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日常から非日常へ。  作者: 稲平 霜
24/288

ごめんなさい!

いつもより少ないです!

23話




「私の道場に入りませんか?」道場の主は口調を変えてラフノに言った。

「入ったら暴れても牢に入らなくていいなら入っておいてはあげるが?」ラフノは少し苛立ちを感じ睨みながら言うと、道場の主は一気にしょぼくれた。ラフノが怒ることないから、少し僕でも怖いかな。道場を後にして、武器屋に行った。

ここには刀、短刀、鎖鎌などがあった。僕は短刀を手に取る。片側にしか刃が付いておらず、使いにくそうな造形だった。ラフノは刀を見ていた。ハルも刀を見ていたが、隣にある鎖鎌も気になっているようだ。そして、ヤーズは狙撃武器の弓を見ていたが、不満そうな顔をしていた。

「どうした?」僕はヤーズに聞いた。

「新しい武器に変えたら使い慣れなくて買い替えたくないと思いまして」ヤーズは不満の原因を話してくれた。その突如の事だ。外から悲鳴が聞こえた。慌てて僕が外に出ると、僕に続いてラフノとハルとヤーズも出てきた。僕が目にしたものは頭部には角が生え、口の端からは尖った牙がはみ出ていた。オーガというモンスターに似ているが、赤色の皮膚と言うのは初めて見る。そこである言葉を耳にした。

「鬼だ!鬼が現れたぞ!」町人らはそう言って逃げ惑う。

「ちょっと試し斬りをさせて貰う...!」ラフノはそう言って武器屋にあった刀を買わずに勝手に使いだした。ラフノは鬼というモンスターの頭上に跳躍。そして、ラフノの刀に光が集まり、真下へ斬り捨てた。地面は抉れ、鬼は真っ二つに割れると思われたが、鬼はものともせずラフノに打撃を与えた。そのままラフノは民家を壊しながら遠くへ飛んでいった。

「ラフノ!」ヤーズはラフノの飛ばされた方向に向いて叫んでいた。ハルはその叫びに紛れて鬼の足を斬りに走り出した。しかし、次の瞬間、ハルは鬼の足の裏にへばり付いていた。続いてヤーズは一撃の光の矢を鬼の脳天に弾いたが、鬼にはまるで効いていなかった。全員倒された後、冷気が町を覆う。僕はヒョウカとヒョウリの力を解放していた。

「凍って永久の氷塊にしてやる!」僕はそう言って鬼を睨みながら氷針を串刺しにした。鬼は少々狼狽えていたが、僕は鬼の逆鱗に触れた様で、僕は鬼の地面に叩きつける攻撃に耐えられず、死んだ。

僕を迎え入れる何も無い空間。そして、その何も無い空間はさらに虚無感を増す。しかし、直ぐに消え去った虚無感は僕に不安感を感じさせた。

「お前は誰だ?」僕が目を向けて言った方向には表情が全く見えず、黒い影が覆いかぶさっていた。

「お前のせいだ。お前のせいで...」その言葉を何度も発する。僕は耳を塞ぎ、この世界が晴れるのを待った。

何も無い世界が晴れると鬼はその場に血を流して倒れていた。そして、人々は声を上げる。しかし、その声は歓声ではなかった。

「赤鬼を殺しやがった...!」「お前ら何してくれてんだ!」「来る!来ちまう!黒鬼が!」しかし、何も来なかった。そう思ったのも束の間。世界が闇に包まれ、空から声がする。

「我は黒鬼。この世に終焉をもたらす者。お前らなど虫のような物だ。明日、我が自ら出向いて排除する。では....」空に響いた声は町の人みんなを惑わせた。そして、その間にハルとヤーズとラフノが僕の元に集合していた。

「みんな平気か?」僕が手負いとなったハル、ラフノ、ヤーズに聞く。

「大丈夫だ」

「少し背中が痛むくらいだ」

「ちょっとキツイです...」

ハル、ラフノ、ヤーズの順番に答えてくれた。非難の嵐は止まない。僕達はそのまま旅館に戻った。辺りはもう橙色の光に包まれていた。

部屋に戻り、空を見上げる。星はひとつも見えなくなっていた。僕達はやるせない気持ちのまま眠りについた。

どうでしたか?

面白かったのなら良かったです!

次回も読んでくれると嬉しいです!

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