魔王の言葉
213話
聞きなれた声が脳内に響く。
「お前も為になることをしたらどうだ?世のためになることをさ」その言葉が聞こえた瞬間に脳内の回想は消えた。
「魔王様!世のためになることは私めの言葉させ受け取って貰えぬのですか!?」魔王の側近がそう言い放つと同時に魔王が我に戻るように側近の顔を見る。
「我はどうしてこの世に生まれたと思う?」魔王は側近の言葉を無視して、側近に問いを出した。
「それはこの世を平和にするため...ではないのですか?」側近はよろけながらも言い放った。
「そうか。そうかもしれぬ。だが、支配者として言ってはならないことだろうが、言わせてもらおう。我は行動しているが、この世が平和になっている気がしない。むしろ、悪くなっている気がするのだ。どうして平和にならぬか、我にはわからない。お前はどう思う」魔王は強くまた弱気に言い放った。その言葉を聞いた側近は口を一度噤み、再度開く。
「私は今私がいる世が正しいとしか思えません...現界の人間はこちらを攻撃して来るだけ。こちらが侵略すれば人間は勢力を上げてくる...。しかし、こちら側が何もしなくても人間はこちらが”悪”だと言い、攻めてきます...。魔王様の前で言うのも失礼かと存じますが、言わせていただきます。私たち魔族と現界の人間は逢いなれない。平和に共存することはできないのです...」側近は恐縮しながらも自分の考えを言い放った。
「勝てないでは片付けない」僕はそう言い放ち、ナイフに黒を纏わせた。それと同時に氷、黒の雷、鱗を周囲に回らせ、口を開く。
「後のことは考えない...全力だ」僕は強く言い放ち、足を曲げ、伸ばす。その瞬間僕の身体は魔王城の壁に付いていて、即トライネの身体が弾け飛んだ。しかし、槍にトライネの体の破片が渦巻く。そして声が聞こえる。
「そんなんじゃ負けない...」トライネの声が聞こえた瞬間次は僕の身体が上下分断された。血があふれ出し、臓器が溢れそうになる。しかし、時間をすぐに元に戻し、身体が引っ付いた状態へと元に戻る。
「それだと僕は止められない」僕はトライネに言われた言葉をほとんど同じように返して煽った。
トライネは僕の言葉を聞くと同時に身体を修復し、歯ぎしりをした。
「邪魔だ邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔!」トライネはそう言い放ちながら服をビリビリに破き、捨てた。そしてその瞬間僕の身体に槍が迫ってきていたのが分かった。それに気づくと同時に僕は避けようと上に跳ぶと魔王城が小さく見えた。
「ここまで避ければ...」僕がそう言いはなった瞬間槍が僕の足から頭にかけて、擦った。
「空中でも動ける...!?」トライネはそう言い、僕の目線の高さまで飛んできた。空中ではほどんど僕が不利だ。
「何てな!」僕はそう言い放ち、滞空しだした。僕の身体のあらゆるところに見えないほど小さい氷をへばり付かせ、身体を自由に動かせるようにしていた。
「だから?」トライネはそう言うと同時に僕の足を切り落とした。が僕は即座に元に戻した。
「この戦いの終止符はどちらが先に疲弊するかだ。槍を操るだけのお前に対して僕は時間を戻す。お前の負けは決定だ」僕は強く言い放った。
「本当にそう思うなら負けはお前だ」トライネがそう言い放った瞬間ひかりが瞬いた。
目の前のトライネの身体は少し黒くなっていて、目に渦が出来ている。僕は小手先を見ようと先に攻撃を仕掛ける。近距離攻撃をしても意味無い事は知っている。だから鱗と氷を操り、飛ばした。しかし、その攻撃は僕に反射された。僕は新たに氷や鱗を出し、打ち消した。
「これで劣勢ということは無くなった...」トライネはそう言い放ち、片手を上にあげた。
「生きて返さないとはなんと実に悪らしい。人間はそう言って自分のことばかりですね。では先にあなた方を殺してあげましょう」スーツの男はそう言い放ち、微笑んでいる。
「悪は滅ぼす事が人間なのですよね?では私もそうさせていただきましょう」スーツの男はそう言い放ち、殺い霧を出し始めた。その黒い霧は地面を這うように広がり、その場を正に地獄へと変えていく。
言葉の通りだった。地面から骨の腕が出てきた。
「アンデッドはいい材料です」スーツの男はそう言って手を目の前で開き、次の瞬間拳を握った。その瞬間地面が抉れ出し、地面から出てきた骨から黒い霧がにじみ出てきた。その霧がスーツの男に集まっていく。
「私がかつて魔界で何と呼ばれていたか知っていますか?知らないでしょう?私は魔界での死神と呼ばれているのです。でも、あなた方の魂はまずそうです。だから、殺しません。生かしたままアンデッドにさせていただきます。理性の無い人形として...ね」スーツの男はにやけながらそう言い放った。
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