終結後には
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43話
「どうする?」ヤカナそう言ってドラウを見据える。
「今一気に叩くか、逃げるか、か?僕の推測ではあいつは食欲の権化と言っても過言ではない。だから嗅覚も優れていると考えている。それに逃げようにもこの大陸から出られないのなら今は逃げれてもすぐ襲われるのが運の尽きだ。お前こそどうするんだ?」僕は推測して後、ヤカナに選択を迫る。ヤカナは息を呑んで。
「分かった。今ここであいつを叩く...。私はその方がいいと思う。」ヤカナは少し不安そうにしながらも僕の質問の答えを返してきてくれた。
「分かった」僕はその一言だけ言って、ヤカナに向き直る。続けて。
「作戦はこうだ。」
ヤカナは作戦をもう1度整理する。
『作戦はこうだ。まず僕があえて見える位置に行き、雷撃の力を溜める。恐らくあいつは美味しいもの食べたさに僕を攻撃してこない。そこでお前だ。お前はこっそりあいつの足元へ行くんだ。そして、地面の水分を全て吸い取ってくれ。そうすれば僕が撃つ攻撃の衝撃で地面も割れてあいつはバランスを崩し、僕の攻撃をモロに食らう事になる。どうだ?賭けの要素が強いし、お前が死ぬ可能性の方が余程高いが...。いや、考えない。さぁ、行くぞ。』
僕は雷撃の力を濃縮している。そこにドラウが気づく。
「美味いやつ!」そう言ってドラウは口を大きく開く。欲望に忠実なやつでよかった。僕は心の底から思った。
その足元にヤカナが待っていた。既に地面の水分を取り始めてる見たいだ。その間僕はずっと雷撃を凝縮に凝縮を重ねた。恐らくこの威力だと、地面は溶けていくだろうと考えるほどに。気づくとヤカナはドラウの足元にはおらず、僕の背後にいた。僕はドラウを睨みつけ、凝縮された雷撃を撃った。撃つとその雷撃は地面を溶かしながら凄い勢いで飛んでいった。
「きたきた!あー.....ん''!」ドラウが口を大きく開けて待って、後口の中に入る。そして、その同時に地面が崩れた。ドラウが食べてからは意味が無い。そう思った瞬間の事だった。ドラウに食べられた雷撃は今まで蓄積されていたようで、ドラウの胃の中で今の電撃と合わさり、一部分に留めておける力の限界が達し、ドラウの胃から全身に光が透ける。その爆発寸前でドラウは僕らを見て言った。
「ただ美味しいもの食べて遊んでくだけだったのに!そんなにいけない事なのかよ!」最後の言葉にはまるでドラウが涙を流しているように錯覚してしまった。そして、爆発した。爆発した部分は溶岩が溜まっていた。僕らはその光景を見て、すぐ、拠点に戻った。
「作戦は失敗だったかもしれないけど、上手くいって良かった。」僕がそう言って腰を下ろすとヤカナが焚き火を起こしながら。
「あの人多分、腐食のオークね。オークの物語なんてあまり読まなかったけど、それは知ってるの。簡単に言うと、食事にありつけれなかったオークの子供が美味しいものを食べ漁るだけの物語よ。最後には腐食を食べ過ぎて病に侵されて死んでしまった物語だけど....。私は御伽話のような状況にも慣れてきたみたい。」ヤカナは静かにそう言った。僕はその声に連れられて話し出す。
「御伽話と言えば、好きな物語があって僕はそれを読んで冒険者になったんだ。その伽噺話には楽しくモンスターを狩って冒険者の仲間と楽しく旅をする物語で、この物語を読んだ時僕は冒険者になろうって決めて今ここにいる。ここまでの道のりの中、色んなことがあった。村を出てもう3ヶ月位かな?僕にとっては楽しい思い出なんて、ほんのひと握りしかないけどな。」僕は今までにあったことを振り返りながら話していた。その僕の姿を見てヤカナは口を開く。
「冒険者って言ってもお前みたいなやつがいるのは知らなかったわ。所でどうして3ヶ月位なのにそんなに強いの?」ヤカナはそう言って疑問をぶつけてきた。僕は少し考えて口を開く。
「それはほとんど1人で旅をしてきたからだよ。その場所に“ たまたま”強い敵が度々でて来たから強くなったんだよ。多分。」僕はこれまで人を殺してしまっていた事を隠して言った。僕の答えにヤカナが頷きながら。
「実践が多かったわけね。こんな機会だし私の話しもするわ。私も小さな村で育ったの。ただ、祖父が魔族で祖母が人間で、その魔族と人間のハーフが私の母で父は人間で人間に近い魔族とのハーフが私。だから生まれつき身体能力がいいの。今、私がここにいる理由は、逃げて来ただけ、かな?」ヤカナは昔の事を話してくれた。
「そう言えばご飯は...。」僕がそう言った直ぐに目の前に枝に刺した生の肉が現れた。横を見るとヤカナがその肉を持っていた。背後には既に焚き火が作られていた。
「ほら、焼いて食べるわよ。まだ、腐ってないはずよ。」ヤカナはそう言って少し微笑みかけてきた。僕はその肉を持って。
「あぁ。」そう言って夜は開けていく。
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