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日常から非日常へ。  作者: 稲平 霜
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旅館

温泉...。それは男子が夢を追い求める場所。

22話



僕が見ているのは鯛が塩焼きされたものだ。そして、丸っこい皿に米という白い粒が盛られている。

「そういえばその服どうしたんだ?この町の人と同じような服装だが?」僕がラフノの服装を見て言った。

「タンスにあったから着ただけだ。意外と動きやすいぞ」ラフノは剣の素振りをするように言った。

「まぁいいや。ご飯食べようぜ」僕はそう言って箸という物に手をやった。

「食べずらいな」

「それはわかる」ラフノの言葉に僕はすぐ答えた。食事を食べ終わる頃には箸の扱いに慣れてきていた。

丁度食べ終わった頃に戸からノック音がした。戸を開けるとそこにはハルとヤーズがいた。

「ハルとヤーズもその服着てるのか?」僕は疑問を抱いて聞く。

「これ着やすいんですよ!」ヤーズは回りながら言った。

「かなりテンションが高いみたいだな」ラフノがヤーズに言った。

「さっき温泉とやらに入ってきたばかりなんだ」ハルは温泉のある方向を指さし、言った。

長い廊下を歩いていくと、殆どの人がビラビラした服を着ていた。そして、温泉の前に着いた。タオルを首に巻いて温泉から出ていく人が多く見られ、今まさに入ろうとしている人もいた。僕らもその中の2人だ。

「温泉は初めて入るがどんな感じなんだろうか」僕は不思議そうに言う。

「体を洗って湯に浸かるだけだと思うが?」ラフノは僕の疑問に誠実に答える。そんな会話をしながら僕達は暖簾の奥に入っていった。僕の視界に広がっていたのは、脱衣所だ。既に服を脱いで股の辺りにタオルを持っていって木の戸を開いていた。ちらっと見えたそこは温泉だった。僕達は慌てるように服を脱いだ。そして

僕達も温泉に入った。

湯船に浸かると日頃の疲れが取れていくようだった。目を閉じるとまるで自分以外誰もいなく感じる。そんな感覚。今は何も考えずこのまま埋まってしまいたい。僕はその感情を押さえつけて湯船から出ようとすると、隣の客から気になる情報が耳に入った。

「最近、取り憑かれるひとが多いみたいで神社ではいつも人がいるそうだな」

「ま、この旅館はあまりそういう話がないから安心だよ」客の口から零れた取り憑かれる人。深く考えなければなんとも思わないが、その現象には少し既視感がある。闘技場であったマストラの黒い瘴気だ。あれをとり憑いたとしたら、ライトも危なかったのではないだろうか。

そういえば、あの道化師、高度な魔法を連続して使っているにも関わらず息が切れずに行動出来ていたな。相当強かったのではないか?

「おい、出るぞ」ラフノは顔を赤くしていた。

「どうした?大丈夫か?僕も出るよ」僕はそう言ってラフノと温泉を出た。

部屋に戻るとラフノは外の風に当たっていた。そう言えばライトに速攻倒されたせいかもしれないが、ハルの力量を見れていない。明日にでも見せてもらおうか。そう決めて布団を床に敷いて寝た。


━━━━━━━翌朝。


僕らが行くまでもなく、ハルとヤーズがいた。今日の予定について僕らは話し出した。

「まずは町を巡ろう。他の町にはこういう風景も見ないからな」ラフノが目を閉じて言った。

「しかし、めぐるとしてもどこを初めに行くんだ?」ハルが疑問を持った瞬時に僕は口を開いた。

「神社だ」僕のひとことで部屋を出ることになった。

「なんで神社なんだ?」ハルが不思議そうに聞いてきた。

「気になる事があるからな...。あとハル後で力量を見せてもらうから覚悟しておけよ?」僕はゆびを指して言った。

「気になることってなんですか?」ヤーズが疑問を抱いて聞いてきた。

「それは取り憑くという単語について知りたくてだな」僕はそのまま答えた。

そして、神社に着くとそこには長い石階段。石階段の前には鳥居が建っている。そして石階段を上がったところに家っぽい所が見えた。そして、階段には長蛇の列が伸びていた。

「後ででいいか?」ラフノはそう言って神社を後にしようとした。僕は頷いて神社を後にした。

ここは、道場神社から少し歩いたところにあった。何やら剣術を教えているようだった。大勢の棒を持った人が声を上げて棒を振っている。僕らが少し練習を見ていると道場の主が近づいてきた。

「道場に入りたいのか?」道場の主はそう言ってきた。たしかに学びたい気もしたが、今はいいかな。僕がそう決めてどこかに行こうとすると道場の主が喋り出す。

「よし!1時間のみ体験で受けてみよ!」道場の主は僕らを帰らせてはくれないらしい。

「この町ではこの刀というものが主流だ。そして、練習で使っているのは竹をまとめたものだ。これを竹刀と言う。少し振ってみてくれ」道場の主はそう言ってラフノに竹刀を強引に持たせた。ラフノは竹刀を天に仰ぎ、縦に振る。その瞬間、鳴り響く轟音と風。道場の弟子も既に驚いていた。

「控えめにしておいた方が良かったんじゃ....」僕がラフノの耳元でボソボソ言う。

「いや、恐らく弱すぎても練習に付き合わされるだけだし」ラフノの言葉は僕を確かにと思わせた。


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良ければ次回も読んでください!

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