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日常から非日常へ。  作者: 稲平 霜
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新たな町ホムラ

闘技場ストーリーが終わり、次は和風です!

お楽しみください!

21話



控えに行くとハルとヤーズがいた。

「残念だったな」

「よく勝てましたね!」

ハルとヤーズは口を揃えて発言した。そこに現れたのは道化師だった。

「ありがとうございます...!お陰で2年ぶりに見応えのある試合を見れました....。では、こちらが優勝金の20万コーカです...!そして、あなたにも楽しませて頂きましたよ...。レイドさん...。何か1つ望みはありますか...?あれば言ってください。なければそれまでです...」道化師はラフノに賞金を渡した後、僕に話しかけてきた。

「僕の願いは僕の行った事の無い大陸に転送して欲しいくらいだ」僕がそう応えると道化師は笑う。

「いいでしょう!あなたの望み叶えて上げましょう!」道化師は興奮した状態で言い放ち、魔法を唱えようとした。そこに僕の声が混じる。

「待った!」僕の声に道化師は魔法を唱えるのをやめた。

「お前たちも僕と旅をしないか?」僕はラフノとヤーズに言った。

「いいだろう....」ラフノは微笑を浮かべ承諾した。続けてヤーズも

「別に予定ないですし、いいですよ?」ヤーズは左上に視線を向けながら言った。

「話はまとまったみたいですね...。では、旅の続きを...」道化師がそう言って僕らを転送する前に怒号が響く。

「レェェェイドォォォ!!」僕の名前を乱暴に呼ぶ声。僕が声の在り処に目を向けるそこには、ライトがいた。

「負けたからってまた...!」僕が嫌味を言うまでもなくライトの声は塞がれた。

「私の居場所を汚すなよ....」突如聞こえる道化師の低い声。会場全体に地響きが走り、次の瞬間ライトは消え、地響きが消える。暫し沈黙が流れ、道化師は仮面の下から声を出した。

「では、旅の続きを楽しんできてください...!」道化師はそう言って指を鳴らす。そして僕達はその場から消え去った。

僕達の着いた場所は橙色の3つに割れた葉が目立ち、道に石のレンガが敷き詰められた舗装された道があることが特徴的だった。

「この葉っぱ変な形だな」ハルが落ち葉を拾って言う。

「それは紅葉っていう葉っぱらしいですよ?」ヤーズが疑問を抱いたハルに言った。

「来たことあるのか?」僕がヤーズに聞いた。

「そうですね。旅の目標場所の中間地点で1度....」ヤーズは人差し指を顎辺りに置いて答えた。

「ここには和風っていう文化があるらしい」ラフノは腕を組んで言った。ここにも何かしら旅に役に立つ物があるといいが...。

僕らはそのまま道沿いに歩き続けた。そして、着いた場所は“ ホムラ”という町だった。ラフノとヤーズは既に来たことがあるらしいが...。そこで急に声をかけられた。

「旅の方ですか?良ければ私たちの旅館に泊まりませんか?今ならなんと500コーカで食事も用意させていただきます!さらに、満足いただけなかった場合、宿泊に使われましたコーカを全てお返しさせていただきます!どうですか!?今しかありませんよ!?」早口で話す旅館の従業員と思しき人は僕の前から動こうとしない。仕方なく。

「分かった...。泊まらせてくれ...」僕が気だるげに言うと旅館の従業員と思しき人は動き出す。

「では、こちらへ!」僕らはその人に付いていく。そこで小声で話してきたのはハルだ。

「なんか怪しくないか?」ハルの言葉は最もだ。

「仕方ないだろ?あの人全く動こうとしなかったんだから...。まぁ、泊まる場所がないのもあれだろ?」僕は小声でハルに言った。

そして、着いた場所は木造建築の建物。扉の前には暖簾がぶら下がってあり、建物の後ろからは多くの湯気が舞い上がっていた。その扉を開け中に入っていき、僕らの泊まる部屋は廊下の突き当たりと、その隣の部屋だった。

「では、18時辺りに食事を持ってまいります。ごゆっくり...」そう言って案の定、旅館の従業員は膝を曲げ、床に頭が付く位のお辞儀をしてどこかに行った。

「なんだ、他の客も居たのか」ラフノは腰を下ろして言った。そりゃそうだ。町に入ってすぐだったら誰だって不信感を得てしまうだろうし。床は乾燥した草をまとめたような床だった。草っぽいから痛いかと思ったがそんなことはなかったようだ。部屋の所々に立てられている柱はそのままの木を立てているようだった。他にもドアは横に動かすものだった。ドアの木組みには紙を貼っているようなものだった。廊下側ではない方向にも同じようなドアがあり、僕はそのドアを開ける。すると、そこは星が瞬く空が広がっていた。

「これは凄いな。こんな景色中々見れないぞ」ラフノはそう言って僕の背後に立つ。

「1度来た時には見えなかったのか?」僕が疑問を持って聞いた。

「ああ。これだから旅はいい」ラフノはそう言って星を眺め続けている。そこにノック音が聞こえた。僕が返事をするとドアが開かれた。お食事の準備が整いました。そう言うと、食事がやたら低い机に運ばれる。

「では、ごゆっくり...」従業員がそう言ってどこかに行く時僕は声をかけた。

「あの、このドアの名前はなんて言うんですか?」僕は疑問をぶつけた。従業員はきょとんとした顔をして口を開く。

「これはドアではないですよ。これは戸って言って、木組みに障子を貼り付けている扉です」丁寧に答えてくれた従業員に僕はもうひとつ疑問をぶつけた。

「このやたら低い机は?椅子はないのですか?」

「はい。椅子ではなく、この綿を詰めた座布団にこのように正座と言う座り方をして座るんですよ」僕は従業員の言葉に頷きながら聞いた。

「そろそろ解放させてやったらどうだ?」ラフノは僕の背後に立って言った。

「ありがとうございました」僕はそう言って従業員を自由にした。

どうでした?

楽しめたなら良かったです!

次回も読んでくれると嬉しいです!

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