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日常から非日常へ。  作者: 稲平 霜
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激闘を繰り返す

いやぁ、楽しいですね!

物語を書くのは!

38話





「俺はお前より強い...」鬼神は再度そう言って僕を投げ飛ばした。地面に擦れながら勢いが死んでいく。土煙1つ立たない動きの数々。ここが現実世界ではない事を物語っている。僕は体勢を立て直し、鬼神に向く。

「そんなのやってみないと分からないだろ?」僕はそう言って右手に黒い稲妻を生成しようとすると、鬼神が僕に吸い込ませそうになる。

「何をする気だ?」鬼神は目を細めて言った。僕は右手に纒わり付く黒い稲妻から激痛を感じた。僕はその痛みに耐え、黒い稲妻を鬼神に撃った。汗が絶え間なく溢れる。僕が鬼神を見ると鬼神は倒れていた。

「俺はお前より強い」鬼神はそう言いながら立ち上がった。鬼神の口から白い息が溢れ出る。それを見た僕はにやけて。

「お前は僕より弱いよ」僕はそう言って激痛に耐えながら黒い稲妻を生成する。僕の目から真っ赤な液体が垂れるている事さえ、どうだっていい。今は勝てたらそれでいい。黒い稲妻が凹凸さえ分からないほどの黒に光る。視界が真っ赤に染まって見えない。しかし、鬼神の位置は完全に見えている。僕の力を持って鬼神の力を持って、僕の代償によってお前を討つ。

「分けるわけにはいかないんだ!」僕はそう言って先程の比にならないくらいの威力の稲妻を一点に縮小させ、撃った。

「........っ!」鬼神は僕の攻撃に歯軋りをした。真っ黒な光線化した稲妻が一直線に鬼神に向かう。僕は勝ちを確信した。そう。勝ったのだ。鬼神の体は砕け散り黒い空間が晴れてゆく。

「違う。僕の望んでいるのはこれじゃない...」僕のその一言で世界は黒い空間へと逆戻りする。

「あのまま堕ちていればいいものを...」鬼神がそう言いながら地面に降り立った。僕は大小など受けていない。未だに死ぬ事が怖い訳では無い。僕が怖い事は今まで培ってきた記憶を失う事だ。失った記憶さえ思い出せない事が嫌なんだ。

「撃ってきなよ鬼神よ」僕は手をこちら側にして指を曲げた。煽りだ。案の定、僕の煽りに鬼神は乗っかった。

「じゃあ最大級の力でお前を殺そうか!」鬼神はそう言うと力を溜めだした。僕はここで死にお前を完全に取り込む。そう思った矢先に鬼神が話し出す。

「ここは俺の力とお前の能力の境目だ。だからお前がここで死んだらどうなるんだろうな?」鬼神はそう言ってにやける。

「さぁな。でもやってみないとわからないだろ?」僕がそう返すと鬼神の力が既に溜まっていた。鬼神は笑い、稲妻を撃ってきた。鬼神の攻撃は早く、僕の右腕がふきとんだ。僕は痛みに堪えようとしたが声が出た。

「グッゥ....!...ァ...ッ!」僕は地面に滴る血を感じ取る。僕は歯軋りをして。

「体外に出た血を全て力に換えて!倒す!」僕はそう言って力を溜める。

「またさっきみたいに空振りじゃないか?」鬼神は僕を嘲笑いながら言った。そんなんじゃない。僕が今しようとしている事は全てを僕の精神が持たない事かもしれない。でも、こいつを倒して奪われた記憶を取り返せるなら、僕はやるしないんだ。僕がそう決意すると同時に僕から滴り落ちる血が全て浮き出す。

「全てこの空間ごと殺してやる!お前はモンスターだ!躊躇なんて要らなかったよな!?」僕はそう言ってにやける。これは僕の力だ。今まで殺してきてしまった人達の魔力というものを取り込んでいた事。僕は知っていた。転移魔法が使える時点で察してはいたんだ。僕はこの魔力を使って血を浮かした。

「おしまいだ。」僕がそう呟くと同時に血が光り出し、やがて光は黒い稲妻が濃縮された球になった。僕はその球を鬼神に撃った。

「俺が認識できないほどの速さだと?」鬼神がそう言った瞬間。鬼神の体は弾け飛んだ。黒い空間にヒビが入り出す。

「ん?なんだ?」僕がそう呟いたのには理由があった。それは右手に黒い文様が張り巡らされていた事だ。

「これは現実に戻っても付いてることになるのか?」僕は疑問を言い放ちながら元の世界に帰った。


「ここは...仮拠点かな?」僕はそう呟きながら体を起こした。僕は少し慌てて右腕を見た。そこには疑問視していた黒い文様が薄らと張り巡らされていた。恐らく、鬼神を倒した事の証と言えるものなのだろう。そんな事を考えていると岩陰からヤカナが顔を出てきた。

「平気そうね。意味不明に病んでた人?」ヤカナは僕を見下しながら言った。ヤカナからの嫌味を僕は立ち上がって。

「いやいやいやいや、平気じゃないよ。さっきまで激闘してたんだから」僕がそう言うとヤカナは首を傾げて。

「何言ってるの?」そう言ったヤカナに僕は。

「あ、いや、今のは間違えたかな?」僕が少し慌てた様子で言葉を放つ。そこに唐突にヤカナが僕の右腕を触った。

「これ....。」ヤカナは少し心配そうにしていた。僕は笑いながら。

「どうした?」どう誤魔化そうか迷いながら話していた。するとヤカナは僕を睨み出した。

「どうしてあなたに“ 魔王討伐の証”が付いてるの?」ヤカナは戸惑いながら言い放ってきた。その言葉に僕は。

「は...?」戸惑いを隠せない声を出した。

どうでした?

面白く読めたのなら良かったです!

次回も読んでくれるとありがたいです!

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