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日常から非日常へ。  作者: 稲平 霜
33/288

銀髪の少女

どうか楽しんで読んでいってください!

32話




歪な獣はニタっと笑う。僕は海水を操り、歪な獣の攻撃を防ぐ準備をする。不意の後ろからの衝撃に僕は困惑する。僕が後ろを向くとそこには道化師がいた。先程から道化師は移動していないはずだった。そして、僕の眼には道化師が2人いる事しか分からなかった。絶望的状況下の中、僕は思いついた。ここは逃げの一手だ。しかし、僕は転移魔法を使えない。というか使った事がない。だか、やるぞ。僕はダメ元でドイルの力を解放した。そして、転移先を想像する。

ランダムでもいいから、どこか遠くへ...!

僕の転移は体が痺れるように、熱を帯びた。そして、転移した場所はまだ1度も見た事ない場所だった。

地面は地割れを起こし、空は暗いにも関わらず明るい。木は全て枯れていた。そこにはモンスターが多く蔓延る所だった。やがてモンスターは僕に気づいたようだった。その証拠に僕に向かってきていた。


「チッ...!もう少しだったのに...!」物陰から声が発せられた。


僕の前に急に影が過ぎ去る。

「お前のせいで....!」僕に背を向けて少女は言った。次の瞬間少女は赤色のオーラを纏い、モンスターを一撃で始末していく。

やがて、モンスターが引いた。少女は息を吐いて僕の方を向く。

「ふんっ...」少女の口元に牙らしきものがはみ出ていて、目には赤が点っていた。

「なんだ?モンスターか?」僕がそう言って警戒すると少女がさらにムッとした。

「そう。お前にはそう見えるのね。ここで殺してもいいんだけど、どうしようか?」少女はそう言って僕の首を握る。僕は両手を挙げ、降参の表明をした。すると少女は僕の首から手を離した。

「いや、悪かったな。助かった」僕は少女に言った。少女はムッとした顔を直して口を開いた。

「そういえば、どうやってここに来たの?」少女は不思議そうに聞いてきた。

「ここって普通は来れない特殊な場所なのか?」僕は少女に聞いた。少女は眉間にシワを寄せて

「当たり前じゃない。ここは魔王が住まう大陸なのだから」少女の言葉に僕は耳を疑う。それもそのはず。なぜなら魔王やら勇者やらの存在は本だけの物語だと思っていたからだ。僕は驚いた顔をしたまま口を開く。

「僕は転移で来たのだが....」僕がそう言うと少女は暗い顔をした。

「お前はもうここからどこにも行けない」少女は淡々と言った。

「なんでだ?」僕が不思議そうに聞いた。

「お前がここに来れたのはたまたまだよ」少女はそう言ってそっぽ向く。

それから1時間程経った。僕はその間、転移を繰り返していた。何度転移しても行き着く先は決まっていた。転移出来たとしても少し前に転移する位だった。

「何度やっても同じよ....」少女は汗を掻く僕を見て、淡々と言った。

「無理でもやるんだ....。この大陸なんかで....」僕が言葉を発していると、ふと閃いた。

「そうだ。転移じゃないなら、行けるのではないか?」僕はそう呟いて、アンナの力を解放し、海を渡る事にした。

「これなら....」僕はニッコリ笑い、海を走る。しかし、突如黒い手が現れ、掴まれた。そして、僕は投げ飛ばされた。本当にどこにも行けないのだと自覚した。

「気が済んだ?」少女は膝を着く僕に言った。

「分かった。僕はここで修行する....。いずれここから出させて貰う...」僕は負け惜しみの精神からそんな言葉を発した。



私のいる場所は王都アスファル。あの黒い爆発でによって別の大陸に飛ばされたみたいだ。さすが王都と言うべきか、人々の声が賑わっていた。

そこで、ある掲示板を見た。そこに貼らていた紙をみて私は驚愕する。私が見たものはレイドに関する記事だった。その記事にはこう書いてあった。

『世界大量殺人犯罪者。冒険者と名乗り、残虐に大勢の人を殺害した犯罪者。この犯罪者の首を討ち取れば、10000000コーカを国から支払いします。注意、見かけたら騎士団に連絡するのが最優先です。』私はこの記事を見て驚きのあまり立てなくなった。レイドがこんな事をするはずないと信じているからこその絶句。私が地面に座っていると、後ろから声をかけられた。

「大丈夫か?お嬢さん」男の人が手を差し出して言ってきた。

「だ、大丈夫だ....」私はそう言って震える足を地に付けた。

「俺の名前はジン。お嬢さんの名前は?」ジンと名乗る人は私の名前を聞いてきた。

「ハル...だ....」私は少し戸惑いながらも答えた。するとジンはニッコリ笑い、

「いい名前じゃないか!」ジンは名前を褒めた。

「そうだ!折角だから俺の冒険の話を聞かないか?」ジンはそう言って目を輝かせていた。しかし、私は

「いや、いい....」という一言でジンの心を抉った。その事に傷ついたのかジンはしょんぼりしてどこかに歩いていった。

「さて、まずは情報収集だな」私は切り替えて呟いた。レイドの名前は出さないようにしよう。レイドの事は後でじっくり聞かせてもらうけど。私は町の人にヤーズとラフノの事を見かけてないか聞き込みを始めた。

どうでしたか?

面白かったのなら良かったです!

次回も読んでくれたら嬉しいです!

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