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日常から非日常へ。  作者: 稲平 霜
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鬼神を祀る人々

どうぞ!読んでいってください!

24話




ここは何も無い空間?いつもと雰囲気が違う。お前のせいだという言葉が僕を覆い隠す。忘れない事も忘れられず、目を背け、逃げ続けるのはもう、やめにしないか?いや、僕には出来ない。僕は現実から逃げている。それの何が悪い?いいじゃないか別に。僕は逃げたい。この世界から。もう嫌なんだ。

「君に私の力を1度だけ貸す。でないと君が死んでしまうからね」その声は優しい声だった。しかし、それを言った影はどこかに消えていた。

目を覚ますとラフノがいなかった。僕は旅館から出る。 ラフノはこの前行った道場に刀の使い方を学びに行っているようだった。ハルも同様の理由で道場にいるようだった。そしてヤーズは町の外れで溜め攻撃を早く撃てるように鍛錬を重ねていた。僕はその場で目を閉じる。そこで誰かが僕を呼びかける声が聞こえる。

「こっちじゃこっちじゃ」その人は僕を手巻きながら移動する。僕はその声に従ってついて行った。そして、着いた場所は神社だった。珍しく神社はガラガラで人気が全く感じられなかった。僕はそのまま長い階段を上り始める。そして上に着くと耳元であの声が聞こえる。

「よく来た」気づくと真っ暗な世界に鳥居が幾つも並んでいる空間に来ていた。

「ここは....?」僕がそう言うと答えが帰ってきた。

「ここは妖にも入られぬ空間。お主にはこの町の伝承を知っている訳もなかろう。折角じゃ。聞いていくとよい」そう言ってその人は伝承を話し出す。

「この町は鬼に支配されていた。しかし、唯一立ち向かう者がいた。その者はごく平凡な町人に生まれであった。しかし、町が鬼に支配されているのを見てその者は剣を取り、鬼を討伐せんと躍り出た。当時その者は23歳であった。多くの町人などはどうせ無理だと話していた。勿論、容易な話ではなくその者は何度も戦いを挑み、見事鬼の首を討ち取ったのだ。しかし、残った赤鬼、青鬼そして黒鬼が遠くから支配を続けていた事となる。一方、鬼の血を受けたその者は腐り果てた。そして、今、時間は動き出した。鬼の侵略、殲滅が始まる。古の鬼。その名を鬼神と言われる。この神社には鬼神を祀っている。人々の邪な思いの集合体こそが鬼の起点となっている。人は人の為に死んでいくのだ。とまぁ、この言葉は死に際しその者が言った言葉だが、伝承はこんな所で終わっている」その人は話し終えて僕を見る。

「鬼か。僕には何も出来やしない。死ぬことしか出来ない」僕がそう卑屈になっていくと、世界は真っ白に包まれる。そして、その人の顔が見え出す。

「そう気にするな....。私の名はオニ、嘗て鬼を破った者」オニと名乗る男はそう言って宙に舞う。僕は疑問を抱く。

「どうして鬼を倒したのか。わかった気がする。同じ名前だったからだろ?」僕はオニを少々睨みながら言った。

「そうじゃ。鬼はオニが始末する。支配されたままなのも嫌だったから 」とオニは下を向いて言った。

「そこでお主に頼みたいことがある。それは私の力を受け継いで貰いたい。 私の力。名を“ オニの加護”。良い名じゃろ?」オニはにこやかに笑って言った。

「どうやって受け継ぐんだ?」ボクが疑問を持って言う。

「私の刀を取れ」冷たく決意に満ちた言葉を僕は唾と同時に飲み込み、オニの腰にある刀を抜いた。それだけで僕の体は轟々しいオーラを纏う。そして、その場にはオニという名のものはいなくなっていた。

僕のいた所は神社の階段を登った場所だったが、鳥居の前に移動していた。僕が再度鳥居から神社に入ろうとすると体が痺れた。オニの加護の影響だろうか?

僕が旅館に戻るとラフノとハルとヤーズが僕を迎え入れてくれた。

「黒鬼はいつ来るか分かるか?」ラフノは僕に食い気味に聞いてきたが、ボクは首を振るだけだった。一尺置いてボクは喋りだす。

「みんな、僕にある加護をみんなに分けようと思う」僕はみんなの方向に向いて言った。そんな事ができるのか分からないが、やってみる価値はある。それで鬼を倒せるというのなら。

「どうすればいいですか?」ヤーズは僕に目を向け言った。

「僕の手に触れるだけでいい」僕がそう言うとみんな躊躇なく僕の手に触れた。その瞬間、轟音が町に響く。慌てて外に出ると、そこには黒い雲が広がっているだけだった。後、黒い稲妻が町全体を襲い出す。そして、声がする。

「今日はこれだけだ。明日まだ死んでいないやつがいればこの手で始末する」黒鬼、改め鬼神はそう言って消えた。それからは何も覚えていない。それほどまでに戦いの準備を怠らないためだ。

僕は夜空を見上げる。そして、その場から離れ、布団で寝入った。

━━━━翌朝。

現れたのは青鬼だ。民家を破壊して回っている。もう既に死者が出ているだろう。僕はそう思って目を閉じ、開く。決意が固まり、僕は青鬼の元へ走り出した。僕に続きラフノとハル、ヤーズもだ。

僕は短刀にオニの加護を巡らせる。血液の流れが尋常ではない位の早さで流れているのが分かる。それを感じながら僕は青鬼の足に斬りかかった。僕の攻撃に少しは痛がっていた。続いてラフノが刀を持ち、居合いを繰り出す。青鬼の足は切断された。そして、倒れた所にヤーズが青鬼の目の前に現れ、溜め攻撃を撃ち込んだ。青鬼の顔は焼け焦げる。しかし、青鬼の皮膚は直ぐに戻っていた。全くの無力感。しかし、なにか違和感がある。僕はそんなに違和感を感じながら青鬼にもう一度攻撃を仕掛けた。

どうでしたか?

面白かったのなら良かったです!

次回も読んでくれると嬉しいです!

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