここにいたのは衣服を洗濯くなくちゃいけないから回収しに来ただけなのです!」そう言っている少女の手には確かに私の旅で汚れた服を持っていた。嘘は言っていないみたい。
「えっと、名前は?」私はそう聞くと少女はにっこり笑って。
「私の名前はエールトなのです!」エールトと名乗る少女は胸を張って言った。
どうでしたか?
面白く読めたのなら良かったです!
次回も読んでくれると嬉しいです!