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日常から非日常へ。  作者: 稲平 霜
269/288

狂気の笑顔

268話




 ヤーズの姿の女はリザードマンとドラゴン、巨人、魔人、モンスターの群れを焼き殺して回った後。


 大海原が見えた。そのさらに奥に島が一つ見えた。


「何かしら!つまらなそうなのに惹かれるわ!そうね!丁度暑かったの!」女は目をはち切れんばかりに開き、口角を上げる。その次の瞬間、島に向かって一直線に海が泡を立て、海を一度へこましながら、女は空気を蹴った。


 地面に降り立つ前に島の中央まで空中で移動し、上に目を向けて、雲を貫いた後に手を頭の上に蓮の様に広げ、プラズマを一点に溜める。


「ぁあ!虫が!邪魔ね!」女は顔を歪ませ、首筋に血管を浮き上がらせて手を下に下ろした。


その瞬間地面に向かってプラズマ弾が落ちて行き、地面にプラズマが触れた。


その瞬間、島の中央から地面に衝撃が走り、突風が吹き荒れる。


その中何かの悲鳴が聞こえ、島中は混乱に包まれていることがわかる。


「あぁ、すっきりしたわ!でもまだ足りないわね!もっともっと!楽しませてくれる生き物はいないのかしら!」女は両手を大きく広げて地面に降り立った。


 プラズマ弾が当たった付近は灰と化した生き物の像でいっぱいになっていた。肉片一つない場所は正に更地と言えるものだった。


しかし、海は灰に汚れてはおらず、透き通っていて、魚も可視できる。


「ぁあ...あぁ...」皮膚が黒く、藁で編まれたような服を着ている少年が女に近づいた。少年は怯えている様子で、後ずさりし、口が開きっぱなしだった。


「あら!どうしたのかしら!私の攻撃の中生きたのかしら!そうね、そうだとすれば、もっと高い威力で殺さないと駄目ね!」女は頬を赤らめ、興奮した様子で左手にプラズマを出し、少年に飛ばした。


それを引き金に少年は女を背にして逃げ出した。しかし、その時にはもう遅く、少年は塵すら残っていなかった。


「弱いわ...。あぁぁぁあ...痒い痒い痒い痒い痒い!」女は右手で首元を掻きむしりだした。首元から血があふれ、肉が見えてくるが、女は掻き続け、左手で頭を掻きだす。


「あああああ!虫が!痒い痒い!邪魔しないで!来ないで!」女は狂気じみた声で一人叫びながら、掻きむしり、左手に白い髪の毛が纏わりつき、右手は血だらけとなっていた。


 首元と頭を掻き、かゆみが薄れると、女は手を下ろし、荒げていた声を落ち着かせ、小さく息を吐いた。


 女は無言のまま宙に浮いた。その時、遠方から光が近付いてきていた。私は上空へとゆっくり飛び、光の主を特定しようと様子見をする。その時、地面に少年が降り立った。


 女は少年の姿を見た瞬間胸辺りを掻きむしるように握るように、指を折り曲げる。


「ぁあ...頭に...虫がいるわ!あぁ!あああ!あの男!殺せば!虫のざわめきは無くなるかしら!」女は狂気に満ちた顔で叫んだ。



 女は空から舞い降り、少年と目を合わせる。


「アハハハハハハ!楽しいわ!次はあなたかしら!でも、たった一人で何するつもり!?あぁ、考えるだけで楽しいわ!」女はあらゆる部位から血を流し、少年を見つめた。


「ぉい...待ってくれよ...なんで...ヤーズ?」少年はよくわからないことを言って続ける。


「前からそうだったよな...。いつも謙虚な振りで振る舞って、俺より強いくせに、手合わせは中々してくれなくて、なんだって思ってたよ...」少年は握っていた剣に光を宿した。


少年の言葉を聞くたび、虫が蠢いて全身が痒くなる。


女は少年に口を閉じて欲しいのになぜか口が動かない。


「折角、こんな手合わせできる機会が出来たんだ...なら、やるしかないだろ?」少年は意外と女に向けて敵意を持っているようで、戦う気満々だった。


「そこまでやる気なのね!じゃあ行くわよ!」女は満面の笑みで空へと手を上げた。その次の瞬間、手の平に炎と雷が渦巻き、プラズマ弾が出来上がる。


 少年は右が炎の様に歪に動いている。それだけわかると、少年は満面の笑みで口を小さく動かした。




 少年の顔で戦いの決戦が始まった。


 女は溜まったプラズマを少年に向けて放出した。少年は持っている剣で女のプラズマを斬り捨てたが、分裂したのち、地面に触れたプラズマは爆発し、少年の背が焼けた。


しかし、少年は怯むことがなく剣を女に向ける。


「これよこれ!楽しいわ!」女は少年に向けて狂気の目を向け、笑う。それに引き換え少年は、女を睨み続け、剣を握っていた。


「そんなに楽しいのか...?俺たちといた時よりも、なんで笑ってんだよ...!」少年は涙を流しながら左手に剣を持ち直した。その瞬間、光剣に闇が纏いだす。


「だったら、なんで今まで一緒にいたんだよ!」少年は顔を歪ませて左足を少し曲げ、右足を大いに曲げる。


その瞬間、地面を割り、女の顔の目の前に少年が移動する。


「はは!」女は死の危険が迫っているのにも関わらず、笑っていた。

どうでしたでしょうか?

面白く読めたのなら幸いです!

次回も読んでいただけると嬉しく思います!


ついでに感想や評価もしていただけると活力になります!

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